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2023年6月11日 三位一体後第1主日
聖書:ローマの信徒への手紙 13:1−7、エゼキエル書 31:1−7、マルコによる福音書1:40−42、詩編46
説教題:すべてのものの主であるキリスト
説教者:石田学
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【説教要旨】
主にある兄弟姉妹の皆さん、わたしたちは二重国籍を持つ者です。キリストを信じ、神の民とされた時から、それは始まっています。わたしたちの大半は、生まれた時から地上の国家に国籍を持っています。地上の国の国籍は大切ですが、永遠のものではありません。別の国に移住して市民権を獲得すれば、国籍は変わることになります。
だが、わたしたちはキリストを信じたことにより、神の民とされ、神の国を永遠の郷里として世を旅する者とされました。キリスト者は地上の国で生きていますが、そこの定住者ではありません。天の国に国籍を持っているからです。こちらは永遠の国の国籍ですから、永遠の国籍です。この二つの国籍を、わたしたちは今同時に生きています。
同時にということが、何よりも重要なことです。今は地上の国の国民で、この世の価値観と法則に基づいて生き、天の国に行ったら、天の国の価値観に基づいて生きるのではありません。地上での生涯においてどちらか一方だけしか重んじないとしたら、わたしたちキリスト者にとって正しい生き方ではありません。わたしたちは、今この世の市民としてふさわしく生きるべきですし、同時に、それ以上に天の国の市民としてふさわしく生きるべきです。
パウロは、はっきり「人は皆、上に立つ権力に従うべきです」と命じます。パウロは、この世の国や権威が神とは無関係だとは考えていません。権力は神に由来し、神によって立てられているからです。神は天地創造によって、秩序と平和と幸福の世界を造り、維持しています。地上の国家も権力も法も、秩序と平和を維持する神の働きです。国家と権力、地上の法と秩序は、神による創造と関連して考えるべきです。それはわたしたちが国家や権力に絶対服従するという意味ではありません。
教会の皆さんは、特定の政党や政治理念を抱き、支持することでしょう。教会としては特定の政党や政治的立場と一体化したりはしません。いろいろな立場の人が、天に国籍を持つ兄弟姉妹として共存しています。
しかし、わたしたちはパウロが指摘する重要な点に目を留めましょう。「人は皆、上に立つ権力に従うべきです」。わたしたちが上を見上げる時、究極の権力として何を見るべきでしょうか。国家でしょうか、支配者でしょうか、民族でしょうか、財産でしょうか。いいえ、上に立つ究極の権力は、すべてのものの主であるキリストです。それらすべての上におられるキリストこそ、見上げ従うべき方。わたしたちはキリストにより地上のいっさいの権力を判断するのです。
By 小山ナザレン教会2023年6月11日 三位一体後第1主日
聖書:ローマの信徒への手紙 13:1−7、エゼキエル書 31:1−7、マルコによる福音書1:40−42、詩編46
説教題:すべてのものの主であるキリスト
説教者:石田学
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【説教要旨】
主にある兄弟姉妹の皆さん、わたしたちは二重国籍を持つ者です。キリストを信じ、神の民とされた時から、それは始まっています。わたしたちの大半は、生まれた時から地上の国家に国籍を持っています。地上の国の国籍は大切ですが、永遠のものではありません。別の国に移住して市民権を獲得すれば、国籍は変わることになります。
だが、わたしたちはキリストを信じたことにより、神の民とされ、神の国を永遠の郷里として世を旅する者とされました。キリスト者は地上の国で生きていますが、そこの定住者ではありません。天の国に国籍を持っているからです。こちらは永遠の国の国籍ですから、永遠の国籍です。この二つの国籍を、わたしたちは今同時に生きています。
同時にということが、何よりも重要なことです。今は地上の国の国民で、この世の価値観と法則に基づいて生き、天の国に行ったら、天の国の価値観に基づいて生きるのではありません。地上での生涯においてどちらか一方だけしか重んじないとしたら、わたしたちキリスト者にとって正しい生き方ではありません。わたしたちは、今この世の市民としてふさわしく生きるべきですし、同時に、それ以上に天の国の市民としてふさわしく生きるべきです。
パウロは、はっきり「人は皆、上に立つ権力に従うべきです」と命じます。パウロは、この世の国や権威が神とは無関係だとは考えていません。権力は神に由来し、神によって立てられているからです。神は天地創造によって、秩序と平和と幸福の世界を造り、維持しています。地上の国家も権力も法も、秩序と平和を維持する神の働きです。国家と権力、地上の法と秩序は、神による創造と関連して考えるべきです。それはわたしたちが国家や権力に絶対服従するという意味ではありません。
教会の皆さんは、特定の政党や政治理念を抱き、支持することでしょう。教会としては特定の政党や政治的立場と一体化したりはしません。いろいろな立場の人が、天に国籍を持つ兄弟姉妹として共存しています。
しかし、わたしたちはパウロが指摘する重要な点に目を留めましょう。「人は皆、上に立つ権力に従うべきです」。わたしたちが上を見上げる時、究極の権力として何を見るべきでしょうか。国家でしょうか、支配者でしょうか、民族でしょうか、財産でしょうか。いいえ、上に立つ究極の権力は、すべてのものの主であるキリストです。それらすべての上におられるキリストこそ、見上げ従うべき方。わたしたちはキリストにより地上のいっさいの権力を判断するのです。