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モルガン・スタンレーの米国チーフエコノミストが、2024年下半期の米国経済の見通しについて考察します。GDP成長が減速する中、なぜ堅調な成長が続くと予想されているのか、詳しく解説します。
このエピソードを英語で聴く方はこちら。
----- トランスクリプト -----
「市場の風を読む」Thoughts on the Market へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。モルガンスタンレーがさまざまな視点から考察を配信する「市場の風を読む」にようこそ。
今回は、モルガン・スタンレーの米国チーフエコノミストであるEllen Zentner(エレン・ゼントナー)が、2024年下半期の米国経済の見通しについて考察していきます。本日のエピソードは弊社の米国チーフエコノミストであるEllen Zentnerが 今年下期に米国経済が強さを維持する公算が大きいと考える理由についてお話しします。
このエピソードは2024年5月22日水曜日にニューヨークで収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は概要欄に記載しているURLをクリックしてください。このエピソードは、5月22日水曜日にニューヨークで収録されたものです。このエピソードを英語でお聴きになりたい場合は、エピソードの概要に記載されているリンクをクリックしてください。
2024年上半期も終わりに近付く中、半ば今年の折り返し点が近づく中、弊社は今年下半期における米国経済の見通しをアップデートしました。これまでの見解と大きくは変わらず、米国経済は依然として堅調ですが、米国のGDP成長率は鈍化しており見直しました。現在、弊社はベースケースとして、米国経済の強さが継続するものの、米国のGDP成長率は減速しつつあり、昨年の前年第4四半期比でみた成長率は、2023年の+年第4四半期の+3.1%%に対し、2024今年と2025年は+2.1%に減速する見込みです。2025年も変わらず「+2.1%」の成長になるでしょう。第4四半期には+2.1%に減速し、2025年も同じく+2.1%の成長になると予想しています。
とはいえ、米国経済が堅調さを維持している背景には何があるのでしょうか。2024年ずっと議論されてきたポイントですが、移民の流入に伴う労働人口の増加が、米国の経済活動を下支えしてきた点が重要であると考えられます。が力強さを維持している背景には何があるのでしょうか。我々は今年、この点に強い関心を寄せてきました。移民の流入と人口の増加の加速により、インフレ圧力を強めることなく、労働力供給の増加と経済活動の下支えが続くことになります。つまり、パンデミック期間中の労働市場では、慢性的な人手不足に悩まされてきました。現在は労働人口が増えており、2024年中には需要を上回る可能性があります。
一方で失業率は、2024年末には4.2%、2025年にはさらに4.5%まで上昇するでしょう。年より0.3ポイントそうなると、失業率は押し上げられ、弊社は今年末の失業率が2023年末よりも0.5ポイント高い4.2%になり、2025年末にはさらに上昇して4.5%になると予想しています。また、失業率の上昇に伴い、賃金上昇も抑制され、率も一段と鈍化することになるでしょう。労働市場は冷え込むことが予想されます。実質可処分所得が伸び悩むことで、借り入れコストにも影響し、個人消費は落ち込むと考えています。
融資基準の厳格化は、融資そのものを遠ざける理由になりそうです。も与信の限度枠を圧迫することになります。とはいえ弊社は、近日中に金利が下がると予測しています。金利が下がれば、住宅需要の拡大と、自動車や家電製品、コンピュータといった耐久財消費が持ち直すはずです。しかしながら、弊社は将来的に金利が低下するとみており、金利が低下することにより、来年半ばには、住宅需要の拡大と財支出の増加に拍車がかかることになるでしょう。実際に私たちは、2024年第1四半期を経て、インフレ率低下も併せて予測しています。の特に、インフレ率は2024年第1四半期にかなり持ち直したものの、弊社は今後、インフレ率が減速すると予想しています。4月のインフレ統計には既にそうした動きがみられ、家賃やモノの値段、サービスの価格が減速している4月のデータからも、その傾向は明らかだといえるでしょう。、財価格、サービス価格が減速しています。
