4年間ぶりに、相方・aburaが帰還。博士号取得の舞台裏、ライフイベント、香川大学での「実践」を経て変わった研究観などについて語りました。Show notes
abura(あぶちゃん)… このポッドキャストの共同創設者。4年間の沈黙を経て復帰。現在は大阪公立大学 情報学研究科 特任助教。「夢見る学生」から「夢見る職業研究者」へと進化した。
4年間… 前回の収録(2021年10月)から空いた期間。koikeにとっても激動だったが、aburaにとっても「きつかった」時期。D2からD5、助教、特任助教と立場が目まぐるしく変わった。
D5(博士後期課程5年)… aburaが博士号を取得するまでの在籍期間。3年で修了する予定が研究が難航し、制度上の満期(5年)まで在籍することになった。
単位取得退学(満期退学)… 博士課程の単位を取りきって退学すること。この後1年以内に論文を通せば「課程博士」として認められるが、それを過ぎると「論文博士」扱いとなり取得難易度が跳ね上がる。aburaはこの「シリに火がついた」ヒリつく状況下で学位をもぎ取った。
香川大学 DX推進研究センター… aburaが2024年度に1年間在籍した職場。地域への知の還元やDX人材育成という「実践」の最前線に身を置いたことで、自身の研究(モデル駆動)を相対化する視点を得た。
引っ越し… 香川在住の短期間に、単身用→二人暮らし用(奥様合流)→大阪へ帰還と、半年で2回も引っ越しをする羽目になった。
恩師(指導教員)… aburaの師匠。体調を崩されていた中、aburaの結婚式で渾身のスピーチを行い、博士号取得を見届けた後に亡くなられた。
構成主義(Constructivism)… 学習者が自らの経験に基づいて知識を構築していくという学習観。彼らのコミュニティでは「当たり前の前提」だが、外に出ると「学習=ただ知識を蓄えること」と考える人の方が多い現実に直面し、前提を問い直すきっかけとなった。
実践のモデリング… 香川大での経験を経てaburaがたどり着いた視点。これまでは「(学習者が頭の中で)何をするか(What)」をモデリングしていたが、現場では「(教育を)どうやってやるか(How)」をモデリングする必要があることに気づいた。
Yモデル… 恩師が提唱していたモデル。学習目標(Goal)を中心に、「教材(Materials)」「教授戦略(Strategy)」「学習者モデル(Learner Model)」の3つがどう位置づくかを示す。「実践」においてはこのYモデルの捉え方が変わるという気付きを得た。
組織メタ認知… aburaの現在の研究テーマの1つ。個人の認知プロセスである「メタ認知」を拡張し、組織自体を一つの「疑似人格」と捉えて、組織がどう自らを客観視し制御するかをモデル化しようという野心的な試み。
生成AI (Generative AI)… この4年間で起きた最大のパラダイムシフト。研究のスピードを劇的に上げた一方、学生がAIを「副操縦士(Co-pilot)」として使うか、思考を放棄して「生成AIの奴隷」になるかという新たな教育課題も生んでいる。
若手研究者コミュニティ… 当初は二人で細々と始めた活動だが、今では多くの博士学生が参加し、学会内に研究会(SIG)を立ち上げるか議論する規模にまで成長した。
CALST… 「第二のゼミ」として毎週オンラインで集まって議論している勉強会。関連分野の修士・博士学生・若手研究者が参加している。koikeとaburaが立ち上げて、今見たら2025年12月18日でちょうど7年を迎えたらしい。
yelss… 「教育・学習支援システム若手の会」。毎年2泊3日で、関連分野の学生〜若手研究者が30人くらい集まって日夜研究について議論する会。
Google Chromeのブックマーク… aburaのブラウザには4年間ずっと「Submits.life」のブックマークが残っており、目に入るたびに「再開しなくていいのか」という心の重荷(十字架)になっていた。
Submits.life(サブミッツ・ライフ)… 改めていいタイトル。元々は「論文を投稿(Submit)して生きていく」という決意だったが、4年を経て「人生の不可抗力や大きな流れに身を委ねる(Submit=服従する)」という意味へ再解釈された。質問・意見・感想などは、ぜひ、 マシュマロ か Twitterで ハッシュタグ#submitslife までお願いします。Submits.lifeのTwitterアカウントは こちら です。