綺麗になるラジオ By HIMECLINIC

No.547 ミトコンドリアがガンの手先をする話


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要約

マツバラ氏とひめ先生による「綺麗になるラジオ」の第547回放送が8月15日(終戦記念日)に行われました。番組冒頭では、終戦記念日の黙とうについて触れ、ひめ先生は12時に黙とうを行ったことを報告しました。黙とう中に電話がかかってきたことや、市役所からのLINE通知が黙とう時間に届いたことなど、タイミングの悪さについて二人は話し合いました。

続いて、ひめ先生は過去の放送で説明したミトコンドリアに関する情報の訂正を行いました。以前はミトコンドリアは母由来のみと説明していましたが、2014年の東京大学の研究により、実際には精子にもミトコンドリアが存在するものの、受精後に残らないことが判明したと説明しました。哺乳類では受精時に父由来のミトコンドリアが卵子に入れないようブロックされ、線虫などでは入るものの徐々に溶解されることが分かっているとのことです。

さらに、ミトコンドリアの特性について、細胞分裂時に自己複製するだけでなく、細胞膜を突破して新しい細胞に移動できる能力があることを説明し、「エイリアン」と表現されることもあると述べました。

番組の後半では、がん細胞とミトコンドリアの関係について議論されました。通常の細胞とは異なり、がん細胞はミトコンドリアをエネルギー源として使用せず、エネルギー代謝が異なることが説明されました。さらに、がん細胞のミトコンドリアが免疫細胞に侵入し、免疫細胞の働きを抑制することでがん細胞の生存を助けるという驚くべき発見について話し合いました。

ひめ先生は、この発見が新たながん治療戦略につながる可能性があると指摘し、医学にはまだ解明されていないことが多くあることを強調しました。現在の医学知識が常に更新され、以前は当たり前と思われていた情報が新たな研究によって覆されることがあると締めくくりました。

マツバラ氏とひめ先生は8月15日の終戦記念日について話し合いました。ひめ先生は12時に黙とうを行ったことを報告し、その最中に電話がかかってきたことに不満を述べました。マツバラ氏も市役所からのLINE通知が黙とう時間に届いた経験を共有し、そのようなタイミングの設定に対する疑問を呈しました。

ひめ先生は過去の放送でミトコンドリアは母由来のみと説明したことを訂正しました。2014年の東京大学の佐藤先生の研究により、精子にもミトコンドリアが存在するが、受精後に残らないことが判明したと説明しました。哺乳類(マウス)では受精時に父由来のミトコンドリアが卵子に入れないようブロックされ、線虫などでは入るものの徐々に溶解されることが分かっているとのことです。ミトコンドリア病についても触れ、医学にはまだ解明されていないことが多いと強調しました。

ミトコンドリアは細胞分裂時に自己複製するだけでなく、細胞膜を突破して新しい細胞に移動できる能力があることが説明されました。ひめ先生はこの特性から、ミトコンドリアが「エイリアン」と表現されることもあると述べました。

がん細胞は通常の細胞とはエネルギー代謝が異なり、ミトコンドリアをエネルギー源として使用していないことが説明されました。さらに、がん細胞のミトコンドリアが免疫細胞に侵入し、免疫細胞の働きを抑制することでがん細胞の生存を助けるという驚くべき発見について話し合われました。ひめ先生はこの発見が新たながん治療戦略につながる可能性があると指摘しました。

ひめ先生は、現在の医学にはまだ解明されていないことが多くあることを強調し、再生医療や血小板の研究など、新たな発見が常に行われていることを説明しました。当たり前と思われていた医学知識が新たな研究によって覆されることがあると締めくくりました。

