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October 20, 2021ようこそT-roomへ - 2021-10-20_過去一ヶ月の世論調査から台湾の民意を見る 蔡英文・総統は10月10日、中華民国の双十国慶節で演説を行い、「永遠に自由・民主の憲法政治体制を堅持する」、「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属しないことを堅持する」、「主権が侵犯、併合を許さないことを堅持する」、「中華民国台湾の前途は、全台湾人民の意思に従うことを堅持する」という、いわゆる「四つの堅持」を発表しました。 中国大陸によって、様々な形で圧力が強まる中、主権を守り、国際社会へのさらなる参与を推し進めながら、同時に台湾海峡の平和を維持していかなければなりません。そうした重責を担う蔡英文・総統、そして蔡英文政権について、台湾の人たちはどのように見ているのでしょうか。 本日のこのコーナーでは、この一ヶ月以内に行われた様々な世論調査をもとに、台湾の人々の声をご紹介していきたいと思います。 まずは、台湾民意基金会が9月29日に明らかにした調査結果です。1つ目は、台湾海峡海峡の危機に対する、蔡・政権の処理能力についてです。両岸危機に関する話題では、昨年の年初から、中共の人民解放軍の軍用機が中華民国台湾の防空識別圏に頻繁に侵入しているほか、中国大陸は3月にまずパイナップル、そして9月下旬からはワックスアップル、釈迦頭と、いずれも台湾にとっては輸出先の大半が中国大陸であった果物について、輸入を一方的に禁止しました。 こうした中、蔡政権の両岸危機に対する処理能力について、「非常に信頼している」と答えた人は17%、「まあまあ信頼している」と答えた人は28.4%でした。一方、「あまり信頼していない」という人は22.4%、「全く信頼していない」という人は22.6%でした。9.6%の人は「意見なし」ということでしたが、全体的では、危機処理能力について信頼している人が45%、そうでない人は45%と、半々に分かれる形となりました。 エリア別にみていきますと、6つの直轄市の中では、中部の台中市、南部の台南市、高雄市に比べると、北部の台北市、新北市、桃園市の人は、処理能力に対する信頼感は低くなっていました。なお、その他の16の県及び市では、信頼している人の割合は、そうでない人を3ポイントほど 上回りました。 年齢別では、20歳から24歳及び65歳以上の人々は、処理能力について信頼していると答えた人は半数を越えた一方、25歳から64歳の人々では、処理能力について信頼していないと答えた人が、半数を越えました。 台湾民意基金会の游盈隆(ゆう・えいりゅう)董事長は、「非常にショッキングな数字だ。蔡政権は軽く見るべきではない」と強調しました。 一方、中国大陸が今年、相次いで台湾産の果物を輸入禁止とした点については、66%の人が、中国大陸の決定は妥当とはいえないと答え、妥当と答えた人は14%にとどまりました。 台湾は政治熱が高く、与党・民進党の支持者と、その他の政党、特に最大野党、国民党の支持者では、様々な政策に対する考え方が大きく異なることも珍しくありません。その為、主に国民党の支持者が、現政権の両岸政策を評価しない可能性は高いと考えられますが、2つの調査の結果が大きく異なったことからは、中国大陸に対して不満をもちつつも、蔡政権の危機処理能力について十分に満足はしていない人も一定数いることがうかがえます。 続いては、台湾民意基金会が6日に発表した別の調査結果、与党・民進党に対する「感情温度」についてです。これは、与党・民進党に対する評価を、「感情温度」という指標によって表したもので、0度から100度までの温度で、政党に対する好感、反感を表し、0度は最も強烈な反感、100度は最も強烈な好感となり、50度は好感も反感もない状況を表します。 調査では人々に対し、「与党、民進党に対する感覚を、0度から100度の数字で表してください」と問いかけました。 結果、76度から100度とした人は20%、51度から75度とした人が24.4%で、合計44.4%の人が、好感を示す51度以上でした。