綺麗になるラジオ By HIMECLINIC

No.543 末期がんと申請する不正請求


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概要

この放送は「再生医療ネットワークpresents綺麗になるラジオ」の第543回で、マツバラさんとひめ先生が医療業界における架空請求や不正請求の問題について議論しています。

冒頭では、ひめ先生の誕生日に触れた後、医療保険制度における架空請求の問題に話題が移ります。特に、実際には末期がんではない患者を末期がんと偽って573万円余りの診療報酬を不正請求したクリニックの事例が紹介されました。

ひめ先生は、このような不正請求が「ざら」にあると指摘し、特に在宅医療の分野で問題が多いと説明しています。医師が患者に実際の診断を伝えずに、保険請求のためだけに病名をつける「保険病名」の慣行についても言及されました。

さらに、在宅時医学総合管理料や頻回訪問加算など、医療機関が利益を得るために利用できる様々な加算制度について詳細に説明されています。特にサービス付き高齢者住宅を利用した不正請求の手法が具体的に解説され、株式会社が運営する高齢者施設が制度の抜け穴を利用して不当な利益を得ている実態が批判されました。

最後に、マツバラさんは医療費の請求システムがもっとシンプルになるべきだと提案し、現在の複雑な加算制度が問題を引き起こしていると指摘しています。ひめ先生もこれに同意し、現状は「完全にアウト」だと結論づけています。

マツバラさんが番組「再生医療ネットワークpresents綺麗になるラジオ」の開始を告げ、ひめ先生が「架空請求には気をつけましょう」と注意を促しました。マツバラさんはひめ先生の誕生日を祝い、ひめ先生は自身のSNSアカウントでバースデー動画を投稿したことを紹介しました。その後、ひめ先生は富士山の麓で行われる「総合富士軽く編集」というイベントについて触れ、イライラしたときの対処法として笑顔で過ごすことを勧めています。

マツバラさんが「笑顔になれない話題」として、末期がんではない患者を末期がんと偽って573万円余りの診療報酬を不正請求したクリニックの事例を紹介しました。ひめ先生はこのような不正請求が「ざら」にあると指摘し、特に患者に何も伝えずに伝票上だけで病名をつける手法について説明しました。また、訪問診療などの場面で特にこうした不正が行われやすいと述べています。

ひめ先生は診断基準が徐々に甘くなっていることを指摘し、健康診断の結果から安易に病名をつける例を挙げました。例えば、血圧が高いと「高血圧症」、コレステロール値が高いと「高脂血症」、血糖値が高いと「糖尿病」と診断名がつけられ、それによって加算が取れる仕組みを説明しています。マツバラさんもこれを「保険病名」と呼び、勝手に病名をつける慣行があることを確認しました。

ひめ先生は在宅医療の分野での不正請求について詳しく説明し、特に「在宅時医学総合管理料」や「頻回訪問加算」などの制度が悪用されている実態を指摘しました。月に4回以上(週に2回程度)の訪問診療を行うことで加算が取れる仕組みを「美味しい点数」と表現し、これを狙って訪問診療を行うクリニックがあることを批判しています。

ひめ先生はサービス付き高齢者住宅を利用した不正請求の手法について詳細に説明しました。これらの施設は老人介護施設とは別物と位置づけられているが、実態は変わらないにもかかわらず、株式会社が運営でき、利益追求ができ、補助金も入るという「美味しい」仕組みになっていると批判しています。入居者から管理料や食費を取りながら、医療保険からも利益を得る二重取りの構造を指摘しました。

マツバラさんは令和6年度の診療報酬改定で同一建物診察患者の人数による見直しが行われ、特別養護老人ホームと同等になったことを紹介しました。ひめ先生は実態が同じであれば同じような配分にすべきだと主張し、株式会社が不当に利益を得ている総額が明らかになれば大問題になるだろうと指摘しています。最後に、マツバラさんは医療費の請求システムがもっとシンプルになるべきだと提案し、ひめ先生も現状は「完全にアウト」だと同意しました。

