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モルガン・スタンレーのテーマ別リサーチ・ストラテジスト、ミシェル・ウィーバー(Michelle Weaver)が、政治情勢の変化、新学期準備に向けた支出の好調、旅行業者が享受するコロナ禍後の旅行需要を踏まえた、消費者心理の改善について解説します。
このエピソードを英語で聞く。
----- トランスクリプト -----
「市場の風を読む」Thoughts on the Market へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
今回は、モルガン・スタンレーの米国テーマ別リサーチ・ストラテジスト、ミシェル・ウィーバーが、このところの市場ボラティリティと、来たるアメリカ大統領選挙が米国の消費者に及ぼす影響について考察します。このエピソードは8月26日にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
数週間前、市場のボラティリティが急激に上昇しました。一部は、円キャリートレードの巻き戻しによるものでしたが、米国の経済成長鈍化、あるいは景気後退の可能性を巡る懸念が再浮上したことも背景にあります。ただ、弊社エコノミストは景気後退入りするとは見ておらず、ソフトランディングするとの従来の見方を弊社ベースケースとして据え置いています。つまり、景気鈍化であって、低迷ではない、というものです。
企業側からは、今回の決算発表により、米国の個人消費が徐々に軟化していることが分かりました。ただし、これは急激な落ち込みではありません。今年の支出は減速してはいるものの、ここ数年間の支出が大幅に高い水準にあったという理由によるものです。
第2四半期決算では確かに、個人消費に部分的な鈍化が見られました。消費者心理はいまだ健全であり、7月に弊社が実施した最新の調査では、消費者心理のかなり大幅な改善が示されました。これには一部、政治的環境が影響したと弊社では見ています。我々は、バイデン大統領が大統領選からの撤退を表明し、ハリス副大統領を候補に指名した直後の7月25日から29日にこの調査を実施しました。この時に消費者態度が最も大きく改善したのは、政治的中道派を自認する層でした。
この層の、景気に対する消費者心理を指数化したところ、マイナス23%からマイナス1%に改善していることがわかりました。消費者期待もまた、リベラルを自認する層で大きくプラスとなっています。極端なリベラル層の消費者心理はプラス34%であった一方で、中程度のリベラル層ではプラス20%でした。保守層の消費者心理は依然マイナスでしたが、前回調査に比べ改善していました。
こうした消費者の期待および態度の向上は、政治的環境と大統領選に寄せられる関心が一新したことが一因と考えられます。
夏の終わりが近づくこの時期の、重要なトレンドを新たに2つ、お伝えしたいと思います。新学期に向けた準備品の需要と旅行についてです。新学期用品については、かなり良好な結果が弊社の調査で示されました。今回の新学期に向けては、前回よりも支出を増やす計画があると消費者は回答しており、支出の意向は35%増加しています。また、支出意向の内訳を見ると、衣料品に対する支出計画の純増が前年比で最大となりました。一方で、学用品と電子機器への需要も伸びています。よって、学童および学生の新学期開始にあたっては、どの項目も非常に重要と考えられます。
旅行は、コロナ禍後に大きく好調を維持した市場の一つです。外出や旅行を伴う休暇が大いに人気を集めました。過去数年間の需要水準は、正直なところ、予想以上のプラスとなりました。コロナ禍後のこれほど急激な需要のキャッチアップと、これほど多くの人々の期待は弊社には予想外のものでした。私自身も同じく、ここ数年間の夏季休暇は特に旅行を楽しみにしていました。しかし、今回の決算発表では、旅行業界はむしろ強弱まちまちの様相を呈し始めています。
ホテルは全般的にレジャー目的の宿泊需要に鈍化の兆しが見られますが、ビジネス目的では堅調を維持しています。一方で、航空各社からは異なる状況が見られており、堅調な航空機利用需要が持続していることを複数の企業が強く主張しています。弊社の調査では、旅行に対する意向が引き続き安定して力強いことと、航空機利用を含む、旅行を前提とした計画が引き続き好調であることが示されており、航空各社のコメントを裏付けています。
米国選挙までの3ヵ月間は非常に興味深いものとなるでしょう。引き続き弊社からの情報をお待ちください。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
