今日は消費者の心理と消費行動との関係について話をします。特にパーソナリティー、日本語では性格などと訳されるものですが、それと消費行動との関連・特徴について話をします。マーケティングではターゲットになる消費者を絞り込むために、いくつもの軸を使って消費者を別々のグループに分類します。その上でそれらのグループに対して効果のある広告、あるいは販売方法を考えていきます。身近なものだと、地域を軸にして消費者を分類するという方法があります。例えば、ある有名なインスタントうどんでは東日本と西日本で、だしの味を変えています。これは地域を軸にして消費者を分類しているということです。
パーソナリティーでどのように軸を作って消費者を切り分けるかということを話します。日本語では性格や人格と訳されますが、実際はそういった日本語から想像するよりもより広いものとして、パーソナリティーはとらえられています。分かりやすく言えば、内部や外部からの環境、何らかの刺激に対してどういう風に反応するのかを決めるといった心理的な特徴の事です。例えば人気のあるラーメン屋さんで、長時間列に並んで待つことが平気だという人もいれば、そうでない人もいます。また、他人と話す事に緊張するという人もいれば、そうでない人もいます。こういったものが、パーソナリティーの違いです。
このパーソナリティーをどのように分類していくのかという事については、いくつもの方法が研究されてきています。今回はその中でも古典的なものを1つ紹介します。ちょっとした心理テストを試してもらいます。今から2つの質問に答えてもらいます。3つの文章を提示するので、全ての内容に合意出来なくても、他の文章よりも自分に当てはまるなというものを直感的に、あまり考えずに選択をして下さい。こうなりたいというものではなくて、これまでの人生の大半において、実際にそうだったなと思えるものを選んで下さい。では、1問目です。3つ文章を出します。まずA:欲しいものは遠慮しすぎずに確実に手に入れる。B:自分と周囲とのバランスを大切にする。C:つい自分の中の世界に浸りがちになる。では、2問目です。D:楽観的過ぎて問題になる事がある。E:冷静沈着で合理的な人だと思われる。F:気持ちを発散したら気が収まる。これらのうち、どれが1番それぞれ自分に当てはまりますか。これは、カレン・ホーナイという新フロイト派の学者が考案した質問です。正式なものは60以上の質問から出来ていますが、今回はその中の短縮版です。
例えば、AとDを選んだ人は自己主張型と言われるタイプに分類されるパーソナリティーを持っているという事が分かります。この自己主張型はタイプ7の熱中する人と言われており、活動的でかつ外交的なパーソナリティーを持っていると言われています。これは自己主張型の全般的な傾向としては、困難に何か直面した時にそれに立ち向かうタイプ。また、自己主張や、ある程度自己をアピールしたいという意識が強く、自分の能力に自信やプライドを持って、出来れば他の人からもリスペクトを得たいというタイプです。
自己主張型と追従型、遊離型という大きく分ければこの3つのタイプがあります。このパーソナリティーと消費行動にはある一定の関係性があるという事が明らかにされています。コーエンというアメリカの学者が調査した結果分かった事ですが、例えば、追従型は協調性を重んじるタイプです。そのために他の2つのタイプに比べて人に好かれたいというような欲求が強いそうです。そのために沢山の人に受け入れられているようなブランド品を好む傾向にあり、その分、口コミに非常に強い影響を受けやすいという特徴があるようです。調査によれば、社交関係に気を配る傾向が強いので、石けんとかマウスウォッシュの消費量が他のタイプに比べれば多かったらしいです。自己主張型はどちらかというと、やや男性的というか野性的な製品やブランドを好む傾向が強いそうです。口コミや他人の意見の影響は他のタイプに比べれば少ない傾向があるようです。最後に遊離型は、他人と違った事をしたいという欲求が強いタイプです。特にあえて少数派であるという事を好む傾向にあるそうです。例えば、口コミが多い物をあえて避けるという傾向があると言われています。こういったパーソナリティーの違いによって、効果的な広告も変わってくるという事が分かるかと思います。例えば、追従型にアピールしそうなメッセージ、みんなから指示されているブランドですといった広告は、遊離型にはあまり効果的ではないと考えられます。
今日のまとめです。本日は消費者のパーソナリティーをどのように区分するか、また特徴などについて話しました。性別や居住地域といった分類軸に比べれば使い方は難しいですが、顧客がどのタイプのパーソナリティーを持っているのかを探ってそれに適したメッセージを流すという事がマーケティングを考える上で重要だと言えます。