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第104代内閣総理大臣に就任した高市早苗氏。日本初の女性総理として歴史的な一歩を踏み出しました。
しかし、その船出の裏では、日本維新の会との連立の条件となった「議員定数削減」が、政権の安定を左右する“火種”となりつつあります。
元RKKアナウンサー・宮脇利充さんが、初の所信表明演説と世論の反応を読み解きながら、新政権の行方を解説します。
🔶 女性初の総理誕生がもたらすインパクト
▶ 10月21日、高市早苗自民党総裁が第104代内閣総理大臣に選出され、自民・日本維新の会の連立政権が誕生しました。
▶ 「ガラスの天井を破った」と報じられた高市総理の誕生は、日本政治史における画期的な出来事です。
「能力があっても性別を理由に昇進できない“ガラスの天井”。それを打ち破った象徴的な出来事です」(宮脇さん)
▶ アメリカでは女性大統領がまだ誕生していない一方、イギリス・イタリア・北欧・台湾・ニュージーランドなどでは女性首脳が活躍しています。
▶ 日本でもようやく、女性が国のトップに立つ時代を迎えたことになります。
🔶 世論調査に見る「高市内閣」への期待と不安
▶ 共同通信の調査(10月21〜22日実施)によると、高市内閣の支持率は64.4%。読売新聞の調査では71%と高水準でした。
▶ さらに「高市総理の誕生が女性活躍を後押しするか」という問いには、「なる」35%、「どちらかといえばなる」42%で、計77%が期待を寄せています。
「ロールモデルとしての存在感が大きい。『努力すれば女性でも国のトップになれる』という希望を持たせる効果があります」(江上さん)
▶ 年代別では30代以下の若年層の79%が支持。
▶ 一方で、60代以上の支持は55%にとどまり、年齢が上がるにつれて支持率が低下する傾向が見られました。
▶ 性別では男性63%、女性66%と、女性の方が高い支持を示しています。
🔶 所信表明演説の要点と“言及されなかったこと”
▶ 10月25日午後2時、国会で行われた高市首相の所信表明演説(約30分)。
▶ 青のジャケットに大粒のパールのネックレスを合わせ、自信に満ちた表情で登壇しました。
演説の主な内容は次の通りです。
▶ 積極的な財政出動・物価高対策
▶ 熊本の**TSMC熊本(JASM/Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)を名指しした先端産業育成による経済成長戦略
▶ 給付付き税額控除の導入
▶ 科学技術投資とエネルギー安全保障
▶ 女性特有疾患への医療拠点整備
▶ 外国人受け入れ政策の見直し(排外主義ではない立場を強調)
▶ 裁判の再審制度改革
▶ 防衛費のGDP比2%**への前倒し実施
「非常に盛りだくさんでしたが、あれほどの中で“議員定数削減”に触れられなかったのは気になりました」(宮脇さん)
🔶 “連立の約束”議員定数削減はどこへ?
▶ 議員定数削減は、日本維新の会が連立の条件として掲げた最重要項目です。
▶ 現在、衆議院議員は465人(小選挙区289・比例代表176)。このうち**比例区を約50人削減(約1割)**する案が出ています。
▶ 日本維新の会は「この国会で法案を議員立法で提出し、通らなければ連立離脱」と明言しています。
「もし本当に提出されて可決されれば、小政党・中政党が大きな打撃を受けます。比例代表制はもともと多様な意見を国政に反映させるための仕組み。そこを削るのは筋が違うという声もあります」(宮脇さん)
▶ 自民・維新両党にとっても議席減は避けられませんが、より深刻なのは少数政党。政治勢力の多様性が損なわれる恐れがあります。
▶ 一方で、OECD(経済協力開発機構)加盟38か国中、日本の国会議員数は36位と“少ない方”。必ずしも「議員が多すぎる国」ではない現実もあります。
「世論が強く求めているわけでもない。にもかかわらず削減を急ぐのは、政権運営上の駆け引きのようにも見えます」(宮脇さん)
🔶 船出の順風と、静かな火種
▶ 世論の7割が支持し、女性総理として高い注目を集めた高市政権。
▶ しかし、議員定数削減という“連立の条件”が、早くも政権の安定に影を落としています。
「日本維新の会が離脱すれば政権は一気に不安定化します。高市内閣がこの火種をどう処理するかが、今後の政治の焦点になるでしょう」(宮脇さん)
出演:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん
