NO.115 第66回角川短歌賞を受賞した道券はなさんの第一歌集『ひからせる』/吊り革を握るあなたの手指にも横顔があるしんと締まって/母親との緊張感/私とは母の翻案 だとしたらどうしてこんな冬凪の海/ブラウスの後ろ留めてと言う母の背後にまわる息を殺して/(洗剤の苦悶を思う泡立つは揉まれて変わることにほかならず(p.135)/収まるは捻じ曲がることにほかならずグラスのなかの穏やかな水(p.161)/閉じるとは締め出すことにほかならず銀のピアスの金具を外す(p.170))(てのひらの窪みに溜まる化粧水 覗き込まないほうがいいかな(p.163)/夕焼けは昏みはじめる 散文詩ってほんとうに詩なのかな(p.167))