資料(スズキ作成原稿、原文ママ)
モーレツ宇宙海賊 その魅力!
1. 作品基本情報
監督・シリーズ構成:佐藤竜雄
原作:朝日ノベルズ刊「ミニスカ宇宙海賊」(著:笹本祐一 画:松本規之)
脚本:佐藤竜雄/伊藤美智子(14~18話)/水野健太郎(19話)/宮崎真一(20話、21話)
放送:2012年1月~6月(TOKYO MXほか)
話数:全26話
2.おい鈴木、一体何がそんなに面白いってんだ?
・設定
・演出
設定
「職業としての宇宙海賊」 キーワード:私掠船、宇宙海賊稼業
私掠船とは
…大航海時代の16世紀イギリスで誕生し、歴史の中に消えた合法的海賊。国家から特許状を得て海賊行為を行う、いわゆる傭兵制度の一種。運用コストを自ら稼ぐため国庫負担が少なく、さらに登録料の徴収や略奪で得た利益が課税対象になる等、重要な財源としても機能。本作はこの私掠船制度を恒星間戦争という舞台に応用し、戦火の最中私掠船となった宇宙船を宇宙海賊の起源と据える。
本作は恒星間戦争終結の約100年後の世界が舞台で、歴史の遺物となった私掠船免状がその後どのように運用されるに至ったか(私略船免状が船体と船長に交付された為、船長が世襲制になったこと等)を様々なSF的要素を織り交ぜて描く。
宇宙海賊、その稼業(宇宙海賊の主な仕事)
・軍事演習、模擬戦の相手役
・旅客船に対する略奪行為(保険会社との綿密な連携)
・運び屋(主にヤバい物)
・護衛任務
・その他正当報酬を得られる各種依頼
※いわゆるグレーゾーンに属する業界。業態としてはサービス業。私掠船免状の所有が存在の基盤である為(新規で発行はされないので)参入障壁が極めて高い。それゆえ同業者間においても競争原理はあまり働かず、トップの経営判断にはかなり選択の余地がある業界と考えられる。
宇宙海賊に対する保険会社の役割
1. 海賊行為に伴うリスク保障、2.情報提供及び交換、3. 海賊への仕事斡旋
…保険会社が私掠船と取り引きする理由は、有用な情報ソースとして捉えているためだと考えられる。
保険会社は海賊と取引をすることで事業の最大基盤である顧客情報を収集でき、宇宙海賊としては保険会社と契約することで宇宙船運用時に生じるリスクが軽減される為、互いにwin‐winの関係にある。
上記のような細々した理屈はあるにはあるが、海賊が保険に加入していて、さらには合法的に旅客船を襲っているという設定だけでもワクワクしてはこないだろうか?それも宇宙を舞台に!!
「SF要素」 キーワード:超光速通信、電子戦、太陽帆船、ディンギー
① 超光速通信…作中での描写は地味であるが、作品世界の根幹を担う重要技術。本作の世界は銀河規模で高速通信網が整備されるに至っている。現代においても、いかに早く多くの情報を伝達し得るかは、とくに株取引などの分野では至上命題とされている。 経済大国アメリカでは、わずか3マイクロ秒の通信優位性を手に入れるため、莫大な予算を投じて高速通信網がシカゴーウォール街間に引かれる工事も行われている。このような経済的必然性に則って、銀河という広大な版図においても高速通信網が整備されるに至ったのであろう。船籍照会システム(通称トランスポンダー)などの技術はこの高速通信網の存在が前提となっている。
②電子戦…本作におけるSF描写の肝。「孫子の兵法」の教えである「情報を相手よりも多く得ていれば、ドンパチが始まる前に勝敗は決する」を地でいく戦い。相手に自陣の座標や意図を悟らせず、いかに先んじて相手の情報を捉えるか。超光速通信網を用い、相手艦の生命維持システムに強制アクセスを掛ける等の戦法がある。こちらも画的には地味であるが、人間の意志というアナログなものと高度に発展した通信技術が調和して語られており、より現実味のある描写が画面に結実されている。
③ 太陽帆船…ソーラーセイルを推進力にする宇宙船。緩慢とした推進速度やソーラーパネルを拡げた容姿はさながら帆船を連想させる。本作では白鳥号(通称オデット二世)という太陽帆船が登場する。個人的にこの作品でいちばん好きなデザインの宇宙船。
④ ディンギー…小型の帆船。通称ヨット。超かわいい。以上!
演出
先述した設定にはもちろん魅力的なものが多いが、やはりアニメがアニメである所以は演出に依るところが大きい。
ここでは、具体的にどのような演出が本作においてなされているかを見ていく。
キーワード…とにかく可愛い、ネタバレされても面白い
①とにかく可愛い
…登場する女の子、機械、小物、色彩などなど、本当にあらゆる部分が可愛い。
いわゆる「萌え」の一種かもしれんが、嫁にしたいとかそういうのじゃない。
そう視聴者に感じせしめる理由としては、我々に「緊張」を与えないような画面構成やストーリー展開などの工夫がなされているからだと考えられる。具体例で述べると、宇宙海賊の話なのに6話目まで一切海賊らしいことをしないでじっくり主人公の個性を描いているとか、(俺はエロを見出すが)女の子ばかり出る割にエロ表現が少ないとか、色彩が全体的に落ち着いている(プリキュアなんちゃらと反対の色使い)等が挙げられる。
こういった工夫が鑑賞時のストレス軽減に寄与しており、表現やストーリーに対して純粋に「くぁわいい」と感じる気持ちを増幅させる働きがあるのではないかと私は考えている。
② ネタバレされても面白い
…本作はストーリーの起承転結を楽しむというよりは、台詞回しや設定、そして
それらの画面上での演出を楽しむという側面が強く「アニメ」でないと楽しめ
ない作品であると言える。
それに加えて、上述した通り鑑賞者に「緊張」を与えないような工夫が随所にな
されているので、極論を言えばどんなに見ていても飽きない。悪く言えば抑揚
がないのだが、良く言えばご飯やパン等の主食のような作品とも言える。
その為、話の大筋どころか先に脚本を全て読まされたとしても、作品を十分に
楽しむことが可能だと言える。
ちなみに私はどんなに少なく見積もっても6週は見てるけど全然飽きない。
※内訳:TV放送(1週)、ニコ生一挙(2週)、購入BD鑑賞(最低2週)&現在再放送継続視聴中
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