小山ナザレン教会

その翼を広げてください(稲葉基嗣) ー ルツ 3:1−18


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2023年 11月 19日 三位一体第24主日
説教題:その翼を広げてください
聖書:ルツ記3:1−18、ローマの信徒への手紙11:33−36、マルコによる福音書8:1−10、詩編91
説教者:稲葉基嗣
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【説教要旨】
ナオミの立てた計画は危険が多く、あまり賢いものとはいえません。ナオミが日中にボアズのもとに行き、親戚のひとりとしてルツと結婚してほしいとボアズにお願いすることはできたはずでしょうが、そのような行動をしなかったのは、到底受け入れてもらえないと思ったからでしょう。ルツもナオミも、ベツレヘムの社会において、あまりにも力がなく、立場も弱く、生きていくことに精一杯でした。だから、ルツが危険を冒して、大胆に行動する必要をナオミは感じたのでしょう。この計画に危険はあるけれども、ボアズならばきっとルツを受け入れてくれる。一筋の希望にすがるように、彼女たちはこの計画を実行しました。
その日の夜、ルツはボアズに結婚を申し込みました。「あなたの衣の裾(ヘブライ語では「翼」)を仕え女の上に広げてください。あなたは私たちの家を絶やさぬ責任のある方です。」(3:9)
ルツの言葉は、かつてボアズ自身がルツに語った言葉をボアズに思い起こさせるものでもありました。ボアズはルツと自分の畑で出会った時、ルツに神の守りと祝福を祈りました。「あなたがその翼のもとに逃れて来たイスラエルの神、主から、豊かな報いがあるように。」(2:12)親鳥がひな鳥たちを翼の下で隠し、雨風から子たちを守るように、神は、わたしたち人間を翼の下で隠し、日常的に守っていてくださいます。ルツにとって必要なのは、ボアズの守りでした。ボアズの翼のもとで、守られることをルツは望みました。ルツの結婚の申し入れを受け入れたボアズの行動は、翼を広げていくものでした。
旧約聖書の律法には、結婚をしている男性が亡くなった場合、その人の兄弟がその人の妻と結婚をして、その人の家系と財産を守るというものがあります(申命記25:5-10を参照)。ボアズはルツの亡くなった夫の兄弟でも、ナオミの夫のエリメレクの兄弟というわけでもないため、ルツはこの律法の保護を受ける対象とは言えません。けれど、ボアズはその責任を自分のものとして受け入れる決断をしています。律法を広く解釈した結果なのでしょう。そうすることによって、ボアズは外国人のルツを助けようとしました。ボアズは自分の決断と行動を通して、神の翼を広げようとしました。
ルツ記に登場したこの3人の物語がわたしたちに示すのは、わたしたち自身も誰かにとっての神の翼となることが出来るということです。神の憐れみや平安を届け、あなたが手を伸ばすことを通して、神の翼はこの世界に広がっていきます。
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