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『ショユータ、蟲神器を極める』
第1話:狂気の少年、カードを手にする
「これが……蟲神器か……」
廃ビルの屋上。崩れかけたフェンスにもたれかかり、少年・ショユータは震える指で一枚のカードを握りしめていた。
その目は異様にギラつき、口元は不敵に歪んでいる。
蟲神器——それは昆虫をモチーフにしたカードバトルゲーム。全国大会まで開催されるほどの人気を誇るが、ショユータにとっては今日が初めてのプレイだった。
「蟲……いいね……小さくて、強くて、残酷で、合理的……最高じゃないか……」
少年はハイエナのような笑みを浮かべた。
⸻
第2話:天才、覚醒する
翌日——
「えっ、お前初心者なんだよな!? なんでそんな強ぇんだよ!」
カードショップ『バグズ・ネスト』。ショユータはたった二時間で店の常連を全員叩きのめした。
そのプレイングは異常だった。
「このターンでお前は詰んだよ。」
対戦相手がカードを引く前に、勝利宣言。だが、その通りになる。
相手のデッキ、手札、思考すら読んでいるかのような戦い方。
「いや、ありえねぇ! 初心者がそんな……」
「初心者……?」ショユータの目が狂気に濁る。「違うよ。俺は……全知全能の神さ。」
⸻
第3話:戦いの舞台へ
「……大会、出るのか?」
カードショップの店長・タケオが呆れ顔で聞くと、ショユータは不敵に笑った。
「当然。蟲の王として、俺がこのゲームの頂点に立つ。」
かくして、狂気の天才は全国大会へと歩みを進めるのだった——。
⸻
第4話:全国大会、開幕!
日本最大のカードバトルイベント——『蟲神器グランドマスターズ』。
全国から集まった猛者たちが一堂に会するこの舞台に、狂気の少年ショユータは現れた。
彼のデッキは、誰も見たことのない構築。**“バグ・エンペラー”**を中心にした超攻撃型で、誰もが「無理がある」と笑うようなデッキだった。
——だが、違った。
「この蟲たちは俺の分身さ。」
予選開始。ショユータは初戦から4ターンキルの連発。
「は、速ぇ! しかも、戦略が意味不明なのに勝ってる……!」
「バカな……! こいつ、カードを“操って”いる……?」
観客席がざわつく。対戦相手は恐怖で手が震えていた。
彼は、読んでいる。
デッキの流れ、相手の心理、すべてを超越した異常なプレイング。
そして、ショユータは決勝へと駒を進める。
⸻
第5話:決勝戦——神を名乗る男
「決勝で待ってるぞ、狂気の天才くん。」
ショユータの前に立ちはだかったのは、蟲神器界のレジェンド——神無月(かんなづき)レイジ。
「ふーん……アンタがボスキャラか。」
「ほう、ボスキャラ扱いとは光栄だね。でも君に勝ち目はないよ。」
レイジのデッキは完全無欠。どんな戦法も通じない。
過去五年間、誰も彼を倒せなかった。
しかし——
「いや、俺が勝つよ。」
「……ほう?」
「俺は……すでに“見えている”んだ。」
ショユータは不敵に笑い、カードを引いた。
⸻
第6話:世界を超越する一手
「行くぜ……《バグ・エンペラー—無限進化》発動!」
「なっ!?」
ショユータの場に、未発表のカードが現れる。
それは、公式すら存在を認めていないカード——
「ま、まさか……! お前、ゲームの枠を超越したのか……!?」
「そうさ……これは、俺だけの道……」
レイジの場は一瞬で制圧される。
「俺の勝ちだ。」
その瞬間——
レイジのライフがゼロになった。
ショユータ、優勝。
全知全能の神、誕生——。
⸻
第7話:狂気の果てに
表彰式。優勝トロフィーを手に、ショユータは高らかに笑う。
「ははははは!! 俺は神だ!! 蟲神器の神だ!!」
だが、司会者が震える声で告げる。
「……実は、君の勝利は公式ルール上、認められない。」
「……は?」
「君の使ったカード、《バグ・エンペラー—無限進化》は……存在しないカードだ。」
「……いや、あるよ?」
ショユータはカードを掲げる。
「ほら、ここにある。俺の手に。」
しかし、誰もそれを見ることはできなかった。
「お前……何と戦ってたんだよ……?」
会場に、恐怖の沈黙が流れた——。
(完)
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『ショユータ、蟲神器を極める』
第1話:狂気の少年、カードを手にする
「これが……蟲神器か……」
