箱根のポーラ美術館で、アメリカの現代美術を代表するアーティスト、ロニ・ホーンの個展「水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」が、9月18日から開催される。本展は、国内の美術館におけるホーンの初個展。テムズ川の水面やアイスランドの温泉、島の地図、水鏡を思わせるガラスなど、ロニ・ホーンの作品の多くは自然と密接に結びつきながら、極めてシンプルに削ぎ落された形式で展開されている。作品は、写真、彫刻、ドローイング、本など多岐にわたるが、一つの概念が多様な作品へと形を変えて現れる様は、環境や周囲との関わりによって姿を変える、「水」の性質を想起させる。東洋思想においては人間の精神のあり方や無常を表す水や川はまた、展覧会のタイトルにもある通り、ホーンがしばしば作品のモティーフやテーマとして用いるものだ。