このエピソードでは、SHIONの友人でもあり・2023年度に米国大学院へ出願した経験のあるYudaiをゲストにお招きして、1回目のPodcastを踏まえてインタビューしてもらいました。
広島県産、三重県育ち。2024年3月に早稲田大学人間科学部を卒業。2023年度に海外大学院に出願。現在は東京工業大学情報理工学院で研究生をしている。学部の間は科学史・科学哲学をしていた。
※19:00あたりで、"SNF"と言っていますが、正しくは"SfN (Society for Neuroscience)"です。
SHION:エピソードの収録後、「なぜ、腸から脳の研究よりも、脳から腸の研究の方が少ないか?」について考えてみました。
エピソード内では「前者に関する既存の研究が偶発的に多かったから」という回答だった一方で、考えてみると「腸の中に住む細菌たち(腸内細菌叢)に関する研究が急速に発展したから」という回答の方が的確であると思いました。2000年台初頭からの次世代シーケンサの改良によって、腸内細菌叢の構成や機能を安価で正確に分析できるようになりました。それによって、腸内細菌叢が宿主の免疫、エネルギー代謝、メンタルヘルス等に及ぼす影響に関する研究が増加しました。このような腸に関する研究から、腸脳相関の分野が発展したという文脈があるため、腸から脳という順序の研究が多くなったと考えております。
エピソード内では、技術的な限界に関しても上手く説明できていなかったと思います。腸が脳の神経の活動レベルに与える影響を調べるツールは確立されつつあります (例:参考文献1)。一方で、to my best knowledge, 脳が腸の細胞の活動レベルに与える影響を、調べる時間空間的に優れたツールは確立されていません。このことから、脳が腸に与える影響を実験的に証明することは難しいと思います。
腸と脳を繋ぐ迷走神経は、約8割が求心性であると言われています。これを根拠に、もしかしたら、末梢から中枢への関係を調べることの方が有意義であるという見方もあるかもしれません。一方で、過敏性腸症候群などの、感情→消化管の蠕動運動の順序で変化が生じることを考えると、脳から腸へのつながりを探究することは重要であると考えています。以上3点より、腸→脳の研究よりも、脳→腸の研究がされてこなかったと考えています。
参考文献1: Sahasrabudhe, A., Rupprecht, L. E., Orguc, S., Khudiyev, T., Tanaka, T., Sands, J., ... & Anikeeva, P. (2023). Multifunctional microelectronic fibers enable wireless modulation of gut and brain neural circuits. Nature Biotechnology, 1-13.
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