FRB(Federal Reserve:連邦準備制度理事会)は、2023年7月から政策金利の目標レンジを5.25〜-5.5%に据え置いてきました。しかしが、弊社は、今年9月にFRBが利下げを開始すると予想しています。2024年中にさらに年内に合計3回の利下げが行われ、さらに2025来年上半期までには中盤までにさらに4回の利下げが行われるでしょうと予想しています。その結果、政策金利は2024年第4四半期に約4.5%に下がり前後に低下し、また2025年第4四半期には約3.5%前後まで下がる見込みです低下すると予想しています。また一方で、FRBは利下げ開始前にも、FRBは6月から既に量的引き締め緩和策(QT:Quantitative Tightening)量的引き締め(QT)ペースの縮小を発表しています。この施策は、弊社はFRBのバランスシートが3兆ドル強に達する2025年3月前後に終わるでしょう。QTが終了すると予想しています。
最後に、住宅について見ていきましょう。お話しましょう。弊社は2025年までの住宅投資の継続的な伸びが続くと予想しています。おり、住宅ローン金利の低下に伴い、を通じて、住宅の着工件数の増加や新築住宅販売の堅調さ、そして中古住宅販売も微増が見込まれます。
投資の伸びが続くとみており、モーゲージ金利の低下に伴い、住宅着工件数が急ピッチで増加し、新築住宅販売件数は堅調を維持し、中古住宅取引件数が増加すると予想しています。住宅建築と取引仲介手数料の増加により、住宅投資は好調を維持し、前年第4四半期比でみると、今年第4四半期には4.6%の増加になり、2025年第4四半期は3.2%の増加になると予想しています。住宅投資に関する現在の弊社の予想は、昨年11月に発表した年間見通しで示した予想よりもかなり強いものです。第1四半期の力強い伸びは暖冬と一時的なモーゲージ金利の低下を反映したものと考えられ、今年下期に第1四半期と同じような予想を上回る伸びを期待することはできません。しかし、その一方で、人口の伸びが加速する中、住宅需要は弊社が予想していたよりも強いものになっています。住宅建設と取引仲介手数料の増加によって、住宅投資はを好調を維持し、第4四半期ベースで前年同期比4.6%、2025年には3.2%の上昇を示すでしょう。住宅投資予測は、昨年11月の予測よりもかなり強気です。好調だった第1四半期の伸びは、おそらく暖冬と一時的な住宅ローン金利の低下が重なったものと考えられます。2024年下期も同様の好調さが続くとは予想していませんが、住宅需要は弊社が予想していたよりもずっと高まっているようです。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。本日はご清聴いただきありがとうございました。このエピソードをお楽しみいただけましたら、お聞きになった内容のご感想をご記入いただき、ご友人やご同僚にも「市場の風を読む」を共有していただけると幸いです。
モルガン・スタンレーの米国チーフエコノミストが、2024年下半期の米国経済の見通しについて考察します。GDP成長が減速する中、なぜ堅調な成長が続くと予想されているのか、詳しく解説します。
このエピソードを英語で聴く方はこちら。
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「市場の風を読む」Thoughts on the Market へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。モルガンスタンレーがさまざまな視点から考察を配信する「市場の風を読む」にようこそ。
今回は、モルガン・スタンレーの米国チーフエコノミストであるEllen Zentner(エレン・ゼントナー)が、2024年下半期の米国経済の見通しについて考察していきます。本日のエピソードは弊社の米国チーフエコノミストであるEllen Zentnerが 今年下期に米国経済が強さを維持する公算が大きいと考える理由についてお話しします。
このエピソードは2024年5月22日水曜日にニューヨークで収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は概要欄に記載しているURLをクリックしてください。このエピソードは、5月22日水曜日にニューヨークで収録されたものです。このエピソードを英語でお聴きになりたい場合は、エピソードの概要に記載されているリンクをクリックしてください。
2024年上半期も終わりに近付く中、半ば今年の折り返し点が近づく中、弊社は今年下半期における米国経済の見通しをアップデートしました。これまでの見解と大きくは変わらず、米国経済は依然として堅調ですが、米国のGDP成長率は鈍化しており見直しました。現在、弊社はベースケースとして、米国経済の強さが継続するものの、米国のGDP成長率は減速しつつあり、昨年の前年第4四半期比でみた成長率は、2023年の+年第4四半期の+3.1%%に対し、2024今年と2025年は+2.1%に減速する見込みです。2025年も変わらず「+2.1%」の成長になるでしょう。第4四半期には+2.1%に減速し、2025年も同じく+2.1%の成長になると予想しています。