モルガン・スタンレーのテーマ別リサーチ・ストラテジスト、ミシェル・ウィーバー(Michelle Weaver)が、政治情勢の変化、新学期準備に向けた支出の好調、旅行業者が享受するコロナ禍後の旅行需要を踏まえた、消費者心理の改善について解説します。
このエピソードを英語で聞く。
----- トランスクリプト -----
「市場の風を読む」Thoughts on the Market へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
今回は、モルガン・スタンレーの米国テーマ別リサーチ・ストラテジスト、ミシェル・ウィーバーが、このところの市場ボラティリティと、来たるアメリカ大統領選挙が米国の消費者に及ぼす影響について考察します。このエピソードは8月26日にニューヨークにて収録されたものです。
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数週間前、市場のボラティリティが急激に上昇しました。一部は、円キャリートレードの巻き戻しによるものでしたが、米国の経済成長鈍化、あるいは景気後退の可能性を巡る懸念が再浮上したことも背景にあります。ただ、弊社エコノミストは景気後退入りするとは見ておらず、ソフトランディングするとの従来の見方を弊社ベースケースとして据え置いています。つまり、景気鈍化であって、低迷ではない、というものです。
企業側からは、今回の決算発表により、米国の個人消費が徐々に軟化していることが分かりました。ただし、これは急激な落ち込みではありません。今年の支出は減速してはいるものの、ここ数年間の支出が大幅に高い水準にあったという理由によるものです。
第2四半期決算では確かに、個人消費に部分的な鈍化が見られました。消費者心理はいまだ健全であり、7月に弊社が実施した最新の調査では、消費者心理のかなり大幅な改善が示されました。これには一部、政治的環境が影響したと弊社では見ています。我々は、バイデン大統領が大統領選からの撤退を表明し、ハリス副大統領を候補に指名した直後の7月25日から29日にこの調査を実施しました。この時に消費者態度が最も大きく改善したのは、政治的中道派を自認する層でした。
この層の、景気に対する消費者心理を指数化したところ、マイナス23%からマイナス1%に改善していることがわかりました。消費者期待もまた、リベラルを自認する層で大きくプラスとなっています。極端なリベラル層の消費者心理はプラス34%であった一方で、中程度のリベラル層ではプラス20%でした。保守層の消費者心理は依然マイナスでしたが、前回調査に比べ改善していました。
こうした消費者の期待および態度の向上は、政治的環境と大統領選に寄せられる関心が一新したことが一因と考えられます。
夏の終わりが近づくこの時期の、重要なトレンドを新たに2つ、お伝えしたいと思います。新学期に向けた準備品の需要と旅行についてです。新学期用品については、かなり良好な結果が弊社の調査で示されました。今回の新学期に向けては、前回よりも支出を増やす計画があると消費者は回答しており、支出の意向は35%増加しています。また、支出意向の内訳を見ると、衣料品に対する支出計画の純増が前年比で最大となりました。一方で、学用品と電子機器への需要も伸びています。よって、学童および学生の新学期開始にあたっては、どの項目も非常に重要と考えられます。
旅行は、コロナ禍後に大きく好調を維持した市場の一つです。外出や旅行を伴う休暇が大いに人気を集めました。過去数年間の需要水準は、正直なところ、予想以上のプラスとなりました。コロナ禍後のこれほど急激な需要のキャッチアップと、これほど多くの人々の期待は弊社には予想外のものでした。私自身も同じく、ここ数年間の夏季休暇は特に旅行を楽しみにしていました。しかし、今回の決算発表では、旅行業界はむしろ強弱まちまちの様相を呈し始めています。
ホテルは全般的にレジャー目的の宿泊需要に鈍化の兆しが見られますが、ビジネス目的では堅調を維持しています。一方で、航空各社からは異なる状況が見られており、堅調な航空機利用需要が持続していることを複数の企業が強く主張しています。弊社の調査では、旅行に対する意向が引き続き安定して力強いことと、航空機利用を含む、旅行を前提とした計画が引き続き好調であることが示されており、航空各社のコメントを裏付けています。
米国選挙までの3ヵ月間は非常に興味深いものとなるでしょう。引き続き弊社からの情報をお待ちください。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。