  • 本日の主題は、医療・介護分野における不正請求と診療報酬制度の課題整理。
  • 架空請求事例(末期がん偽装)や在宅医療の加算悪用が中心トピック。
  • 令和6年度の診療報酬改定に伴う評価見直しの影響確認。
  • 架空請求の深刻化
  • 患者実態と異なる重症度(例:末期がん)で請求し573万円超を不正請求したクリニック事例。
  • 患者本人への説明なしで伝票上のみ病名を付与する手口への懸念。
  • 病名の「保険適用」目的化
  • 診断基準の緩和が進む中で、高血圧・高脂血症・糖尿病などを「保険病名」として付与し加算を得る慣行。
  • 随時採血など単発データを根拠に病名を付ける実務のリスク。
  • 在宅医療領域の加算悪用
  • 在宅時医学総合管理料や頻回訪問加算(月4回以上を形だけ満たす運用)を狙ったスキーム。
  • 施設と一括契約し、隔週訪問を積み上げ平均月4回に調整する実務。
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)での実態乖離
  • 老健・特養相当のケア実態があるにもかかわらず「住宅」として解釈し易収益化。
  • 賃貸/分譲モデルで入居者から管理料・食費等多重徴収、医療側は在宅加算を最大化。
  • 一部事業者/クリニックが高齢者の善意に付け込み、過剰利得を吸い上げる構造。
  • 令和6年度 診療報酬改定のポイント
  • 同一建物の診察患者数に基づく評価の見直しを実施。
  • サ高住入居者への評価を「入居時等医学総合管理料」へ整理し、特別養護老人ホーム相当の水準へ調整。
  • 期待される効果
  • 在宅・同一建物での過剰加算の抑制。
  • 実態に応じた配分の是正(実態が同等なら評価も同等に)。
  • 残る課題
  • 加算項目の多層化・複雑化により、組み合わせ次第で報酬が大きく変動する設計が不正誘因に。
  • 現場実務の簡素化と透明化が不足している。
  • 医療費全体の逼迫に対し、一部法人/クリニックによる制度悪用が総額を押し上げる可能性。
  • 患者への十分な情報提供・同意欠如による倫理的・法的リスク。
  • 制度の複雑性が監査・ガバナンスの目詰まりを招く。
  • 制度簡素化
  • 加算項目の統合/整理と、定義・算定要件の明確化。
  • 透明性・監査強化
  • 同一建物・在宅領域のデータドリブン監査の常態化。
  • 病名付与の根拠データ(継続的指標・確定診断)の記録義務化。
  • 患者保護
  • 重要診断名の付与時に患者通知と説明記録を必須化。
  • 教育・倫理
  • 事業者・医療者向けのコンプライアンス研修強化。
  • 在宅医療および同一建物関連の請求実態を内部点検し、頻回訪問・総合管理料の算定根拠を棚卸しする方針を確認。
  • 令和6年度改定に準拠した運用ガイドを作成し、現場へ展開することを合意。
  • 重要診断名の説明・同意プロセスを標準業務手順に組み込み、記録様式を統一する方針を確認。
  • 同一建物評価見直しの収益影響シミュレーション。
  • 加算の統合候補と現場オペレーション簡素化案。
  • 監査ログ設計(訪問実績、診断根拠、患者説明記録の連携)。


チャプター番組の開始と架空請求の話題導入 ‎医療における架空請求の実態 ‎保険病名と診断基準の問題 ‎在宅医療における不正請求の手法 ‎サービス付き高齢者住宅を利用した不正請求 ‎医療費問題と制度改革の必要性 ‎アクションアイテムひめ先生が提案した架空請求に注意を払うこと。 ‎マツバラさんが指摘した医療費の請求システムをシンプル化する必要性について検討すること。 ‎ひめ先生が言及した在宅医療における不正請求の実態について調査を進めること。 ‎ひめ先生が提案したサービス付き高齢者住宅の運営実態と医療費請求の関係を精査すること。 ‎プロジェクト同期 / ステータス更新 サマリー会議概要不正請求・制度悪用の実態制度改定・影響リスク・懸念提案・方向性決定事項次回までの検討テーマアクションアイテム@コンプライアンス: 在宅・同一建物請求の内部監査計画を策定(頻回訪問・総合管理料の根拠点検を含む)。@医事課: 令和6年度改定に準拠した算定ガイドを作成し、全拠点へ周知。@診療部: 重要診断名付与時の患者説明・同意フローを標準手順として文書化。@情報システム: 診断根拠・訪問実績・説明記録の監査ログ機能要件を定義。@経営企画: 同一建物評価見直しのPL影響シミュレーションを実施し対策案を提示。

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