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政策をめぐるニュースがメディアで大きく取り上げられる状況が続いています。弊社グローバル債券・公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザスは、そこには多極化世界への移行という重要なテーマがあると指摘しています。
このエピソードを英語で聴く。
トランスクリプト
「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
グローバル債券・公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザス.
本日は弊社グローバル債券・公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザスが、米国の政策がメディアで大きく取り上げられるなかで投資家は何に注目する必要があるのかを解説します。
このエピソードは3月7日 にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
ここ数週間、関税や移民、地政学をめぐるニュースが絶え間なく流れています。その数は、トランプ大統領が今週行った施政方針演説でピークに達し、 もし報道の通りであれば、先日発動されたばかりのメキシコとカナダへの関税については早くも部分的に方針転換がなされています。当然ながら、ベーカー・ブルーム・デービス指数のような政策不確実性指数は過去最高値に達しています。そして、この指数は投資家や法人顧客があらわにしている混乱ぶりに連動しています。
弊社では、この政策ノイズは今後も続くとみています。ただ、ここには重要なシグナルがひとつ見受けられます。それは、こうした展開は弊社が掲げた2025年の4つの主要テーマのひとつ「多極化世界への移行」に伴うものだということです。トランプ大統領とゼレンスキー大統領がホワイトハウスで先日会談し、報道陣のカメラの前で緊迫した雰囲気になったことは、米国が国際問題に対処する際の自らの役割を変化させていることを改めて示す出来事となりました。またメキシコ、カナダ、中国への関税発動は、米国が世界貿易の再編成に関心があることを示唆しています。その背景にある理由は数多いうえに複雑ですが、当面は、米国がより内向きになっていることが基本的な理由になります。民主・共和両党の支持者の間で経済ポピュリズムが、そうですね、 広まっているのです。
投資家はここからいくつかヒントを得ることができます。1点目は、欧州の防衛セクターにとっては好材料だということです。弊社は、欧州は最終的に新たな路線に進み、防衛費を段階的に増額することになるとみていますが、その理由のひとつとして以前から指摘してきたのが、世界安全保障における米国の立場の変化と関税との組み合わせなのです。ロシアとウクライナの現状もこのことを強調する形になっており、防衛費は2035年にかけてさらに9,000億~2兆7,000億ドル上振れする可能性があります。弊社の欧州エコノミスト、株式・外国為替担当者らは、ドイツが防衛費に対して「必要なことは何でもやる」式のアプローチを新たに採用したことが、このトレンドの重要な道しるべであるとしています。
2つ目の重要なヒントは、米国による貿易関係の見直しがマクロ市場と、株式市場のセクター選好の両方に及ぼす影響に関することです。このような貿易政策の転換が時間の経過とともに奏功するか否かにかかわらず、当面は何らかのコストが発生します。関税もそうしたコストの一部です。関税引き上げがどのような経過をたどるのか、細かい部分はまだ不透明ですが、明らかに言えるのは総じて引き上げの方向にあることです。一連の引き上げは貿易赤字の削減と、米国内でモノの生産が増えるよう誘導するための相互の貿易障壁構築という、トランプ政権の2つの目標のために採られた戦術なのです。
弊社エコノミストは、こうした関税のコストが来年にかけて経済活動の妨げになるとみています。経済成長が鈍化すれば、最終的には金融政策がハト派寄りになる公算が大きいでしょう。弊社米国金利ストラテジーチームの視点で見るなら、どちらの展開も債券利回りを押し下げ続ける公算が大きいでしょう。これは債券投資家にとっては朗報ですが、株式投資家にとってはさらに厳しい状況となります。また弊社クロスアセット・チームは現在、この点を主な理由として株式よりも債券を選好しています。
一連の関税発動はサプライチェーンの再調整も促すことになるでしょう。しかし今後は、そうしたサプライチェーンの組み換えがより高くつくものになるかもしれません。弊社グローバル経済チームの調査によれば、いま移転が必要なサプライチェーンは複雑なうえに、地政学的なライバルに当たる国々に集中しています。米国のITハードウェアや一般消費財・サービスなど特定のセクターにとっては難問です。しかし、実際に移転させる際には需要が発生し、資本財セクターやその関連業種を含む広義の資本財・サービスセクターに恩恵をもたらすでしょう。
お話をまとめますと、政策をめぐる騒ぎは今後も続くでしょうし、市場ではそれに反発する流れが生じることでしょう。弊社は今後も、この点について十分な情報をみなさまにお届けしてまいります。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
政策をめぐるニュースがメディアで大きく取り上げられる状況が続いています。弊社グローバル債券・公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザスは、そこには多極化世界への移行という重要なテーマがあると指摘しています。
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「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
グローバル債券・公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザス.
