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【特許判例解説#014】膨大な選択肢から特定の事例を引用発明として認定可能?【声で聞く知財:コエチザラジオ】


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・特許判例百選(第5版)掲載判例(事件:067)

・進歩性(引用発明の適格性)


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【概要】

知財高裁平成30年4月13日大合議判決、通称「ピリミジン誘導体事件」(平成28年(行ケ)10182号等)は、日本の特許法実務において極めて重要な意義を持つ判断を示しました。本判決は、特許の進歩性判断、特に化学・医薬分野における「刊行物記載の膨大な選択肢からの引用発明認定基準」と、「特許権消滅後の無効審判請求における訴えの利益」という二つの主要な法的論点に対し、新たな指針を提示した点で画期的な位置づけにあります 。

本件が「大合議」で審理されたという事実は、この事件が単なる個別の紛争解決に留まらず、広範な法的原則の確立を目指したものであることを明確に示しています。本件においては、特に化学分野に特有の「マーカッシュ形式」などで表現される一般式が「膨大な数の選択肢」を有する場合に、そこから特定の技術的思想を引用発明として認定できるかという、従来から実務上議論が続いていた論点に対し、明確な終止符を打つ意図があったと理解されます。この統一的な判断は、実務の安定化と予測可能性の向上に寄与するものと期待されます。

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