前回の予告通り、今夜は塩田武士さん著書「罪の声」をご紹介します。実際にあったグリコ・森永事件をモチーフにした小説。当時、中学1年生だった私にとってこの事件は相当に衝撃的で、フィクションの世界として描かれていてもリアルに感じられずにはいられませんでした。敗戦から立ち上がり、がむしゃらに成長してきた日本で、国民のほとんどが豊かな生活を送るようになっていた時代。そんな時代に起きた前代未聞の事件・・いわゆる無差別テロ。どうしてこのようなことが発生しうることになったのか。その陰にどんな理屈があったのか。それを紐解いていった先に、いつのときも人間の鬱屈した心情がとてもつない犯罪を巻き起こすのだと痛感させられました。この小説では、巻き込まれてしまった加害者家族がどのような人生を歩まざるを得なかったのか?ということに焦点が当たっています。サスペンスミステリーとしてのハラハラ感と共に、現代社会において個々人が生きる上で糧にしているものとは、そして家族とは一体何なのか・・を考えざるを得ませんでした。あなたはこの小説を読んでどう感じるのでしょうか。