
Sign up to save your podcasts
Or


1.論文のタイトルUltrasound indicators of organ venous congestion: a narrative review
2.CitationAnnals of Intensive Care (2025) 15:184
3.論文内容の要約心不全や心腎症候群における腎障害などの臓器障害は、低心拍出量だけでなく、静脈圧の上昇に伴う「静脈うっ血」が主な原因となる。本論文は、ベッドサイドで行うポイント・オブ・ケア超音波(POCUS)を用いて、全身および各臓器のうっ血を評価する手法を概説している。
特に注目されているのが「Venous Excess Ultrasound (VExUS)」スコアである。これは下大静脈(IVC)の直径に加え、肝静脈、門脈、腎インターローバー静脈のドプラ血流波形を組み合わせて、うっ血の重症度をグレード0(なし)から3(重度)で判定するプロトコルである。研究の結果、VExUSによる評価は、IVCの測定のみを行うよりも正確に右房圧の上昇を検知でき、急性腎障害(AKI)の発症予測や利尿薬の反応性の判断に有効であることが示されている。また、IVCの描出が困難な場合の代替手段として、大腿静脈や内頸静脈を用いた評価法も提示されている。
これらの超音波指標は、非侵襲的に臓器レベルのうっ血(臓器の後負荷)を評価できる唯一の手段であり、適切な体液管理や利尿薬治療の指針として期待されている。
4.批判的吟味内的妥当性本論文はナラティブレビュー(叙述的レビュー)の形式をとっており、広範な文献に基づいているが、体系的なメタ分析ではないため、著者の主観による情報の選択バイアスが完全に排除されているわけではない。VExUSスコアの有効性については、心臓手術後の患者や急性心不全患者を対象とした前向き観察研究の結果に支えられており、血行動態指標(右房圧)や臨床アウトカム(AKI)との間に強い相関が認められている。しかし、ドプラ波形の正確な取得と解釈には検者の高い習熟度が不可欠であり、評価の客観性や再現性が検者の技術に依存する点が大きな課題として挙げられる。
外的妥当性救急・集中治療や循環器内科の現場において、非侵襲的に迅速な評価ができるため実用性は極めて高い。一方で、肥満、高度の全身浮腫、腸管ガスの貯留、あるいは医療デバイスの装着がある患者では、鮮明な画像が得られず評価が困難になる。また、三尖弁閉鎖不全症、肝硬変、人工呼吸器管理といった特定の状況下では、静脈波形が本来の体液量とは無関係に変化することがあり、すべての患者にそのまま適用できるわけではない。さらに、この手法を用いた治療介入が最終的な患者の予後(生存率など)を改善するかどうかを証明する大規模な介入研究はまだ不足しており、さらなる検証が必要である。
By deepER1.論文のタイトルUltrasound indicators of organ venous congestion: a narrative review
2.CitationAnnals of Intensive Care (2025) 15:184
3.論文内容の要約心不全や心腎症候群における腎障害などの臓器障害は、低心拍出量だけでなく、静脈圧の上昇に伴う「静脈うっ血」が主な原因となる。本論文は、ベッドサイドで行うポイント・オブ・ケア超音波(POCUS)を用いて、全身および各臓器のうっ血を評価する手法を概説している。
特に注目されているのが「Venous Excess Ultrasound (VExUS)」スコアである。これは下大静脈(IVC)の直径に加え、肝静脈、門脈、腎インターローバー静脈のドプラ血流波形を組み合わせて、うっ血の重症度をグレード0(なし)から3(重度)で判定するプロトコルである。研究の結果、VExUSによる評価は、IVCの測定のみを行うよりも正確に右房圧の上昇を検知でき、急性腎障害(AKI)の発症予測や利尿薬の反応性の判断に有効であることが示されている。また、IVCの描出が困難な場合の代替手段として、大腿静脈や内頸静脈を用いた評価法も提示されている。
これらの超音波指標は、非侵襲的に臓器レベルのうっ血(臓器の後負荷)を評価できる唯一の手段であり、適切な体液管理や利尿薬治療の指針として期待されている。
4.批判的吟味内的妥当性本論文はナラティブレビュー(叙述的レビュー)の形式をとっており、広範な文献に基づいているが、体系的なメタ分析ではないため、著者の主観による情報の選択バイアスが完全に排除されているわけではない。VExUSスコアの有効性については、心臓手術後の患者や急性心不全患者を対象とした前向き観察研究の結果に支えられており、血行動態指標(右房圧)や臨床アウトカム(AKI)との間に強い相関が認められている。しかし、ドプラ波形の正確な取得と解釈には検者の高い習熟度が不可欠であり、評価の客観性や再現性が検者の技術に依存する点が大きな課題として挙げられる。
外的妥当性救急・集中治療や循環器内科の現場において、非侵襲的に迅速な評価ができるため実用性は極めて高い。一方で、肥満、高度の全身浮腫、腸管ガスの貯留、あるいは医療デバイスの装着がある患者では、鮮明な画像が得られず評価が困難になる。また、三尖弁閉鎖不全症、肝硬変、人工呼吸器管理といった特定の状況下では、静脈波形が本来の体液量とは無関係に変化することがあり、すべての患者にそのまま適用できるわけではない。さらに、この手法を用いた治療介入が最終的な患者の予後(生存率など)を改善するかどうかを証明する大規模な介入研究はまだ不足しており、さらなる検証が必要である。