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No.545 低価値診療を解説


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要約

この放送は「再生医療ネットワークpresents綺麗になるラジオ」の第545回で、マツバラさんとひめ先生が「低価値診療」についての特集を行いました。

ひめ先生は筑波大学の研究によると、約1割の診療が「低価値診療」に該当するという調査結果を紹介しました。低価値診療とは、患者のためにならない、主に金儲けのために行われる診療と定義されています。

具体例として、ウイルス性の風邪に対する抗生剤の不適切な処方が挙げられました。ひめ先生は、風邪の多くはウイルス性であり、抗生剤は細菌にしか効かないため、ウイルス性疾患への抗生剤投与は無意味であると説明しました。さらに、不必要な抗生剤の使用は耐性菌のリスクを高め、将来的に本当に抗生剤が必要な状況で効かなくなる危険性があると警告しました。

また、漫然と薬を処方し続けるクリニックや、必要以上に検査を繰り返す「検査漬け」の診療も低価値診療の例として挙げられました。ひめ先生は、健康診断のデータを持って医師に相談するのが望ましいアプローチだと提案しています。

患者側からどうやって低価値診療を見分けるかという質問に対しては、残念ながら簡単な方法はないとしながらも、複数の医師に相談できる窓口を持っておくことを推奨しました。

マツバラさんが低価値診療の話題を提起し、ひめ先生が筑波大学の研究結果を紹介しました。約1割の診療が低価値診療に該当するという調査結果が示されました。ひめ先生は低価値診療を「患者さんのためにならない、金儲けのために行われる診療」と定義し、その判断が難しいことを説明しました。

ひめ先生は風邪の多くがウイルス性疾患であり、抗生剤は細菌にしか効かないため、ウイルス性の風邪に抗生剤を処方することは低価値診療の一例だと説明しました。不必要な抗生剤の使用は耐性菌のリスクを高め、将来的に重大な感染症に罹患した際に有効な治療ができなくなる危険性があると警告しました。ウイルス性疾患に対しては対処療法が基本であることも述べられました。

ひめ先生は漫然と薬を処方し続けるクリニックの問題を指摘し、必要のない薬は飲まない方が良いと助言しました。また、マツバラさんの質問に応じて、必要以上に検査を繰り返す「検査漬け」の診療も低価値診療の一例として挙げました。健康診断のデータを持って医師に相談するのが望ましいアプローチだと提案しています。

マツバラさんが患者側からどうやって低価値診療を見分けるかと質問し、ひめ先生は残念ながら簡単な方法はないと回答しました。ただし、複数の医師に相談できる窓口を持っておくことを推奨し、「ドクターショッピング」という概念が現代では有効かもしれないと述べました。

  • 今回はリスナーコメントへの回答を中心に、「低価値診療」の実例とリスク、患者側の対処法について整理。時間の都合で続きは次回へ持ち越し。
  • 定義の難しさ:
  • 研究(例:筑波大学の10項目抽出)でも一意に定義しづらいテーマであることを確認。
  • 実務的な理解:
  • 患者利益より収益を優先した診療行為=低価値診療という実務的解釈で議論。
  • 患者の健康アウトカムを損なう可能性がある点が本質的な問題。
  • 風邪(多くはウイルス性)への不適切な抗生剤投与
  • 効果がない状況での抗生剤処方は低価値診療。
  • 耐性菌リスク:
  • 不要な抗生剤投与の累積で有効薬がなくなる可能性。
  • 重症感染時(例:外傷後の感染、肺炎、敗血症)に致命的リスクへ発展。
  • ウイルス性疾患の基本対応:
  • 対症療法中心(休養・水分補給など)。特効薬は前提としない。
  • 漫然投与・長期投与の常態化
  • 診察なしで「いつもの薬」を出し続ける行為は患者の健康リスク増大につながる。
  • 必要な薬は適切に、不要な薬は避けるという原則を強調。
  • 過剰検査(検査漬け)
  • 意味の薄い反復的検査(血液・尿・感染症キット・広範アレルギー検査など)の濫用は収益目的化しやすい。
  • 基本は健康診断のデータを活用し、必要に応じた追加検査へ。
  • 制度面での懸念
  • かかりつけ制度等での追加料金の取り方が低価値化を助長する場合があるとの問題提起。
  • 見分けの難しさ
  • 一般患者が低価値診療を個別に判定するのは難しい。
  • 現実的な対応
  • 相談窓口(医師・医療機関)を複数確保してセカンドオピニオンの選択肢を持つ。
  • 健康診断の結果を持参し、必要性の説明を求める姿勢を取る。
  • 名古屋近郊の人は水曜会の活用という案内あり。
  • コメントへの回答は1件で時間切れ。残りは次回に継続予定。


チャプター低価値診療の定義と実態 ‎抗生剤の不適切な使用について ‎その他の低価値診療の例 ‎低価値診療の見分け方 ‎行動項目ひめ先生は患者さんに対して、風邪などのウイルス性疾患には抗生剤を使用せず、対処療法で休養をとることを推奨しました。 ‎ひめ先生は患者さんに対して、定期的な健康診断を受け、そのデータを持って医師に相談することを推奨しました。 ‎ひめ先生は低価値診療を避けるため、複数の医師に相談できる窓口を増やしておくことを提案しました。 ‎プロジェクト連携 / 進捗状況のまとめ概要低価値診療の定義と背景具体例とリスク患者側の見分け方・対処次回予告・進行対応事項コメントへの残りの回答を次回の配信で実施する。

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