シリコンバレーの縁側で:半歩引いて未来を考える対話

シリコンバレーの縁側で:半歩引いて未来を考える対話

By Yosuke YasudaTechnology
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シリコンバレーの縁側で:半歩引いて未来を考える対話 episodes

  • 専門性より「面積」。AI時代のキャリアと、あえて非合理に探索するということ
    「専門性を上げるべき」というT字型人材の定石は、AI時代にどこまで有効なのか。好奇心が散るジェネラリスト型の自己認識から話が始まり、深さ一本ではなく「面積」で考えるべきではないか、という捉え直しへ。何かにキャッチアップした経験を複数持っている人ほど、次のキャッチアップも速い。ただし横に広いだけで厚みがゼロなら面積もゼロ。そこに効いてくるのが身体感覚で、「分かっている」と「できる」の差、やってみて微調整できるかという能力の話になる。シリコンバレーの新卒採用が起業やインターンに寄っている理由、知識の修行場としての大学の前提が崩れたこと。最後は意思決定をどこまでAIに委ねるかという問いから、スタートアップでは「正解を当てる」より「探索が進む」ほうが重要で、むしろ間違った仮説を90個出せる人間のほうが価値があるのではないか、という話へ。イーロン・マスクが専門家に粘って「意外といけるかも」を引き出す姿を補助線に、AIに対しても「お前はそう言うけどさ」と言えるスタンスと、その裏にあるパッションとエージェンシーに着地する。
    20 min
  • 「速くて安いAI」が潮目を変える。システム1とシステム2、そして整理とは何か
    Jev をはじめとする「速くて安いAI」が日本でも話題になっている。自然言語処理を10年前からやってきた立場からすると技術的に新しい話ではなく、むしろ「もともとできたし計算量も低かった」もの。ではなぜいま潮目なのかというと、コスト・速度・精度のトレードオフが一気に100倍ぶん動いて、これまで単価が見合わなかった日常の細々した判断にAIを差せるようになったから。カスタマーサクセスの一次振り分け、メール対応の優先度づけ。人間も「この犬は逃げたほうがいい」を理屈抜きで判断していて、その反射的な判断こそ仕事に大量にある。後半はネクストフロンティアの話へ。システム1とシステム2がどう協働し、フィードバックで互いを鍛えるのか。睡眠が記憶を整理してシステム1を更新しているらしいこと。そして「整理されている状態とは何か」という、連想や重要度づけをデータとしてどう表現するかの難問まで。
    19 min
  • AIに代替されないのは「私が感じたこと」。センス、パッション、ウィズダム
    「ロボットが代わりに巡礼路を歩いても、私が歩いたことは全く代替されない」。前半の巡礼の話を受けて、後半はセンス(感覚)の話へ。AIは膨大なデータからセンスの良さを模倣できるが、光が網膜を叩いて電気信号になる人間の知覚メカニズムそのものは再現していない。嗅覚・味覚・触覚に至ればなおさら。「最高の音楽」や「最高の絵」を1位に決められないのはなぜか、良さとは「他の形もあり得た中でこの形を取ったこと」に宿るのではないか、という仮説。最適解を100社が追いかけると同じ場所に着いてしまう競争戦略の話、ベストは存在するはずだと信じる西洋的な前提への違和感も。技術トレンドとしては「IQ 300を目指す方向」から「簡単な問題を爆速で解く方向」への話題の切り替わり(TypeSafe AI の Jev のような System 1 型モデルの台頭)、パーソナルAIエージェントの多様化を扱い、最後に人間に残るコアを3つ(センス、パッション、ウィズダム)として言い切る。収録中に言及した関連記事(英語): Through the AI Dread: Widen the Loop, Hold the Core https://shugenwithai.substack.com/p/through-the-ai-dread-widen-the-loop
    26 min
  • サンティアゴ巡礼120キロ。身体が疲れると見えてくるもの、余白と節目の効用
    ハネムーンでスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路を6日間・120キロ歩いてきた話から。リゾートではなく巡礼を選んだ理由、1日20〜27キロ歩く身体の疲れが思考をどう研ぎ澄ますか、モニター5枚に囲まれた日常がいかにバーチャルかという気づき。終着点の大聖堂のミサでスペイン語の説教をその場で翻訳して聴き、「歩き切った身体的体験を意味に転換して、この先を生きる活力に変える」という人類が昔から使ってきたフレームの強さに触れる。後半は余白と節目の話へ。道中の村や馬や坂が節目として現れることで人生が味わえる、そして深い体験を誰かと共有していること自体が資産になる感覚まで。