とはいえ、米国経済が堅調さを維持している背景には何があるのでしょうか。2024年ずっと議論されてきたポイントですが、移民の流入に伴う労働人口の増加が、米国の経済活動を下支えしてきた点が重要であると考えられます。が力強さを維持している背景には何があるのでしょうか。我々は今年、この点に強い関心を寄せてきました。移民の流入と人口の増加の加速により、インフレ圧力を強めることなく、労働力供給の増加と経済活動の下支えが続くことになります。つまり、パンデミック期間中の労働市場では、慢性的な人手不足に悩まされてきました。現在は労働人口が増えており、2024年中には需要を上回る可能性があります。
一方で失業率は、2024年末には4.2%、2025年にはさらに4.5%まで上昇するでしょう。年より0.3ポイントそうなると、失業率は押し上げられ、弊社は今年末の失業率が2023年末よりも0.5ポイント高い4.2%になり、2025年末にはさらに上昇して4.5%になると予想しています。また、失業率の上昇に伴い、賃金上昇も抑制され、率も一段と鈍化することになるでしょう。労働市場は冷え込むことが予想されます。実質可処分所得が伸び悩むことで、借り入れコストにも影響し、個人消費は落ち込むと考えています。
融資基準の厳格化は、融資そのものを遠ざける理由になりそうです。も与信の限度枠を圧迫することになります。とはいえ弊社は、近日中に金利が下がると予測しています。金利が下がれば、住宅需要の拡大と、自動車や家電製品、コンピュータといった耐久財消費が持ち直すはずです。しかしながら、弊社は将来的に金利が低下するとみており、金利が低下することにより、来年半ばには、住宅需要の拡大と財支出の増加に拍車がかかることになるでしょう。実際に私たちは、2024年第1四半期を経て、インフレ率低下も併せて予測しています。の特に、インフレ率は2024年第1四半期にかなり持ち直したものの、弊社は今後、インフレ率が減速すると予想しています。4月のインフレ統計には既にそうした動きがみられ、家賃やモノの値段、サービスの価格が減速している4月のデータからも、その傾向は明らかだといえるでしょう。、財価格、サービス価格が減速しています。
FRB(Federal Reserve:連邦準備制度理事会)は、2023年7月から政策金利の目標レンジを5.25〜-5.5%に据え置いてきました。しかしが、弊社は、今年9月にFRBが利下げを開始すると予想しています。2024年中にさらに年内に合計3回の利下げが行われ、さらに2025来年上半期までには中盤までにさらに4回の利下げが行われるでしょうと予想しています。その結果、政策金利は2024年第4四半期に約4.5%に下がり前後に低下し、また2025年第4四半期には約3.5%前後まで下がる見込みです低下すると予想しています。また一方で、FRBは利下げ開始前にも、FRBは6月から既に量的引き締め緩和策(QT:Quantitative Tightening)量的引き締め(QT)ペースの縮小を発表しています。この施策は、弊社はFRBのバランスシートが3兆ドル強に達する2025年3月前後に終わるでしょう。QTが終了すると予想しています。
最後に、住宅について見ていきましょう。お話しましょう。弊社は2025年までの住宅投資の継続的な伸びが続くと予想しています。おり、住宅ローン金利の低下に伴い、を通じて、住宅の着工件数の増加や新築住宅販売の堅調さ、そして中古住宅販売も微増が見込まれます。
投資の伸びが続くとみており、モーゲージ金利の低下に伴い、住宅着工件数が急ピッチで増加し、新築住宅販売件数は堅調を維持し、中古住宅取引件数が増加すると予想しています。住宅建築と取引仲介手数料の増加により、住宅投資は好調を維持し、前年第4四半期比でみると、今年第4四半期には4.6%の増加になり、2025年第4四半期は3.2%の増加になると予想しています。住宅投資に関する現在の弊社の予想は、昨年11月に発表した年間見通しで示した予想よりもかなり強いものです。第1四半期の力強い伸びは暖冬と一時的なモーゲージ金利の低下を反映したものと考えられ、今年下期に第1四半期と同じような予想を上回る伸びを期待することはできません。しかし、その一方で、人口の伸びが加速する中、住宅需要は弊社が予想していたよりも強いものになっています。住宅建設と取引仲介手数料の増加によって、住宅投資はを好調を維持し、第4四半期ベースで前年同期比4.6%、2025年には3.2%の上昇を示すでしょう。住宅投資予測は、昨年11月の予測よりもかなり強気です。好調だった第1四半期の伸びは、おそらく暖冬と一時的な住宅ローン金利の低下が重なったものと考えられます。2024年下期も同様の好調さが続くとは予想していませんが、住宅需要は弊社が予想していたよりもずっと高まっているようです。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。本日はご清聴いただきありがとうございました。このエピソードをお楽しみいただけましたら、お聞きになった内容のご感想をご記入いただき、ご友人やご同僚にも「市場の風を読む」を共有していただけると幸いです。