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2024年9月8日 三位一体後第15主日
説教題:天の御国を目指す船旅
聖書: ヨハネによる福音書 6:16–25、イザヤ書 43:1–7、詩編 42、ヘブライ人への手紙 10:23-25
説教者:稲葉基嗣
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なぜ日が暮れた後に、イエスさまの弟子たちは舟に乗り込み、カファルナウムに向かって移動を始めたのでしょうか。日が暮れた後、夜の闇の中、彼らが移動することができたのは、弟子たちのうち何人かは、もともとガリラヤ湖で漁師をしていたためです。元漁師であった弟子たちにとって、暗い時間にガリラヤ湖で舟に乗ることは、慣れきったことであったのでしょう。でも、そんな彼らにトラブルが訪れます。ガリラヤ湖に予期せぬ嵐が訪れます。ヨハネによる福音書は、弟子たちの嵐に対する恐れを記録しません。それはきっと、この時の弟子たちの経験は何も、イエスさまの弟子たちだけが経験するようなものではないからでしょう。闇の中で、嵐に巻き込まれています。イエスさまはそばにいないように思えます。舟は自分で漕ぐことは出来るかもしれないけど、風や波に翻弄されるばかりで、思った方向に進むことができません。あなたにも、こういったことがあるでしょ?と、ヨハネは語りかけています。この物語で、弟子たちは、イエスさまのみを恐れたように書かれています。それは何よりもイエスさまを見つめることが大切だと、伝えたいからです。嵐は吹き荒れるし、闇は闇のままです。でも、弟子たちがイエスさまを舟に迎え入れる前に、舟は目的地にたどり着きます。ヨハネがわたしたちに伝えるこの物語は、まさにわたしたちの身にも起こり得ることを象徴的に伝えているように思えてきます。たしかに、ヨハネがこの物語を通して描くように、嵐が続き、闇で覆われているように感じる時がわたしたちの人生の中で訪れます。ヨハネがわたしたちに紹介する物語は、そんな嵐や闇の中を抵抗できずに、舟で旅をするようなわたしたちのもとに、イエスさまが近づいてくると、イエスさまの姿を希望として紹介しています。嵐や闇の中でも、「私だ。恐れることはない」とわたしたちに語りかけ、イエスさまはわたしたちに近づいてくださいます。イエスさまがそばにいさえすれば、嵐や闇がすぐに消え去るわけではありません。けれども、たしかに舟は目的地に向かっていました。それはまるで、わたしたちの人生に、どれほど大きな嵐が起こっても、どれほど自分の力では抵抗できない状況が訪れたとしても、わたしたちが目指す場所に、イエスさまが導いてくださっているかのようです。わたしたちが目指す場所は、天の御国です。きょうも、これからも、わたしたちは天の御国を目指して船旅を続けていきます。
By 小山ナザレン教会2024年9月8日 三位一体後第15主日
説教題:天の御国を目指す船旅
聖書: ヨハネによる福音書 6:16–25、イザヤ書 43:1–7、詩編 42、ヘブライ人への手紙 10:23-25
説教者:稲葉基嗣
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なぜ日が暮れた後に、イエスさまの弟子たちは舟に乗り込み、カファルナウムに向かって移動を始めたのでしょうか。日が暮れた後、夜の闇の中、彼らが移動することができたのは、弟子たちのうち何人かは、もともとガリラヤ湖で漁師をしていたためです。元漁師であった弟子たちにとって、暗い時間にガリラヤ湖で舟に乗ることは、慣れきったことであったのでしょう。でも、そんな彼らにトラブルが訪れます。ガリラヤ湖に予期せぬ嵐が訪れます。ヨハネによる福音書は、弟子たちの嵐に対する恐れを記録しません。それはきっと、この時の弟子たちの経験は何も、イエスさまの弟子たちだけが経験するようなものではないからでしょう。闇の中で、嵐に巻き込まれています。イエスさまはそばにいないように思えます。舟は自分で漕ぐことは出来るかもしれないけど、風や波に翻弄されるばかりで、思った方向に進むことができません。あなたにも、こういったことがあるでしょ?と、ヨハネは語りかけています。この物語で、弟子たちは、イエスさまのみを恐れたように書かれています。それは何よりもイエスさまを見つめることが大切だと、伝えたいからです。嵐は吹き荒れるし、闇は闇のままです。でも、弟子たちがイエスさまを舟に迎え入れる前に、舟は目的地にたどり着きます。ヨハネがわたしたちに伝えるこの物語は、まさにわたしたちの身にも起こり得ることを象徴的に伝えているように思えてきます。たしかに、ヨハネがこの物語を通して描くように、嵐が続き、闇で覆われているように感じる時がわたしたちの人生の中で訪れます。ヨハネがわたしたちに紹介する物語は、そんな嵐や闇の中を抵抗できずに、舟で旅をするようなわたしたちのもとに、イエスさまが近づいてくると、イエスさまの姿を希望として紹介しています。嵐や闇の中でも、「私だ。恐れることはない」とわたしたちに語りかけ、イエスさまはわたしたちに近づいてくださいます。イエスさまがそばにいさえすれば、嵐や闇がすぐに消え去るわけではありません。けれども、たしかに舟は目的地に向かっていました。それはまるで、わたしたちの人生に、どれほど大きな嵐が起こっても、どれほど自分の力では抵抗できない状況が訪れたとしても、わたしたちが目指す場所に、イエスさまが導いてくださっているかのようです。わたしたちが目指す場所は、天の御国です。きょうも、これからも、わたしたちは天の御国を目指して船旅を続けていきます。