引き続き元全日本モトクロスチャンピオンの熱田孝高さんをゲストにお迎えし、レース直前に行われる「テスト」について深掘りします。全日本のライダーたちは、開幕前やレースの合間にテスト日を設け、メーカー合同やチーム単独でマシンのセッティングを煮詰めていきます。サスペンションメーカーやパーツサプライヤーも帯同し、ライダーにとっては貴重な調整の機会です。

しかし、熱田さんはこの日本のテスト環境について、独自の視点から鋭く切り込みます。4大メーカーやサスペンションメーカーのサポート体制が充実している日本の環境は恵まれているとしつつも、その手厚さが故の課題もあると指摘。自身の世界選手権参戦時の経験を踏まえ、世界のライダーとの意識レベルの違いにも言及します。

特にサスペンションセッティングに関しては、テストでの過度な変更に疑問を呈します。事前テストで完璧に合わせたはずのセッティングが、レース本番のコンディションでは合わないことは多々あります。細かな変更を繰り返すよりも、ある程度決まったセッティングでライダー自身がマシンに乗り慣れ、様々な状況に対応できる能力を磨くことの重要性を説きます。その方がバイクとの一体感が生まれ、いわゆる「ゾーン」の状態にも入りやすくなるのではないか、と熱田さんは語ります。

日本のモトクロス界のテストに対する考え方に一石を投じる、熱田さんの経験に裏打ちされた深い考察は必聴です。

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