聞き手:江上浩子(RKK)
By RKKラジオ第104代内閣総理大臣に就任した高市早苗氏。日本初の女性総理として歴史的な一歩を踏み出しました。
しかし、その船出の裏では、日本維新の会との連立の条件となった「議員定数削減」が、政権の安定を左右する“火種”となりつつあります。
元RKKアナウンサー・宮脇利充さんが、初の所信表明演説と世論の反応を読み解きながら、新政権の行方を解説します。
🔶 女性初の総理誕生がもたらすインパクト
▶ 10月21日、高市早苗自民党総裁が第104代内閣総理大臣に選出され、自民・日本維新の会の連立政権が誕生しました。
▶ 「ガラスの天井を破った」と報じられた高市総理の誕生は、日本政治史における画期的な出来事です。
「能力があっても性別を理由に昇進できない“ガラスの天井”。それを打ち破った象徴的な出来事です」(宮脇さん)
▶ アメリカでは女性大統領がまだ誕生していない一方、イギリス・イタリア・北欧・台湾・ニュージーランドなどでは女性首脳が活躍しています。
▶ 日本でもようやく、女性が国のトップに立つ時代を迎えたことになります。
🔶 世論調査に見る「高市内閣」への期待と不安
▶ 共同通信の調査(10月21〜22日実施)によると、高市内閣の支持率は64.4%。読売新聞の調査では71%と高水準でした。
▶ さらに「高市総理の誕生が女性活躍を後押しするか」という問いには、「なる」35%、「どちらかといえばなる」42%で、計77%が期待を寄せています。
「ロールモデルとしての存在感が大きい。『努力すれば女性でも国のトップになれる』という希望を持たせる効果があります」(江上さん)
▶ 年代別では30代以下の若年層の79%が支持。
▶ 一方で、60代以上の支持は55%にとどまり、年齢が上がるにつれて支持率が低下する傾向が見られました。
▶ 性別では男性63%、女性66%と、女性の方が高い支持を示しています。
🔶 所信表明演説の要点と“言及されなかったこと”
▶ 10月25日午後2時、国会で行われた高市首相の所信表明演説(約30分)。
▶ 青のジャケットに大粒のパールのネックレスを合わせ、自信に満ちた表情で登壇しました。
演説の主な内容は次の通りです。
▶ 積極的な財政出動・物価高対策
▶ 熊本の**TSMC熊本(JASM/Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)を名指しした先端産業育成による経済成長戦略
▶ 給付付き税額控除の導入
▶ 科学技術投資とエネルギー安全保障
▶ 女性特有疾患への医療拠点整備
▶ 外国人受け入れ政策の見直し(排外主義ではない立場を強調)
▶ 裁判の再審制度改革
▶ 防衛費のGDP比2%**への前倒し実施
「非常に盛りだくさんでしたが、あれほどの中で“議員定数削減”に触れられなかったのは気になりました」(宮脇さん)
🔶 “連立の約束”議員定数削減はどこへ?
▶ 議員定数削減は、日本維新の会が連立の条件として掲げた最重要項目です。
▶ 現在、衆議院議員は465人(小選挙区289・比例代表176)。このうち**比例区を約50人削減(約1割)**する案が出ています。
▶ 日本維新の会は「この国会で法案を議員立法で提出し、通らなければ連立離脱」と明言しています。
「もし本当に提出されて可決されれば、小政党・中政党が大きな打撃を受けます。比例代表制はもともと多様な意見を国政に反映させるための仕組み。そこを削るのは筋が違うという声もあります」(宮脇さん)
▶ 自民・維新両党にとっても議席減は避けられませんが、より深刻なのは少数政党。政治勢力の多様性が損なわれる恐れがあります。
▶ 一方で、OECD(経済協力開発機構)加盟38か国中、日本の国会議員数は36位と“少ない方”。必ずしも「議員が多すぎる国」ではない現実もあります。
「世論が強く求めているわけでもない。にもかかわらず削減を急ぐのは、政権運営上の駆け引きのようにも見えます」(宮脇さん)
🔶 船出の順風と、静かな火種
▶ 世論の7割が支持し、女性総理として高い注目を集めた高市政権。
▶ しかし、議員定数削減という“連立の条件”が、早くも政権の安定に影を落としています。
「日本維新の会が離脱すれば政権は一気に不安定化します。高市内閣がこの火種をどう処理するかが、今後の政治の焦点になるでしょう」(宮脇さん)
出演:元RKKアナウンサー・宮脇利充さん
聞き手:江上浩子(RKK)