不倫 (中野 信子)
- Amazon Japan Store: https://www.amazon.co.jp/dp/4166611607?tag=9natreejapan-22
- Amazon Worldwide Store: https://global.buys.trade/不倫-中野-信子.html
- Apple Books: https://books.apple.com/us/audiobook/%E5%AE%9F%E8%AA%AC-%E5%9F%8E%E8%B0%B7%E6%80%AA%E8%AB%87-%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AB%E4%B8%8D%E5%80%AB/id1471586743?itsct=books_box_link&itscg=30200&ls=1&at=1001l3bAw&ct=9natree
- eBay: https://www.ebay.com/sch/i.html?_nkw=不倫+中野+信子+&mkcid=1&mkrid=711-53200-19255-0&siteid=0&campid=5339060787&customid=9natree&toolid=10001&mkevt=1
- もっと読む: https://japans.top/read/4166611607/
#不倫 #脳科学 #人間関係 #心理学 #倫理観 #家族 #結婚 #社会 #不倫
これはこの本の要点です。
まず最初に, 不倫の脳科学的メカニズム, 不倫がなぜ生じるのかを脳科学の視点から解説しています。脳には「ドーパミン報酬系」という快楽や興奮をもたらすメカニズムがあり、新規性や刺激に触れることで脳が活性化します。不倫は日常から逸脱した経験であり、新しい刺激や秘密の共有によってこの報酬系が強く刺激され、強い快感を感じやすくなります。さらに男女で不倫の動機や感じ方に違いがあることも脳の構造やホルモン分泌の違いから説明されます。男性は遺伝子の拡散という本能的衝動に突き動かされやすく、女性はより良いパートナーや生活への向上を、本能的に求める傾向が強いとされています。「なぜいけないと分かっていながら惹かれてしまうのか」という命題に、脳科学的根拠からアプローチしています。
次に, 嫉妬や裏切りの感情とその働き, 不倫には嫉妬や裏切り、怒りといった強烈な情動が伴います。本書では、これらのネガティブな感情が人間の進化や社会維持にどのような役割を果たしてきたのかを解説します。嫉妬は社会的なパートナーシップの維持や、配偶者の「逸脱」を防ぐ抑止力として働きますが、過剰になると心理的・物理的な葛藤やトラブルを生むリスクも孕んでいます。不倫が社会的に忌避されてきた理由には、家族やコミュニティの秩序を守るための「共同体の本能」が深く関与していることも明らかになります。また、裏切りを受けた側の心にどのような傷が残るのか、修復や再構築の可能性についても触れられています。
さらに, 道徳と倫理観の揺らぎ, 社会によって「不倫」に対する観念や取扱いは時代や文化によって大きく異なります。本書では、西洋・東洋を含めたパートナーシップや、一夫一婦制/多夫多妻制の歴史的変遷、現在の日本社会における規範意識を丁寧に比較・分析しています。現代社会では個人の自由や幸福追求が重視される一方で、家族制度や倫理観の変化に対応できず、表面化しやすい問題となっています。不倫を「絶対的悪」とせず、多様な人間観や価値観が存在することを受け入れる重要性について提起しています。
そして, 結婚・家族の意味とその変遷, 不倫問題を考えるうえで、結婚や家族が本来もっていた社会的役割や価値観の変遷を理解することは不可欠です。かつては家制度や財産承継、子孫繁栄を主な目的としていた結婚が、現代では「愛」や「個人の幸せ」に比重が移っています。そのため、パートナー間の価値観ギャップや、期待と現実のズレが不倫の温床となるケースが増加しています。家族の在り方が多様化する中で、一人一人が納得できる生き方・パートナーシップを選択できる社会の重要性について論じます。
最後に, 社会的な視線と自己責任, 不倫は私的な問題でありながら、時に大きな社会的非難を浴びせられます。本書では、SNSやメディアによる「炎上」現象や、スキャンダル消費といった現代特有の社会現象についても考察しています。さらに、人はなぜ他人の不倫にこれほど強い関心を抱くのか、集団心理や自己防衛本能の視点から読み解きます。不倫した側・された側、第三者の立場からそれぞれの心理や課題を分析し、「自己責任論」だけでは片付けられない複雑さを示しています。