そして24.8%が50度、26.8%が反感を示す49度以下で、この中には、0点から24点の人、14.3%を含んでいます。平均温度は53.19度でしたが、半数を越える51.9%の人は、50度以下でした。 年齢別では、年齢が高いほど温度は高く、エスニックグループ別では、主に福建省南部をルーツとするホーロー系、広東省をルーツとする台湾第2のエスニックグループ客家の人達は51度を上回りましたが、外省人と呼ばれる、戦後、中国大陸から国民政府と共に台湾にやってきた人々やその子孫では、平均32度にとどまりました。 6つの直轄市では、南部の台南市が最も温度が高く、高雄、台中、新北、桃園、台北という順と、北部南部での違いが顕著でした。 支持政党別では、予想通り、民進党支持者の温度が高かった一方、国民党支持者は32.27度、第2の野党、民衆党の支持者も36.5度にとどまりました。 台湾民意基金会の游・董事長はこの結果について、40度台だった2018年3月や11月に比べると、大きく上回っているものの、昨年同時期の56.38度に比べると下がっていると指摘、人口ベースで考えればおよそ100万人の好感度が低下したと説明しています。 台湾民意基金会の2つの調査は、民進党に対してやや厳しい結果となりましたが、両岸問題やイデオロギーの面の考えは民進党に近い、野党・時代力量の最新の世論調査では、蔡英文・総統に対する満足度、「非常に満足」、「まあ満足」を足した割合は56%に達しました。 また、双十国慶節後に、民進党が行った調査では、蔡英文・総統の演説の中の「四つの堅持」のひとつ、「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属しないことを堅持する」については84%の国民が支持したほか、台湾の前途は台湾の人々が決めるか、それとも中国大陸の人々が決めるかという問いについては、「台湾の人々が決める」と答えた人が95%を超えたという事です。 こうして色々な調査をみていきますと、台湾には様々な考え方の人がいることがうかがえます。難しい舵取りではあるでしょうが、蔡英文・総統にはうまくバランスをとって、この荒海を乗り越えていってもらいたい、と思います。...more10minPlay
September 29, 2021ようこそT-roomへ - 2021-09-29_台湾の名字について 先週の9月19日、日本は「苗字の日」でした。これは明治政府が1870年、明治3年に、国民に名字を名乗ることを求める「平民苗字許可令」が定められたことを記念したものです。ちなみに、日本の苗字トップ3は、1位が佐藤さんでおよそ186万2000人、2位が鈴木さんがおよそ179万1000人、3位が高橋さんで、およそ140万5000人ということです。 本日の「ようこそT-ROOMへ」では、内政部が2018年6月に発表した「全国姓名統計分析」をもとに、台湾の苗字における様々な豆知識をご紹介したいと思います。 日本の苗字の数はおよそ30万種類あると言われていますが、台湾はどれくらいあると思われますか。内政部の統計によりますと、2018年6月30日の時点で、台湾の苗字の数は1832でした。日本に比べると遥かに少ないですね。 台湾では、夫婦は結婚したあとも、姓は基本的にそのままです。そして、子供が生まれると、一般的には子供は父親の姓を名乗ります。統計によりますと、台湾全域で父親の姓を名乗っている人は全体の95.82%と大部分を占め、母親の姓を名乗っている人は2.32%でした。 では、1832ある姓の中から、台湾における苗字トップ3をご紹介しましょう。最も多い苗字は、陳列の陳とかく「陳」さんで、262万7995人でした。中華民国台湾総人口に占める割合は、実に一割を越える11.15%となっています。台湾の人口は日本の6分の1ほどですが、陳さんの数は、日本で最も多い佐藤さんの1.5倍以上いるということになります。そして、2位ははやしと書く「林」で196万443人、全体の8.32%となりました。つまり、陳さんと林さんでおよそ5分の1近く占めていることになります。台湾では、世の中には陳さんと林さんばかりで有ることを、「陳林滿天下」、陳、林、そして満たす、天下と書き「陳林滿天下」と表現します。 