小山ナザレン教会

時の狭間で生きるわたしたちの祈り(稲葉基嗣) – ヨハネ 5:19–30


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2024年8月11日 三位一体後第11主日

説教題:時の狭間で生きるわたしたちの祈り

聖書:ヨハネによる福音書 5:19–30、ダニエル書 12:1–3、詩編 85、ペトロの手紙 一 3:8–12

説教者:稲葉基嗣

 

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神の思いが天で行われるように、神の思いがこの地上においても実現しますように

という主の祈りの一節は、わたしたちにとって切実な願いです。

神の願いが実現しているとは思えない出来事が、世界に溢れているからです。

人も、動植物も、地球全体も、その命が傷ついています。

そのような世界において、わたしたちは神に向かって祈り続けています。

「平和な社会を実現してください」と。

そのように神に願い続けるわたしたちですが、

今この瞬間、神の願いが実現するとは思えないと、時々、諦めてしまいます。

遠い未来において、キリストが再びこの世界に来られる時に、天の御国が実現する

その時まで、この世界は悪くなる一方なのではないかと、半ば諦めています。

でも、ヨハネ福音書を開いてみると、イエスさまはそんなわたしたちに向かって、

「違う」と語りかけておられることに気付かされます。

イエスさまは「今がその時である」(5:25)と宣言されたからです。

イエスさまは永遠の命について語る中で、「今がその時」と語りました。

キリスト教会は、わたしたちが将来、永遠の命に預かると信じていますが、

イエスさまが「今がその時」と語るのはなぜなのでしょうか。

イエスさまが永遠の命という言葉を通して表現したいことは、

神と人間との間に生き生きとした関係性があることです。

神との交わりのあるところに、イエスさまは命を注いでくださいます。

完成された形でいのちを受け取ることは将来のことです。

でも、今この時、この瞬間に、神と共にあるその生命の豊かさを味わえるように、

イエスさまはわたしたちを神との交わりへと招いておられます。

このことは、わたしたちにとって、大きな希望です。

世界の争いの現実を目の当たりにし、わたしたちが諦めている今この瞬間、

イエスさまは命を注ぎだしてくださっているのですから。

わたしたちに命の息を吹きかけ、わたしたちを通して、

イエスさまはこの世界に命の豊かさを取り戻そうとしておられます。

平和の実現や、天の御国の完成は、将来の出来事かもしれません。

でも、今この瞬間、イエスさまを通して、命の息が世界に吹きかけられています。

今この瞬間、命の回復は始まっています。

わたしたちはそんな時の狭間で生きています。

神が約束してくださっている天の御国を見据えながら、希望し、待ち望み、

目標にしながらも、今この時、神の願いがこの世界に実現していくことを

わたしたちは決して諦めずに願い続けます。

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