バク然らいぶらり

わかりやすさの功罪 漠然#5


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何かを理解したり、習得したと自覚する瞬間を「神経が繋がる」と知覚している漠然マイスターの二人。

「遺伝し拡張する神経回路ツリー」に始まり、「MVVには漠然感が足りねえ」、「マイナー作品の芳醇な風味」、「資本主義における“折り紙”という宗派」など、取り留めなく話が展開。

しかし総じて「わかりやすさの功罪」に集約される、不思議な回です。

上質な漠然を求めて取り留めのない話を展開する漠然マイスターの戯言は毎週金曜20時公開。
今日も短編小説のような漠然トークをお楽しみください。

目次

  • 00:00 遺伝し拡張する神経回路ツリー
  • 04:24 MVVには漠然感が足りねえ
  • 08:42 マイナー作品の芳醇な風味
  • 13:56 資本主義における“折り紙”という宗派
  • 21:00 わかりやすさの功罪
  • 23:47 ディープラーニング・マイセルフ

要約

  • 00:00 遺伝し拡張する神経回路ツリー
    前回から続く「神経回路」の話からスタート。ハマナカは、何かを習得したり、できることが増えたりするときに、神経回路が広がる、強化されるように感じると語る。さらに、その設計図には遺伝的な要素もあるのではないかと考察し、人によって行動パターンや思考の道筋が違う理由へと話を広げていく。
  • 04:24 MVVには漠然感が足りねえ
    共通のロードマップを持つことの大切さから、話は企業のミッション・ビジョン・バリューへ。本来は同じ山を登るための地図であるはずのMVVも、言葉だけが一人歩きすると妙に空虚で陳腐に見えてしまう。そこには「漠然感」が足りないのではないか、と二人は考える。
  • 08:42 マイナー作品の芳醇な風味
    言葉の伝わりやすさの話から、大衆文化とマイナー作品の違いへ。ワンピースや鬼滅の刃のように多くの人に届く作品のすごさを認めつつ、どてらいは打ち切り漫画やドマイナー作品に宿る味わい深さを語る。広く届くわかりやすさと、少数に深く刺さる濃さ。その両方に別々の価値がある。
  • 13:56 資本主義における“折り紙”という宗派
    話は、折り紙動画や折り紙文化の広げ方へ。ハマナカは、折り紙を人類共通の知識や文化体系に近いものとして捉えている。だからこそ、広く入りやすいコンテンツも必要だし、作家性や深い表現を届けるコンテンツも必要になる。公共性と収益性の両立をどう作るかが語られる。
  • 21:00 わかりやすさの功罪
    折り紙、歌舞伎、落語、MVVの話を通して、「わかりやすさ」の功罪が見えてくる。現代の人に伝えるためには入り口をわかりやすくすることが必要だ。しかし、その過程で、本来そこにあった背景、精神性、時間をかけて腹落ちする感覚が抜け落ちる危険もある。
  • 23:47 ディープラーニング・マイセルフ
    ハマナカは、折り紙に明確な師匠がいたわけではなく、自分で自分を教えてきた感覚があると語る。理想とのギャップに苦しみながら、少しずつ自分のデータベースを増やしていく。その姿は、膨大な経験を教師データにして自分自身を学習させる、ディープラーニング・マイセルフそのものだった。

漠然なる気付き

  • 「神経が繋がる」という感覚は、理解や習得を身体で感じるためのかなり有効なモデルかもしれない。
  • 似た神経回路を持つ人同士は、仕事の進め方や役割分担が自然に噛み合いやすい。
  • MVVは本来、組織の背景や熱量を共有するための言葉だが、文脈が削ぎ落とされると空虚になりやすい。
  • 大衆作品には広く届く強さがあり、マイナー作品には濃く残る風味がある。
  • 打ち切り漫画やマイナー作品には、整えられていないからこそ出る生命力がある。
  • 折り紙は公共性の高い文化であると同時に、作家性を持つ表現でもある。
  • 伝統芸能も折り紙も、入口を作る必要がある一方で、根底にある精神性や時間をかけて身につける感覚を落としてはいけない。
  • わかりやすさは強い。しかし、わかりやすさだけを追いかけると、余白や深みや「自分で腑に落ちるまでの時間」が失われる。
  • ハマナカの学び方は、師匠に教わるというより、自分の中に膨大なデータベースを作り、自分で自分を学習させる方法に近い。
  • 第5回は、わかりやすさの話をしながら、最終的には「自分の感覚をどう育てるか」の話だった。

本日の漠然マイスター

  • ハマナカ
    紙折り人。DJやプログラミングもする。折り紙デザインスタジオ Kamiori-Studioを運営している。漠然スタイルは「神降ろし」。0から1を作ることに没頭しているうち、その身に神を宿す術を習得しつつある。マイスターとしては研究家気質で、他人の漠然感の分析に余念がない。
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  • どてらい
    物書き。空手やたこ焼き職人もする。主に雑誌『散歩の達人』で執筆、トンチキ企画担当。最近、古畑任八郎という人格が発現した。漠然スタイルは「イタコ」。グッと集中すれば他の人格を憑依させられるし一時的な記憶の塗り替えも可能。自分を単なる容れ物と考えているイカれた男。
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