本日は弊社グローバル債券・公共政策戦略担当責任者のマイケル・ゼザスが、米国の政策がメディアで大きく取り上げられるなかで投資家は何に注目する必要があるのかを解説します。
このエピソードは3月7日 にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
ここ数週間、関税や移民、地政学をめぐるニュースが絶え間なく流れています。その数は、トランプ大統領が今週行った施政方針演説でピークに達し、 もし報道の通りであれば、先日発動されたばかりのメキシコとカナダへの関税については早くも部分的に方針転換がなされています。当然ながら、ベーカー・ブルーム・デービス指数のような政策不確実性指数は過去最高値に達しています。そして、この指数は投資家や法人顧客があらわにしている混乱ぶりに連動しています。
弊社では、この政策ノイズは今後も続くとみています。ただ、ここには重要なシグナルがひとつ見受けられます。それは、こうした展開は弊社が掲げた2025年の4つの主要テーマのひとつ「多極化世界への移行」に伴うものだということです。トランプ大統領とゼレンスキー大統領がホワイトハウスで先日会談し、報道陣のカメラの前で緊迫した雰囲気になったことは、米国が国際問題に対処する際の自らの役割を変化させていることを改めて示す出来事となりました。またメキシコ、カナダ、中国への関税発動は、米国が世界貿易の再編成に関心があることを示唆しています。その背景にある理由は数多いうえに複雑ですが、当面は、米国がより内向きになっていることが基本的な理由になります。民主・共和両党の支持者の間で経済ポピュリズムが、そうですね、 広まっているのです。
投資家はここからいくつかヒントを得ることができます。1点目は、欧州の防衛セクターにとっては好材料だということです。弊社は、欧州は最終的に新たな路線に進み、防衛費を段階的に増額することになるとみていますが、その理由のひとつとして以前から指摘してきたのが、世界安全保障における米国の立場の変化と関税との組み合わせなのです。ロシアとウクライナの現状もこのことを強調する形になっており、防衛費は2035年にかけてさらに9,000億~2兆7,000億ドル上振れする可能性があります。弊社の欧州エコノミスト、株式・外国為替担当者らは、ドイツが防衛費に対して「必要なことは何でもやる」式のアプローチを新たに採用したことが、このトレンドの重要な道しるべであるとしています。
2つ目の重要なヒントは、米国による貿易関係の見直しがマクロ市場と、株式市場のセクター選好の両方に及ぼす影響に関することです。このような貿易政策の転換が時間の経過とともに奏功するか否かにかかわらず、当面は何らかのコストが発生します。関税もそうしたコストの一部です。関税引き上げがどのような経過をたどるのか、細かい部分はまだ不透明ですが、明らかに言えるのは総じて引き上げの方向にあることです。一連の引き上げは貿易赤字の削減と、米国内でモノの生産が増えるよう誘導するための相互の貿易障壁構築という、トランプ政権の2つの目標のために採られた戦術なのです。
弊社エコノミストは、こうした関税のコストが来年にかけて経済活動の妨げになるとみています。経済成長が鈍化すれば、最終的には金融政策がハト派寄りになる公算が大きいでしょう。弊社米国金利ストラテジーチームの視点で見るなら、どちらの展開も債券利回りを押し下げ続ける公算が大きいでしょう。これは債券投資家にとっては朗報ですが、株式投資家にとってはさらに厳しい状況となります。また弊社クロスアセット・チームは現在、この点を主な理由として株式よりも債券を選好しています。
一連の関税発動はサプライチェーンの再調整も促すことになるでしょう。しかし今後は、そうしたサプライチェーンの組み換えがより高くつくものになるかもしれません。弊社グローバル経済チームの調査によれば、いま移転が必要なサプライチェーンは複雑なうえに、地政学的なライバルに当たる国々に集中しています。米国のITハードウェアや一般消費財・サービスなど特定のセクターにとっては難問です。しかし、実際に移転させる際には需要が発生し、資本財セクターやその関連業種を含む広義の資本財・サービスセクターに恩恵をもたらすでしょう。
お話をまとめますと、政策をめぐる騒ぎは今後も続くでしょうし、市場ではそれに反発する流れが生じることでしょう。弊社は今後も、この点について十分な情報をみなさまにお届けしてまいります。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。