SCB PODCAST#146は『哀れなるものたちを読む』です。ヨルゴス・ランティモス監督(変な作品ばかりですが好きです。)の映画化でも話題の作品ですが、原作が文庫になったこともあり、課題図書にしてみました。予想以上に情報量が多く、散りばめられた作者の意図を読み解くような作品でもありますが、単純に読みものとしても面白く読めます。映画と合わせて読むとさらに良いのではないかと思います。早く劇場に行かなくちゃなー。良かったら最後まで聴いてもらえると嬉しいです。【作品紹介】〈ハヤカワepiブック・プラネット〉ウィットブレッド賞、ガーディアン賞をダブル受賞した、スコットランドの奇才の代表作、待望の邦訳!作家アラスター・グレイは、グロテスクな装飾の施された一冊の書を手に入れた。『スコットランドの一公衆衛生官の若き日を彩るいくつかの挿話』と題されたその本は、19世紀後半のとある医師による自伝だった。それは、実に驚くべき物語を伝えていた。著者の親友である醜い天才医師が、身投げした美女の「肉体」を救うべく、現代の医学では及びもつかない神業的手術を成功させたというのだ。しかも、蘇生した美女は世界をめぐる冒険と大胆な性愛の遍歴を経て、著者の妻に収まったという。厖大な資料を検証した後、作家としての直感からグレイはこの書に記されたことすべてが真実であるとの確信に到る。そして自らが編者となってこの「傑作」を翻刻し、事の真相を世に問うことを決意するが……。虚か実か? ポストモダン的技法を駆使したゴシック奇譚。