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https://www.instagram.com/fab_pg666/
https://soundcloud.com/neh2e66sinxw
「キスマークは誰のもの」
昼休み、ファビオが首筋にキスマークをつけて出社してきた。
「マジで?どうしたのそれ…」
「ん〜、まあ……来ちゃったのかもな、俺のモテ期」
妙に自信に満ちた笑顔。
その日を境に、ファビオのまわりに女が寄ってきた。
ミキは弁当を分けてくれ、ユリは彼の手にわざと触れ、ついにはあの高嶺のアオイまでが夜の公園で「キス、してもいいですよ」と言った。
ファビオは勘違いした。
これは運命だ、と。
愛されている、と。
自分が“選ぶ側”になったのだ、と。
でも全部、最初のキスマークが原因だった。
ただの飲み会ノリで、酔っ払ったゲイの同期がつけたやつ。
それが“リアルな女の証拠”に見えたことで、噂が立ち、周囲が「ファビオって実はモテる?」と錯覚し始めたのだ。
アオイのキスも、罰ゲームだった。
ユリの触れた手は、手汗チェックだった。
そして唯一、純粋に彼を好いていたミキは——
ファビオが「お前はキープで」と言ったLINEを見て、泣いて辞めた。
数日後、ファビオはまた一人になった。
キスマークの痕だけを、そっと指でなぞりながら。
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「キスマークは誰のもの」
昼休み、ファビオが首筋にキスマークをつけて出社してきた。
「マジで?どうしたのそれ…」
「ん〜、まあ……来ちゃったのかもな、俺のモテ期」
妙に自信に満ちた笑顔。
その日を境に、ファビオのまわりに女が寄ってきた。
ミキは弁当を分けてくれ、ユリは彼の手にわざと触れ、ついにはあの高嶺のアオイまでが夜の公園で「キス、してもいいですよ」と言った。
ファビオは勘違いした。
これは運命だ、と。
愛されている、と。
自分が“選ぶ側”になったのだ、と。
でも全部、最初のキスマークが原因だった。
ただの飲み会ノリで、酔っ払ったゲイの同期がつけたやつ。
それが“リアルな女の証拠”に見えたことで、噂が立ち、周囲が「ファビオって実はモテる?」と錯覚し始めたのだ。
アオイのキスも、罰ゲームだった。
ユリの触れた手は、手汗チェックだった。
そして唯一、純粋に彼を好いていたミキは——
ファビオが「お前はキープで」と言ったLINEを見て、泣いて辞めた。
数日後、ファビオはまた一人になった。
キスマークの痕だけを、そっと指でなぞりながら。