要約

この放送では、医師のひめ先生とマツバラ氏が医療現場における警察の不適切な介入と冤罪問題について議論しています。ひめ先生は、医療行為中に不幸な結果となった場合でも、医師が逮捕されるケースがあることに強い不満を示しています。

最初に、ひめ先生は「大野病院事件」について説明しました。東北地方の僻地病院で当直していた産科医が、緊急手術を行った際に患者が亡くなり、業務上過失致死で逮捕された事例です。医師は患者と赤ちゃんの命を救うために最善を尽くしたにもかかわらず、長期間の裁判の末、ようやく無罪となりました。

次に、2016年に東京都足立区の病院で起きた事例について議論しました。腫瘍摘出手術後、全身麻酔から覚めた女性患者が「胸をなめられた」と訴え、担当医師が準強制わいせつ容疑で逮捕されました。医師は一貫して否定し、裁判では麻酔科医や精神科医が「患者は術後せん妄の状態だった可能性が高い」と証言しました。東京地裁は2019年に無罪判決を出しましたが、東京高裁は2020年に逆転有罪としました。最終的に最高裁を経て、逮捕から8年半後に無罪が確定しました。

ひめ先生は、術後の患者は通常「術後回復室」で監視下に置かれ、意識が十分回復するまで一般病室に戻らないため、医師が不適切な行為をする機会はほとんどないと説明しています。また、術後せん妄は10〜30%の患者に発生する一般的な症状であることも指摘されました。

両者は、医学的知識のない警察が医療事件に介入することの問題点や、日本の司法制度における冤罪の問題について強い懸念を示しています。ひめ先生は、大野病院事件をきっかけに「産科医療補償制度」が設立されたことにも触れました。

ひめ先生は、医療現場における警察の不適切な介入について話し始め、「大野病院事件」を例に挙げました。東北地方の僻地病院で当直していた産科医が、緊急手術を行った際に患者が亡くなり、業務上過失致死で逮捕された事例です。医師は患者と赤ちゃんの命を救うために最善を尽くしたにもかかわらず、長期間の裁判の末、ようやく無罪となりました。ひめ先生は「医師が命を助けようとして全力で助けようとして、その結果、悲しい結果に終わったと思うんですけど、それで警察が出てくることじゃない」と強調しました。

ひめ先生は、警察が医学知識を持たないことが問題の根源だと指摘しました。「警察が馬鹿だからはっきり言います。警察が無知だからです」と述べ、一方で無資格者による医療行為などの明らかな違法行為に対しては積極的に対応しないという矛盾を指摘しました。マツバラ氏も「闇エステ」のような無資格者による医療行為が多いことに同意しています。

マツバラ氏は2016年に東京都足立区の病院で起きた事例を紹介しました。腫瘍摘出手術後、全身麻酔から覚めた女性患者が「胸をなめられた」と訴え、担当医師が準強制わいせつ容疑で逮捕されました。ひめ先生は術後の患者管理について説明し、「術後回復室」では常に監視下にあり、意識が十分回復するまで一般病室に戻らないため、医師が不適切な行為をする機会はほとんどないと説明しました。

マツバラ氏は裁判の経過について説明しました。裁判では麻酔科医や精神科医が「患者は術後せん妄の状態だった可能性が高い」と証言し、東京地裁は2019年に無罪判決を出しました。しかし東京高裁は2020年に「被害を訴える女性の証言は迫真性が高い」として逆転有罪としました。最終的に最高裁を経て、逮捕から8年半後に無罪が確定しました。ひめ先生は日本の裁判制度の問題点として、裁判官の異動により判断が変わることがあると指摘しました。

ひめ先生は大野病院事件をきっかけに「産科医療補償制度」が設立されたことに触れました。両者は、医学的知識のない警察が医療事件に介入することの問題点や、日本の司法制度における冤罪の問題について強い懸念を示しました。ひめ先生は「もうちょっと警察も考えなあかんわね」と締めくくりました。

• 大野病院事件の事例:

• 東北地方の僻地病院で当直中の産科医師が緊急手術を行った事例

• 癒着胎盤の患者に対し、搬送時間（1.5〜2時間）を考慮し緊急手術を決断

• 残念ながら患者が亡くなり、医師は業務上過失致死で逮捕された

• 最終的には無罪となったが、医師は長期間苦しむことになった

• 足立区病院の事例（2016年）:

• 腫瘍摘出手術後、患者が「胸をなめられた」と訴えた事案

• 医師は一貫して否定

• 術後の環境（回復室での監視体制など）を考えると物理的に起こり得ない状況

• 裁判経過:

• 東京地裁（2019年）: 麻酔科医や精神科医の証言により「せん妄による幻覚の可能性」として無罪判決

• 東京高裁（2020年）: 「被害者証言の迫真性」を理由に逆転有罪

• 最高裁: 審理を差し戻し

• 高裁で再度無罪判決、検察は上告せず

• 逮捕から無罪確定まで8年半を要した

• 警察・司法の医学知識不足:

• 医学的知識がないまま医療行為を犯罪と判断する問題

• 専門家の説明があっても適切に理解・対応されない現状

• 裁判制度の問題:

• 裁判官の異動により判断が変わることがある

• 冤罪事件の背景にある司法の過失

• せん妄の理解:

• 術後患者の10〜30%に発生する可能性がある状態

• 大野病院事件を契機に産科医療補償制度が設立された

チャプター大野病院事件：医療行為による不幸な結果と医師の逮捕 ‎警察の医学知識の欠如と対応の問題点 ‎2016年足立区病院事件：術後せん妄と冤罪 ‎裁判の経過と無罪確定までの長い道のり ‎医療と司法の問題点と産科医療補償制度の設立 ‎アクションアイテムひめ先生は警察が医療知識を持つべきだと提案しました。 ‎ひめ先生は医療事故と犯罪を区別する必要性を指摘しました。 ‎マツバラ氏は術後せん妄に関する医学的知識の普及が必要だと示唆しました。 ‎ひめ先生は大野病院事件をきっかけに設立された産科医療補償制度について詳しく説明する必要があると述べました。 ‎プロジェクト同期/状況更新 議事録医療現場における法的問題の議論医療と司法の問題点対策と進展行動項目警察・司法関係者への医療知識の啓発が必要医療現場と法執行機関の間の理解促進が求められる