流れのほとりに

人間らしく生きるために(マルコの福音書5章1節~20節)


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序)問題の単純化に注意

・「全部、あなたの罪のせい」「全部、社会のせい、政治のせい」「全部、悪魔のせい」といった言説は、安易な解決策に人を誤って導く。

1)「汚れた霊につかれた人」が象徴するもの
・舞台はガリラヤ湖の「向こう岸」、「ゲラサ人の地」=「デカポリス(10 都市連合:植民都市)」。ユダヤ人にとって汚された土地。
・4 節「彼はたびたび足かせと鎖でつながれたが、鎖を引きちぎり、足かせも砕いてしまい、だれにも彼を押さえる【ギリシャ語:ダマゾー:ダニエル 2:40 でのみ使われる特殊な言葉「砕いてつぶす」。幻の中で「第四の国」の力を物語る用語。】ことはできなかった。」
・ダニエル書では、第四の国が神の国に砕かれる。ユダヤ人はこれを「ローマ帝国を神の国が打ち砕く預言」と理解していた。しかし、イエスは「第四の国」は悪魔・サタンの国と理解していた。
・「汚れた霊につかれた人」はローマの支配と無関係ではないが、サタンの国の現れ。悪霊が「レギオン(ローマの軍隊用語)」と名乗る意味はより重要な問題のありかを示す。
・人間らしさを奪う魅力的な力は、現代にも数多く存在する。ドラッグ、占い、SNS 中毒、闇バイト等。

2)イエス様の粘り強い関わり

・「汚れた霊につかれた人」は助けて欲しいようで、それを断り、断るようで求めている。解放が、より大きな苦しみを招くのではとの恐れ。
・8 節~10 節のやり取りは「未完了過去」の動詞が使われ、繰り返しのやり取りがあったことを示唆する。
・「レギオン」を宿すとは、複雑な問題・悩みを抱えていたことを示し、ひとつひとつ名を呼んで追い出していったイエス様の姿が見えてくる。
・「豚」は汚れた動物であり、第 10 レギオンのシンボル。汚れ(マイナス)×汚れ(マイナス)=きよめ(プラス)となる。

結)3 つのチャレンジ

①人の弱さには愛を、社会の歪みには正義を、誘惑には祈りをもって、人間らしく生きる世界(神の国)のために包括的に取り組むこと
②教会がイエス様のように、助けを求める人を惹きつける場へ成長する。
③「ひとり」を粘り強く大切にすること。自分自身をあきらめないこと。


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流れのほとりにBy キリスト教たんぽぽ教会


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