なお、中華民国台湾には、日本の都道府県における県及び市が全部で22ありますが、離島も含めた22の県市のうち、陳さんが最も多かった県は20県、林さんが最も多かったのは北東部の宜蘭県と、中部の雲林県の2県のみでした。 3位以下もご紹介しましょう。3位は黄色のきと書く「黄」さんで、142万6788人、4位は出張のちょうと書く「張」さんで124万2595人、5位はすももの「李」さんで120万8829人、ここまでが100万人超えとなっています。 さらに6位は王様の「王」さんで、96万7622人、7位はくれと書く「呉」さんで95万2464人、8位は劉備の「劉」と書く、「劉」さんで74万3179人、9位は蔡英文・総統の「蔡」さんで68万6717人、10位は、楊貴妃の「よう」さんで、62万6244人でした。 ちなみに、3位の「黄」さんの「黄」の字、黄色のきという字ですが、台湾で一般的に使われている漢字は繁体字、正体字である為、日本で使われている「黄」の字とは少し異なります。具体的には、「黄」という字の上半分は、廿日市市の「はつか」という字と、漢数字の「一」を上下に並べた形となっています。先程ご紹介した142万6788人の「黄」さんは、この字の方の「黄」さんの数です。台湾には、日本の漢字と同じ字を書く「黄」さんもおり、こちらも3万5905人おり、全体の78位でした。 そして、このトップ10の苗字で、台湾の人口全体の52.78%を占めます。つまり、台湾では、5人に1人が陳さんか林さん、そして2人に一人が、今ご紹介したトップ10の苗字のいずれか、なんですね。 1832ある姓のうち、一文字の姓は1722、人数は2345万3930人で、全体の99.87%、一方で、二文字の姓は110、人数は2万7518人で、全体の0.12%でした。これ以外に、台湾原住民族の伝統的な姓を名乗っている人、外国からの帰化者などで、音訳の名前を名乗っている人たちもいます。 二文字の姓にはどのような姓があるのでしょうか。台湾におけるトップ3は、1位が「張簡」、出張の「ちょう」に、簡単の「かん」と書く「ちょうかん」で9059人、2位はオーヤンフィーフィーさんでおなじみ、欧州のおう、太陽のようと書く「欧陽」で7860人、3位は范文雀さんの「はん」に、しょうがの「が」と書く「范姜(はんきょう)」で4300人でした。 台湾に27万人あまりいる台湾原住民族の人たちは、戦後、国民政府が台湾にやってきてから、漢民族の姓を名乗るようになりました。トップ10の姓の順位、顔ぶれは、台湾全体の順位と少し異なっています。最も多いのは林さんで、5万8662人、人口比では10.43%、2位は陳さんで、5万4857人、人口比で9.75%でした。3位以降は、黄色の「こう」、出張の「張」、すももの「李」、王様の「王」が続いたあと、7位に高いと書く「高」、8位に、さんずいに順番の番と書く「潘(はん)」、9位にくれと書く「呉」、そして10位に楊貴妃の「よう」が入りました。 1832ある姓の中では珍しい姓もあります。最も少ない姓は台湾全域で1人しかおらず、こうした姓は265あり、全体の14.47%を占めています。そして、台湾全域で10人以下という珍しい姓は全部で762もあり、全体の41.59%を占めています。 ちなみに「東、西、南、北」、「春、夏、秋、冬」、「甲、乙、丙、丁」、「年、月、日」、「大、中、小」さんはそれぞれいます。このうち「甲、乙、丙、丁」の「へい」さんは、台湾で1人しかいない、特に珍しい苗字となっています。私はまだ会ったことはありませんが、神様の神と書く「神」さん、愛情の愛と書く「愛」さん、美しいと書く「美」さんなどもいます。こうした珍しい苗字は概ね、戦後、国民政府と共に中国大陸から台湾にやってきた人たち並びにその子孫、そして台湾原住民族の人が多いようです。...more10minPlay
