賢治が残した数多くの歌曲のなかで、一般に歌われることの最も多いのはおそらく「精神歌」で、次いで二番目は「星めぐりの歌」なのではないでしょうか。では、三番目は何だろうと考えると、私は、この「ポランの広場」だろうと思うのです。
毎年の「賢治祭」では、菊池裕さん率いる「桜町ママさんコーラス」が、たいていこの歌を披露してくれますし、岩手県出身の作曲家加藤學氏も、「混声合唱のためのイーハトーヴォ幻想」という作品の中心に、この曲を据えておられます。
最新の『【新】校本宮澤賢治全集』からは、この曲は姿を消しているのですが、旧版『校本全集』の楽譜をもとに、VOCALOID で演奏を再現しました。伴奏は、アコーディオンと鉄琴だけという素朴なものにしてあります。
<歌詞>
つめくさの花の 咲く晩に
ポランの広場の 夏まつり
ポランの広場の 夏のまつり
酒を呑まずに 水を呑む
そんなやつらが でかけて来ると
ポランの広場も 朝になる
ポランの広場も 白ぱっくれる。
つめくさの花の かほる夜は
ポランの広場の 夏まつり
ポランの広場の 夏のまつり
酒くせのわるい 山猫が
黄いろのシャツで出かけてくると
ポランの広場に 雨がふる
ポランの広場に 雨が落ちる。