小山ナザレン教会

水がぶどう酒に変わるための条件(稲葉基嗣) – ヨハネ 2:1–12


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2024年2月18日 四旬節第1主日

説教題:水がぶどう酒に変わるための条件

聖書:ヨハネによる福音書 2:1−12、イザヤ書 25:6−10、コロサイの信徒への手紙 1:15−20、詩編 36

説教者:稲葉基嗣


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イエスさまの母マリアは、カナでの結婚のお祝いで起きたトラブルに気づきました。


それは、必需品でもあるぶどう酒がなくなってしまったことです。


あって当然のものが、お祝いの席からなくなってしまうことは、

この婚宴の主役である、結婚をするふたりにとって、とても恥ずかしいことでした。


このようなことが起こったら、村中の人びとの笑いの種になってしまいます。


イエスさまの母マリアは、トラブルが起こったことをイエスさまに伝えます。


カナでの結婚のお祝いでトラブルを抱えているこの家族のために、

自ら名乗り出て、ぶどう酒を提供するならば、イエスさまの名誉となり、

カナの人びとの間で、イエスさまの社会的地位が高められることになります。


彼らを助けることにより、自分の家族と彼らの関係が強まることが期待できます。


マリアがそういったことをどこまで考慮していたかはわかりませんが、

彼女がイエスさまに促している行動は、結果的に、そのような影響を及ぼします。


「わたしとは関係のないこと」と言って、イエスさまはこの問題と距離を取ります。


けれども、イエスさまはトラブル解決のために動き、

水が質の良いぶどう酒に変わることを通して、トラブルは解決しました。


実際に動いたのはイエスさまではありません。


直接関わったのは、「ぶどう酒がありません」とイエスさまに伝えたマリアであり、

イエスさまの指示を聞いて、その通りに動いた召し使いたちでした。


マリアや召し使いたちがいなければ、水がぶどう酒に変わるチャンスはありません。


ぶどう酒に変わった水がお祝いの席に届けられることもありませんでした。


水がぶどう酒に変わるための条件は、

イエスさまに訴え、イエスさまの言葉を聞く人の存在と言えるかもしれません。


このことは、わたしたちに、信仰的な現実を示しているかのようです。


世界のすべてのものを造った神は、水をぶどう酒に変えることの出来る方です。


けれども、神は直接、そのようなことをしようとは願っていません。


神はいつでも、ご自分を信頼して、祈り求める人が現れるのを待っています。


動機に誤りがあったとしても、わたしたちと神の願いが異なっていたとしても、

それでも、欠乏し、必要を感じ、神の助けと導きを求めて、

わたしたちが近づいてくるのを神は待っています。


そして、神の言葉に耳を傾け、行動を起こす人が現れるのを神は待っています。


きょう、わたしたちはどこに、どのような場所に、水がぶどう酒へと変わる、

そのような出来事が起こって欲しいと願っているのでしょうか。


神に訴え、祈り、神の言葉に耳を傾けて、生きる。そのような人びとを通して、

神はわたしたちの日常で、この世界で、水をぶどう酒へと変えようとしています。

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