「いただきます」の奥深さを知る——食事の前に唱える「五観の偈」の智慧
今回のエピソードでは、お坊さんが修行の時などに必ず唱える「五観の偈」にフォーカス。私たちが日常的に口にする「いただきます」という言葉には、実はどんな深い意味が込められているのか。現役僧侶の瑜龍さんと代表世話人の杉浦さんが、食を通した心の整え方を語り合います。
「五観の偈」には、食事をいただく際に向き合うべき五つの教え(省み)が含まれています。瑜龍さんは、お寺で開催している月一回の「朝のヨガとお粥を食べる会」でも、参加者の皆さんと一緒にこの偈を唱えているそうです。
『五観の偈 ごかんのげ』 意味
一には 功の多少を計り 彼の来処を量るべし
食事に含まれた恵み、多くの想いと労が加わり届いていることを思いましょう。
二つには 己が徳行の全か欠か 多か減かを忖れ
食事をいただく前に、自分の行いを振り返り反省するゆとりを持ちましょう。
三つには 心を防ぎ過を表すは 三毒には過ぎず
食事は心を整えて、好き嫌いや不満を離れる努力をしましょう。
四つには 正しく良薬を事とし 形苦を救わんことを取れ
食事は命の糧。 自身の健やかな体と心を保つものと考えましょう。
五つには 道業を成ぜんが為なり 世報は意に非ず
食事で得た力で仏道を歩み、よく働き、自他の身心向上に生かしましょう。
他者の命に感謝する一方で、深刻なのが野生動物による「獣害」の課題です。瑜龍さんたちの住む地域では、田んぼを荒らすイノシシなどが年間1,000頭も駆除されていますが、その多くはただ埋められているだけという現状があります。せっかく失われる命を「ジビエ肉」や「ペット用ジャーキー」として活用し、命の循環を全うさせたいという、持続可能な地域づくりの取り組みについても議論が交わされます。
「いただきます」や「五観の偈」の本来の深い意味を知りたい方
日常の「食」に対して、感謝や丁寧さを取り戻したい方
ジビエ活用など、地域に根ざした命のサステナビリティに興味がある方
【パーソナリティ】新川 瑜龍(あらかわ ゆりゅう):スタートアップ経営者から僧侶へ。 「仏教は生き方マニュアル」をモットーに、独自の視点・経験を通して仏道をもっと身近に分かり易く伝えるスーパーチャーミング坊主を目指して修行中。
杉浦 佳浩(すぎうら よしひろ):お遍路2週目。 聴き手の代表として、仏教の教えを生活に落とし込む代表世話人。 現在、数十社を超える会社において顧問として世話人役を務める。 紹介のみで年間約1,000名を超える社長と会い続けている。
毎週金曜更新
「五観の偈」が教える五つの省み泥まみれで知った、お米一粒の価値命を無駄にしない「ジビエ」と、地域の課題「一粒のお米、一つの命に心を寄せる」1日3回の食事が、自分自身の襟を正し、心を穏やかに整える最高の修行に変わるかもしれません。