    20 min
  • AIに仕事が溶けていく時代、何が残るのか。主体性、ギブ、そして余白
    AIが人間用のUIをそのまま操作する「コンピュータユース」への違和感を入り口に、待たずに上書きしにいくシリコンバレーのハッカー文化、テクノロジーが「魔法」になり道具の原理が隠蔽されていく話へ。仕事がAIに置き換わっていく中でキャリアに残るのは、主体として事業を作る力ではないか。こんまりの原点に見る「ギブから始める」探索、AIの音声とメモリを使った自己内省、会社売却後の空白期間に「それでもやってしまうこと」が本当のテーマだった話、仏教の「諦める=明らかに見る」とそぎ落とし、フットワークの軽さと余白の大切さまで語り合う。
    27 min
  • 確率論を逸脱する。自分の輪郭の掴み方と、投資的に生きるということ
    シリコンバレーに来た東大の後輩たちとの座談会をきっかけに、若い世代のキャリア観の話から始まる回。自己分析は内省だけでも人と話すだけでも足りず、内と外の相互作用で「自分の輪郭」を掴んでいく作業だという話。モートの正体は資産のコンパウンド、大事な意思決定でこそ確率論(コンセンサス)を逸脱する価値、投資が社会の予測機構である理由、そして学生時代に影響を受けた瀧本哲史さんの脱コモディティ論まで。リスクを乗りこなす勇気と自己肯定感について語り合う。
    18 min
  • エージェンシーは「遊び」から育つ。子供心、ホモ・ルーデンス、動的平衡
    前回の「エージェンシー」の話を実践編へ。AIがすごすぎて言われるがままになってしまう人が多い中で、どうすれば主体性を保ちながらAIを使えるのか。失敗を恐れない子供の遊び方をアナロジーに、組織に「遊び」を設計する方法、ホイジンガのホモ・ルーデンス、天照と神楽に見る日本古来の遊びのルーツ、小さな「できた」を積み重ねる自己効力感の弾み車、自己探求と外との相互作用のバランス、そして動的平衡まで。AIと人間のパートナーシップを、業務効率化とエージェンシー育成という二人の異なる持ち場から語り合う。
    25 min
  • 最強のプロンプターはソクラテス。AI時代の「エージェンシー」と問いの力
    スタンフォード大学のフェイフェイ・リーが語る「エージェンシー」を入り口に、AIがどれだけ賢くなっても人間にしか持てない主体性について考える。AIで意思決定を最適化するほど各社の答えが収束していく中で、企業の独自性はどこに宿るのか。「最強のプロンプターはソクラテス」という指摘から、問いを立てる力こそが独自性になる理由、星野リゾートに学ぶ「非合理だけど勝算のある」経営、そして人間はなぜ自由から逃走するのかまで語り合う。
    18 min
  • ネイティブアメリカンの知恵と、偉人が覚醒する条件
    ネイティブアメリカンの植生を庭に取り戻す活動との出会いをきっかけに、カリフォルニアの先住民文化と日本の縄文的な感性の近さ、ビッグサーとヒッピームーブメント、そしてジョブズへと続く精神性の系譜をたどる。元木が体験した「死と再生の儀式」スウェットロッジ、エゴが溶けて大義に向かう感覚、リンカーンやマンデラに共通する覚醒前の抑圧の時期。AIで何でも作れる時代だからこそ問われる「あなたにしか見えない世界」と、それを苦しみの少ない形で引き出す方法について語り合う。
    31 min
  • 広がる「AI格差」の正体。お金、リテラシー、そして文化
    番組名「シリコンバレーの縁側で」に込めた意図の紹介から始まる回。シリコンバレーの関心はAIからロボティクス、防衛、フィジカルAIへと広がる一方で、月数万円の課金力、エンジニアリングの素養、そして「私に使えるのか」という文化的な心理障壁が、新しい格差を生み始めている。企業のAI活用は本当にPLに効いているのか、Metaの社内AI活用の実像、そしてAIを「自分にもできた」という成功体験と自己効力感につなげる設計の大切さまでを語り合う。
    22 min

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連続起業家で、今はシリコンバレーでAIスタートアップを起業している安田洋介と、仏教哲学の愛好家である元木啓貴が、半歩だけ引いた視点からAI時代の生き方や仕事や社会について気ままに語り合う対話ポッドキャスト。