  • 放送回の冒頭で終戦記念日に関する雑談と所感が共有された後、過去放送の発言修正(ミトコンドリアの父系由来に関する知見更新)と、ミトコンドリア研究の最新動向、特にがん細胞と免疫細胞との相互作用に関する話題へと議論が展開。再生医療や血小板研究の再評価など、既存常識が覆るケースが増えている点が強調された。
  • 終戦記念日に関する所感(冒頭トピック)
  • 12時の黙とうに関するエピソード共有
  • 黙とう中の通知や電話に対するマナー意識の話題
  • 公的機関メッセージの配信タイミング設定への違和感
  • 過去発言の修正:ミトコンドリアの父系由来
  • 主旨
  • 「ミトコンドリアは母系由来のみ」という従来理解に対し、2014年以降の研究進展で父由来ミトコンドリアの扱いが再考されている点を訂正
  • 種差による機序の違い
  • 哺乳類(マウス):受精時に父由来ミトコンドリアが卵子内へ入れない(ブロックされる)
  • 線虫・ショウジョウバエ:一旦は侵入するが、その後分解されて消失
  • 含意
  • 父由来ミトコンドリアが残らない理由は未解明領域が多く、今後の基礎研究が重要
  • ミトコンドリア動態の最新知見
  • 細胞分裂とミトコンドリア増殖
  • 細胞分裂時にミトコンドリアも複製・分配されるが、細胞膜を越えて別の細胞へ移行する可能性も示唆
  • 比喩
  • ミトコンドリアが「エイリアン」のように振る舞うという表現で、独立性・可動性の高さを説明
  • がん細胞とエネルギー代謝
  • 代謝の違い
  • 健常細胞:主にミトコンドリアでATPを大量産生、解糖系は補助的
  • がん細胞:ミトコンドリア由来エネルギーへの依存が低く、解糖系優位(ワールブルグ効果に相当)
  • 乳がんの事例
  • がん細胞内のミトコンドリアが変質し、「悪いミトコンドリア」として機能
  • 免疫回避機構と治療的示唆
  • 免疫細胞への影響
  • 変質したミトコンドリアが免疫細胞内へ侵入し、免疫機能(攻撃能力)を抑制
  • 結果として、がん細胞の生存・増殖を助長
  • 研究・治療への示唆
  • 免疫チェックポイント阻害や個別化免疫療法(ターゲット免疫)に加え、ミトコンドリアの免疫抑制作用を標的とする新戦略の可能性
  • がんは多様な遺伝子変異と適応機構を持つため、代謝・細胞内小器官レベルでの対策が重要
  • 再生医療・血小板研究の再注目
  • 幹細胞偏重からの揺り戻し
  • 米国を中心に血小板の機能再評価が進行
  • 既存常識の更新が起きており、臨床応用の幅が拡大する可能性
  • 総括
  • 医学は未解明領域が依然多く、最新知見により「当たり前」が覆ることがある
  • 今後も基礎研究と臨床応用の往復で理解が深化する見込み
  • 過去放送内容(ミトコンドリアの父系由来に関する説明)の訂正を正式に表明し、最新知見へのアップデート方針を確認。
  • 一般向け情報発信における知見更新の遅延や誤解の拡散リスク
  • 生物学・医学の進展速度が速く、定説の変化を適時反映する体制が必要
  • 免疫抑制に関与するミトコンドリア機構の未解明要素
  • 治療標的化に向け、種差や腫瘍種別での再現性・安全性評価が課題
  • ミトコンドリアと免疫抑制の機序レビュー
  • 種差(ヒト相当モデル)と腫瘍別のエビデンス整理
  • ミトコンドリア移行・侵入メカニズムの文献サーベイ
  • 治療戦略の探索
  • ミトコンドリア機能阻害または免疫細胞内防御強化の候補分子スクリーニング
  • 既存免疫療法(チェックポイント阻害等)との併用可能性評価
  • 情報発信の品質管理
  • 放送・配信内容のサイエンスレビュー体制の整備
  • 重要トピックのファクトチェックと随時訂正プロセスの明確化


チャプター終戦記念日と黙とうについての会話 ‎ミトコンドリアに関する情報の訂正 ‎ミトコンドリアの特性と細胞間移動 ‎がん細胞とミトコンドリアの関係 ‎医学の進歩と知識の更新 ‎行動項目ひめ先生は過去の放送で説明したミトコンドリアに関する情報を訂正した。 ‎ひめ先生はがん細胞とミトコンドリアの関係について最新の研究情報を共有した。 ‎ひめ先生は医学知識が常に更新されることを視聴者に伝えた。 ‎プロジェクト同期/ステータス更新のまとめ概要トピック別アップデート決定事項リスク・懸念次のステップ(提案)対応事項@広報/編集チーム: 過去放送「ミトコンドリアは母系のみ」発言の訂正告知案を作成し、次回配信までに掲出準備。@リサーチチーム: 免疫細胞内でのミトコンドリア侵入・機能抑制に関する近年(2014年以降)の主要論文レビューを実施し、要約レポートを作成。@臨床連携担当: 乳がんを含む固形腫瘍での代謝プロファイル(解糖系優位)と治療反応性の関連データを収集・整理。@番組制作: 次回放送での訂正パート台本(わかりやすい図解含む)を準備。

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