September 22, 2021ようこそT-roomへ - 2021-09-22_台湾の100大インフルエンサーリスナーの皆様は「網3紅2」、いとへんの「あみ」に、口紅の「べに」と書く「網3紅2」という言葉をお聞きになったことはおありですか。この「網3紅2」、網路紅人、「あみ」、道路の「ろ」、べに、そして人と書く「網路紅人」の略で、直訳しますと、インターネットセレブリティとなります。インターネットを通じて有名になった人のことです。この「網3紅2」、台湾では、「インフルエンサー」、特にインターネット上で、大きな影響力をもつ人を指す意味合いとしても使われています。動画共有サイトのユーチューブのほか、SNSのフェイスブックやインスタグラムをベースに活躍している人々ですね。本日の「ようこそT-ROOMへ」では、台湾におけるこうした「網3紅2」に関する最新の話題をご紹介したいと思います。本日、「網3紅2」については、インフルエンサーと置き換えて紹介いたしますね。大手リサーチ会社のニールセンによりますと、台湾の12歳から65歳の人々のうち、なんと84.2%の人が、インフルエンサーをフォローしているということです。そして、全体の4分の3近く、74.9%の人は、商品の購買意思決定について、彼らの推薦や広告の影響を受けると答えており、各企業も、より多くのマーケティング予算をこうしたインフルエンサーにかけるようになっています。インターネットメディア「ビジネスネクスト」は、この3年間、台湾を拠点とする世界的な「AI」カンパニー「アイカラ」とタッグを組み、台湾の100大インフルエンサーを選出してきました。そして、100大インフルエンサーの3つの特色、及びこの一年間の変化として3つの特徴をつきとめました。まずは3つの特色を紹介しましょう、一つ目は、新型コロナウイルスの流行により巣ごもり生活が増え、グルメやゲームをテーマとするインフルエンサーの活躍が目立ったことでした。ジャンル別では生活、お笑いといったジャンルが依然強いものの、こうした、在宅で楽しめるジャンルが勢力を伸ばしました。一方で、旅行ジャンルは衰退しています。2つ目は、外国籍のインフルエンサーが11名と、全体の1割を越えたことです。こうした点は、海外、異文化に興味をもつ人の多い台湾の人たちの特徴といえるかもしれませんね。そして3つめは、100大インフルエンサーのうち、およそ9割が、youtube、フェイスブック、インスタグラムの3大プラットフォームをいずれも運営しているという事でした。人気のインフルエンサーになる為には各種のプラットフォームを通じて、ファン、視聴者との関係を深めていくことが非常に重要だといえるようです。続いては、この1年間における3つの変化についてです。まず一つ目は、ナノ・インフルエンサーの増加です。ナノ・インフルエンサーとは、フォロワーの数が1万人以下のインフルエンサーを指します。こうしたナノ・インフルエンサーは、その大部分が、本業と掛け持ちをしています。データによりますと、インフルエンサーの数は、2021年、3万8380人と、2019年の2万700人あまりに比べ、1万8000人近く増加しました。そして、この1年間、特にナノ・インフルエンサーの増加が顕著だということです。そして、こうしたナノ・インフルエンサーは、youtubeに比べて参入ハードルの低い、フェイスブック、インスタグラムでの活躍が目立っているということです。こうしたナノ・インフルエンサーは、フォロワー数こそ、有名なインフルエンサーに大きく及びませんが、投稿内容に対する、いいね、クリック、シェアなど、ファンの反応の割合を指す「エンゲージメント率」が、インフルエンサー全体の平均を大きく上回っており、フォロワー数別の統計でも、最高だったということです。つまり、数は少なくとも、熱心なファンがついているという事なんですね。2つ目は、グループの増加です。およそ3万8000人いるインフルエンサーの内訳は近年、概ね、男性が30%、女性が60%、そして残りがグループ、動物などとなっていましたが、この1年間、グループのインフルエンサーが増加しています。インフルエンサーの動画製作をサポートする企業、VSメディアのリン・チンイー総経理は、グループでたくさんのメンバーがいる事により、視聴者に新鮮な感覚を与えられるほか、人々の、「彼らと一緒に遊んでいるかのような感覚を覚えたい」というニーズの現れではないか、と分析しています。3つ目は、先程の「特色」の中でもご紹介しましたが、「グルメ」の話題が最も人気を集めているということです。ご存知の通り、台湾でも今年5月中旬から、新型コロナウイルスの市中感染が爆発しました。これまで、旅行は人気のコンテンツの一つでしたが、市中感染流行により、外でのロケは難しくなったほか、感染拡大前に屋外で撮影した映像も、ファンの心をつかむのは困難となっているということです。