小山ナザレン教会

神の言葉との衝突(稲葉基嗣) – ヨナ 1:1−4


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2024年6月2日 三位一体後第1主日
説教題:神の言葉との衝突
聖書:ヨナ書 1:1−4、ローマの信徒への手紙 8:31−39、マタイによる福音書 6:10、詩編 13
説教者:稲葉基嗣
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ダビデ王からおよそ200年後の紀元前8世紀の前半、
ヤロブアム2世という王さまが北王国イスラエルを治めていた時代に、
ヨナは預言者として活動をしていたようです(列王記 下 14:25)。
ヨナに、神が次のように語り掛け、彼に使命を与えることからヨナ書は始まります。
立って、あの大いなる都ニネベに行き、人々に向かって呼びかけよ。(2節)
「なぜ敵国のニネベ(北東)にまで行かなければいけないのか?」
彼のその心は疑問や不満だらけでした。
神の言葉を聞いたこのとき、ヨナの思いと神の思いとがぶつかり合いました。
思い悩んだその結果、ヨナは神から与えられた使命を拒否して、
タルシシュ(ニネベとは全く正反対の方向である西)へ向かう決意をしました。
多くの時間とお金をかけてまで、ヨナは神から、
そして神が彼に与えた使命や預言者としての責任から逃げようとしました。
このときのヨナの逃亡は、徹底したものでした。
ヨナはヤッファという港町へ向かい、人々に紛れ込みました(3節)。
神の前から逃げ出すために、神を神としない、異邦の民の中に紛れ込み、
彼は自分の大切なアイデンティティ(名前、身分など)を捨て去ってしまいました。
わたしたちは自分なりの仕方で、神の言葉を拒否しようとします。
ですから、神の前から逃げ出すのは、何もヨナだけではありません。
ヨナは、わたしたち一人ひとりの姿でもあると思うのです。
神は、自分の言葉に従って欲しいと、ヨナに対して願っている以上に、
ヨナと交わりを持ちたいと願っています。
その意味で、ヨナの一番の問題は、神の言葉を聞いたとき、
それに従おうとしなかったということではなく、神に反発をしなかったことです。
神は、ヨナをはじめ、私たち一人ひとりとの間に、豊かな交わりを求めています。
だから、神の言葉に疑問や不満を感じたヨナに、黙って欲しくはありませんでした。
「主よ、なぜですか?」と問い掛け、神との交わりの中で、
ヨナが「ニネベへ行く」という使命を受け取って欲しいと願っていたと思います。
神の前に疑問を抱き、「なぜ?」と問いかけることは悪いことではありません。
寧ろ、神の言葉を聞いたときに、私たちが心で抱く疑問や不満に、
神はしっかり耳を傾けてくださり、私たちと真剣に交わりをもってくださる方です。
だから、神はヨナをご自分のもとへ連れ戻すために、彼を追いかけました。
嵐を起こすほどまでに、神はヨナを愛し、ヨナとの交わりを求めました。
同じように、神は私たちを愛し、わたしたちとの交わりを望み、
神は私たちと真剣に向き合い、語り合いたいと願っておられます。
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