20日、岡山コンベンションセンターにて『NJKFこぶし之会主催興行24th-NJKF2025 west 2nd-』が開催。セミファイナルの日米国際戦でISKAムエタイ日本ライトクルーザー級王者の佐野克海 (NJKFこぶし之会)と現役米軍海兵隊員でMMA王者のベルトを所有するタイボン(截空道)が激突した。 佐野克海は2017年にプロデビューして以降22戦14勝6敗2引き分けの戦績。昨年2024年4月2ついたちに同会場にて王座決定戦に挑み、草・MAX(TEAM CLIMB/GRABAKA赤羽)に判定勝利しISKAムエタイ日本ライトクルーザー級に戴冠した。 対するタイボンは現役米軍海兵隊員。MMAのベルトを所有する強豪が、岡山県でムエタイファイターに挑んだ。 試合が始まるや両者ともに距離を詰め、カーフを蹴りあう。サウスポーの佐野がタイボンをコーナーに押して左ストレートをヒットさせ、そこからパンチの連打。ガードを固めるタイボンの肩に佐野の非情のヒジが打ち下ろされる。その後も佐野が左インロー、左ハイと優勢に進めていくかと思いきや、打撃を受けながらも前に出たタイボンの左が佐野の顎先をかすめる。佐野の右ストレートのタイミングに合わせたタイボンの左が佐野にヒット。佐野も負けじと圧を掛けタイボンに膝を見舞う。手数を出していたのは佐野だったがタイボンのガードが固く致命的なダメージを浴びせるまでに至らず。いつしかタイボンの攻勢に佐野が圧され始めていった。3Rには佐野がスタミナ切れか動きにキレの悪さが目立ち始め、それとは真逆にタイボンは闘志をギラギラ燃やし続け勢いが増していった。確実に当て、佐野の重い攻撃を受けきってひるまず前に出続けたタイボンが判定勝ちした。 試合後のマイクで截空道の平原伸泰代表が「彼は日々日本の南領土、南西諸島沖縄八重山諸島、日本の領土を守るために命がけで朝から晩まで兵隊として働いています」と紹介。さらに「きょうは本当ならばアメリカのサウスカロライナに帰る予定でした。おばあさんが亡くなりました。急遽この試合が終わったら20時間かけて飛行機に乗って帰国します。でも天国でおばあさんが見てくれて全力を出し切って良い試合をしてくれました」と明かすと、会場から温かい拍手が起こった。