廃ビルの屋上。崩れかけたフェンスにもたれかかり、少年・ショユータは震える指で一枚のカードを握りしめていた。
その目は異様にギラつき、口元は不敵に歪んでいる。
蟲神器——それは昆虫をモチーフにしたカードバトルゲーム。全国大会まで開催されるほどの人気を誇るが、ショユータにとっては今日が初めてのプレイだった。
「蟲……いいね……小さくて、強くて、残酷で、合理的……最高じゃないか……」
少年はハイエナのような笑みを浮かべた。
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第2話:天才、覚醒する
翌日——
「えっ、お前初心者なんだよな!? なんでそんな強ぇんだよ!」
カードショップ『バグズ・ネスト』。ショユータはたった二時間で店の常連を全員叩きのめした。
そのプレイングは異常だった。
「このターンでお前は詰んだよ。」
対戦相手がカードを引く前に、勝利宣言。だが、その通りになる。
相手のデッキ、手札、思考すら読んでいるかのような戦い方。
「いや、ありえねぇ! 初心者がそんな……」
「初心者……?」ショユータの目が狂気に濁る。「違うよ。俺は……全知全能の神さ。」
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第3話:戦いの舞台へ
「……大会、出るのか?」
カードショップの店長・タケオが呆れ顔で聞くと、ショユータは不敵に笑った。
「当然。蟲の王として、俺がこのゲームの頂点に立つ。」
かくして、狂気の天才は全国大会へと歩みを進めるのだった——。
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第4話:全国大会、開幕!
日本最大のカードバトルイベント——『蟲神器グランドマスターズ』。
全国から集まった猛者たちが一堂に会するこの舞台に、狂気の少年ショユータは現れた。
彼のデッキは、誰も見たことのない構築。**“バグ・エンペラー”**を中心にした超攻撃型で、誰もが「無理がある」と笑うようなデッキだった。
——だが、違った。
「この蟲たちは俺の分身さ。」
予選開始。ショユータは初戦から4ターンキルの連発。
「は、速ぇ! しかも、戦略が意味不明なのに勝ってる……!」
「バカな……! こいつ、カードを“操って”いる……?」
観客席がざわつく。対戦相手は恐怖で手が震えていた。
彼は、読んでいる。
デッキの流れ、相手の心理、すべてを超越した異常なプレイング。
そして、ショユータは決勝へと駒を進める。
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第5話:決勝戦——神を名乗る男
「決勝で待ってるぞ、狂気の天才くん。」
ショユータの前に立ちはだかったのは、蟲神器界のレジェンド——神無月(かんなづき)レイジ。
「ふーん……アンタがボスキャラか。」
「ほう、ボスキャラ扱いとは光栄だね。でも君に勝ち目はないよ。」
レイジのデッキは完全無欠。どんな戦法も通じない。
過去五年間、誰も彼を倒せなかった。
しかし——
「いや、俺が勝つよ。」
「……ほう?」
「俺は……すでに“見えている”んだ。」
ショユータは不敵に笑い、カードを引いた。
⸻
第6話:世界を超越する一手
「行くぜ……《バグ・エンペラー—無限進化》発動!」
「なっ!?」
ショユータの場に、未発表のカードが現れる。
それは、公式すら存在を認めていないカード——
「ま、まさか……! お前、ゲームの枠を超越したのか……!?」
「そうさ……これは、俺だけの道……」
レイジの場は一瞬で制圧される。
「俺の勝ちだ。」
その瞬間——
レイジのライフがゼロになった。
ショユータ、優勝。
全知全能の神、誕生——。
⸻
第7話:狂気の果てに
表彰式。優勝トロフィーを手に、ショユータは高らかに笑う。
「ははははは!! 俺は神だ!! 蟲神器の神だ!!」
だが、司会者が震える声で告げる。
「……実は、君の勝利は公式ルール上、認められない。」
「……は?」
「君の使ったカード、《バグ・エンペラー—無限進化》は……存在しないカードだ。」
「……いや、あるよ?」
ショユータはカードを掲げる。
「ほら、ここにある。俺の手に。」
しかし、誰もそれを見ることはできなかった。
「お前……何と戦ってたんだよ……?」
会場に、恐怖の沈黙が流れた——。
(完)