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人的資本経営2


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前回は人的資本経営が何故大切なのか、従来の日本企業の経営とどう違っているのかを解説しました。人的資本経営とは単に社員を大切にする経営ではなく、社員一人ひとりの強み、弱みやモチベーションの状態などをしっかり把握すると共に、その能力を育成するための投資を行うことを通じて社員の力を企業の力にしっかり結びつける経営手法ということです。かつ、この人的資本経営がうたわれている背景には、企業の価値を生み出す源泉が従来の設備や機械から人の力にシフトしているということも説明いたしました。今回はこういった人的資本経営が広がっていく中で、我々一人ひとりのビジネスパーソンがどんなことに気をつければよいかを考えていきます。
まずは会社と社員の関係から考えていきましょう。これまでの会社と社員の関係とは会社側からすると、ややもすると採用してあげるという感覚です。社員からすると採用して頂くという、そんな意識が強かったと思います。特に規模が大きい会社になるとその意識は余計強まると思います。しかし、これからこの人的資本経営が広まると会社と社員の関係に大きな変化が生まれてきます。会社の価値を創り出す源泉が人、すなわち社員であるわけですから、社員はもっと大きな顔をしてもよくなります。おそらくもっと対等な関係に変わっていくと思います。お互いが選び選ばれる関係と言ってもいいかもしれません。社員からすれば、この会社はどのくらい一人ひとりの社員に目を配って育成のための投資をしてくれそうか、そしてやりがいを持って働けそうかを慎重に見極めて会社を選んでいく。会社側からすると、優秀な人材に選んでもらえるように人材育成プログラムをしっかり作って職場環境や労働環境を整える。こういったなかでお互いが選び選ばれる関係になっていくように思います。
社員にとってすごく過ごしやすい環境に見えますが、実はそうでもない点があるんで注意が必要です。確かに会社は社員一人ひとりに気を配って育成のための投資を惜しまないですが、そのかわりある種当然なんですが、結果を求めてきます。社員に投資する代わりに会社の力となってビジネスに貢献することを会社側は求めてきます。これまでの日本の会社は終身雇用が一般的でした。ですので、一度会社に採用されてしまえば、大きな失敗さえせずに、大過なく過ごしてさえいれば、給料がそこそこもらえたということもありました。ただ人的資本経営が広がってくるとそうのんきなことも言っていられなくなります。会社が自分の強み、弱みを把握して、力を付けるための●●を用意してくれる。その代わり社員はその会社の努力に応えることが当然必要になります。
ある種緊張感を持った関係に変わってきます。会社の期待に若干応えられない面があってもクビになることは無いと思いますが、給与や昇進、待遇の面では大きな差が付くようになってくるように思います。ただ逆に力がある人、俺が頑張る、私は頑張るという人にとってはとても魅力的な環境が到来します。日本の会社はまだまだ年功序列が色濃く残っています。何故かというと社員の一人ひとりの能力を会社がしっかり把握しないで、ある種年齢で大雑把に把握してきたからです。一度、会社が社員の能力をしっかり把握をしてその力を使うようになると、年齢の意味はほとんど無くなってしまいます。若くても実力があればそれに見合うポジションや待遇などを得る事が出来るということです。それが人的資本経営の意味する所です。さらに転職も増えるのではないかと思っています。自分の力を発揮できる会社が他にあればそちらへ移ることも躊躇しない、そんな人も増えてくるのではないでしょうか。
一方会社側も、社員すなわち人的資本にどんな配慮をしているのか、それを積極的にPRして良い人材を募るということをすると思います。少し前にアメリカでワー・フォー・タレントという言葉が流行りました。有能な人材をめぐる戦争という意味ですが、日本でも少子高齢化ですから優秀な人材をめぐる企業間の競争は激しくなってきております。このように人的資本経営が広がってくると、我々社員一人ひとりにとっても環境が大きく変わって来ることが見えてきました。
ではこれからの時代、我々はどんなことに気をつければよいのか、会社と対等な関係に変わってしまって、会社から多くの機会が提供される反面成果が厳しく問われる、こんな時代に一体我々ビジネスパーソン一人ひとりはどんなことに気をつければいいでしょうか。これからの時代、我々には2つのジリツが必要だと思います。自分で立つ自立と、自分を律する自律です。自分のビジネスパーソンとしての人生には自分で責任を持たなくてはいけません。自分で立つ自立、これが必要になってきます。一方で、自分のキャリアを自分で開発していくことも当然必要です。これまで一旦会社に入ってしまうと、自分のキャリアをある種会社に任せてしまっているケースが多かったように思います。自分のキャリアは意思を持って自分で開発をする。会社と意見がもし合わなければ勇気を持って転職をすることも必要になってきます。ビジネスパーソンとしての人生、主人公は当然自分です。なので自分を律する自律も必要になります。
今日のまとめです。前回、今回と人的資本経営について考えていきました。社員の立場からすると2つのジリツ、自ら立つ自立と自らを律する自律、この2つのジリツが極めて重要になってきます。是非ご自身の将来を考える際の参考にして下さい。
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