家族の用事でタイに行ってきました。タイでは性転換手術を受けたMtFの徴兵免除が認められているものの、実は戸籍上の性別変更は認められていないらしい。つまり、戸籍上は男性なので徴兵は通常通り行われたのちに、徴兵免除を受けるためにわざわざ性転換手術を行ったことを医師が検査で確認する、という屈辱的な過程を経る必要があるという。
性転換手術を受けに渡泰する人がいたり、ニューハーフショーが娯楽産業として成功していることから受ける「LGBTQに寛容」という印象とは裏腹に、タイ国内のタイ人トランスジェンダーに対する対応は全く異なっているようだ(ホテル「犬とトランスジェンダーお断り」と書いてある看板があったりするという)。
Podcastの中で、タイの寛容/不寛容のバランスに「???」となっていたが、掘れば掘るほど似たようなバランスの案件が次々と出てくるのが、実にタイらしさとも言えるのだろう。
ちなみに話題に出ていた「不敬罪」の現在だが、そのタブーを破り今年の総選挙で前進党(野党)が「王室に関する不敬罪を定めた法律の改正」を掲げたという。前進党は結果的に最多議席を獲得し、ここに民意あり、王室が変わるのか?と思いきや、なんと8月には憲法裁判所が「違憲」の判断をしたことで解党を命じられ、党首と幹部が10年間の政治活動禁止を言い渡された。やばすぎ!
民主的に選ばれたわけではない機関が、親王室を前提とした憲法に基づく「立憲君主制」を掲げて政治批判を厳しく抑え込む権力を持つ、ってことは一生変化の可能性がないじゃん!ということです。タイで2020年にも同様の事態が起きた際は大規模な抗議デモに発展したが、その際に多くの有力者が訴追されているため、今回は大ごとに発展しなかった(できなかった)という背景もあるらしい。また4年後、次の総選挙ではどんな結果になるのだろうか。
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