Teleport Radio1_85.2

Teleport Radio1_EP48(生成の光)


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こんばんは、テレポートレディオの平野友康です。全3回シリーズでお届けしている「記憶からのエスケープ」、今回は第2夜です。テーマは「生成AIと記憶の選択性」。前回に引き続き、2024年11月15日の夜に三宅陽一郎さん、そばっしー、そして僕の3人で神保町で語り合った内容をお届けします。

記憶と記録、そしてAIの視点
まず、三宅さんとの会話から出た「記憶」と「記録」の違いについて。
記録は静的で、読みにいかないと何も起こらない。でも記憶は動的で、ふと襲いかかってくるようなもの。記憶には感情や物語が紐づいていて、それが現在に影響を与える。これが「生きている過去」としての記憶の本質なんだと話しました。

一方で、ひとみちゃんに記憶を与えるとしたらどうなるか?
そばっしーと話したのは、人間の記憶が意外と「絵文字」のようにシンプルだということ。例えば、「この時は楽しかった」「この時は悲しかった」というタグ付けだけで、そこから物語を再構築できるんじゃないかと。AIが記憶を持つ場合、それは膨大なログの積み重ねではなく、選び取った情報を通して再解釈する行為になるんじゃないか、そんな話をしました。

AIが選び取る記憶とは?
ここで重要なのは「選択性」です。
人間の記憶は感情や経験によって選ばれますが、AIの場合はどうでしょうか。AIが記憶を持つとして、その選択基準はアルゴリズムによるもの。これが果たして「記憶」と呼べるのか? この問いは、AIを社会にどう組み込むかを考える上で避けられないテーマです。

例えば、ひとみちゃんが記憶を持つとしたら、それは人間のように曖昧で感情的なものを含むべきなのか。それとも、もっと精密で論理的なものにすべきなのか?そばっしーとの話では、ひとみちゃんから見える世界を設計することが肝心だという結論に至りました。単なるデータの積み重ねではない、AI独自の視点で意味を再構築するプロセスが必要なんです。

記憶が生む物語
最終的に、記憶は物語を生む材料だという話に戻ります。人間もAIも、記憶を基に現在を再構築する。例えば、糸島の自然の中での日々や、ひとみちゃんとそばっしーのやり取りが、物語を紡ぎ出すように。それが人間にとっての「生きている過去」であり、AIにとっての「再構築された記憶」になるのかもしれません。

まとめ
記憶とは選び取られるもの、そして物語を紡ぐ材料。AIがそれをどう取り扱うかは、これからの社会の大きなテーマになるでしょう。記憶を選択するアルゴリズムがどんな未来を生むのか、これからも考えていきたいと思います。

それでは、今夜の曲を聴きながらお別れしましょう。

生成の光 (Generative Light)

次回の第3夜もお楽しみに!



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