こうした中、この一年、フェイスブック、インスタグラム、youtubeの各プラットフォームを問わず、最も人気を集めた投稿、動画の内容が「グルメ」でした。全体の4割近くのインフルエンサーが、このテーマの投稿をしたということです。ちなみに、2位は「写真」、3位は「着こなし」でした。いわゆるインスタ映えする写真や、目を引くお洒落なファッションなどの投稿が人気なんでしょうかね。なお、2021年の台湾100大インフルエンサーの中でも、9人が「グルメ」を基軸としたインフルエンサーです。さきほど、インフルエンサーは増加中と紹介しましたが、2019年初頭、登録者数100万人超えのユーチューバーは23でしたが、現在は50と倍増しました。コンテンツは増え、インフルエンサーも増加、ただ、視聴者の時間は限られていますから、いかにしてファンを取り込むかが重要となっています。さらに最近、youtubeは、過去の視聴履歴をもとにユーザーが興味を感じそうなコンテンツを自動で選んで表示する機能が進化しています。こうした中、現在は登録者数よりも、実際の「エンゲージメント率」がより重視されるようになっているといいます。これまで3つのプラットフォームを舞台に繰り広げられていた戦いですが、今後は、youtube、フェイスブック、インスタグラムに加え、ショートムービーのSNSティックトックや、音声配信のポッドキャストが新たな戦場として、加わると予想されるということです。標準中国語や台湾語で進行する為、ハードルは少し高いかもしれませんが、台湾の友人がいるという方は、おすすめの「網3紅2」、インフルエンサーを聞いてみると面白いかもしれません。...more10minPlay
September 08, 2021ようこそT-roomへ - 2021-09-08_東京パラリンピックで活躍する台湾の選手8月24日から9月5日まで行われた東京2020、パラリンピック、今大会、中華民国台湾からは、6つの競技に10人の選手が参加しました。メダルの数こそ、卓球TT10クラスの女子シングルスでティエン・シャオウェン選手が銅メダルを獲得した1つのみという結果に終わりましたが、各選手が健闘をみせました。本当は10人全員についてご紹介したいところですが、時間の関係から、本日のこのコーナーでは、4人の選手を中心にご紹介したいと思います。まずは、卓球、TT4クラスの女子シングルスで決勝トーナメント進出を果たしたルー・ビーチュン選手です。58歳のルー選手は、生まれつき小児麻痺で身体が不自由で、車椅子で生活してきました。結婚後は毎週末、マーケットで玉(ぎょく)を売っていましたが、42歳になった年、台湾の宝くじ、ロトの販売の権利を手にし、経済的にも時間的にも余裕が出てきたことから、同じく身体にハンディを抱えながらも卓球に打ち込み障害者卓球のナショナルチームに選出された旦那さんらの勧めもあり、ルーさんは卓球に触れることとなりました。42歳と非常に遅いスタートでしたが、センスに恵まれていたルーさんはめきめきと実力をつけます。そして、障害者卓球のナショナルチーム入りを果たしました。苦しい練習で、怪我をすることもありましたが、楽観的な性格のルーさんは、家族の応援もあり、諦めることはありませんでした。 そして、2016年、初めてパラリンピック、リオデジャネイロ大会に出場、初めてのパラリンピックでは一勝もできず落ち込みましたが、2018年のアジアパラ競技大会では、中国大陸の強豪選手を下し、銀メダルを獲得しました。今回のパラリンピック、ルー選手は6月、スロベニアで行われた予選大会に出場も、3位に終わり、出場権を逃しました。プレッシャーに負け、実力が発揮できず、息子さんの前で涙を流したそうです。しかし、7月初旬、補欠繰り上がりの発表があり、ルー選手は出場権を獲得、東京オリンピックでは、今回が5度目の出場となる男子のチュアン・チーユアン選手のプレーに刺激を受けました。 ルー選手は今大会、初戦でセルビアの選手にストレートで敗れましたが、2試合目でイギリスの選手に3-1で勝利、パラリンピック初勝利を飾り決勝トーナメントに進出すると、準々決勝で37歳年下、世界4位、中国大陸のグー・シャオダン選手から第1ゲームを奪う健闘をみせました。試合はそのあと3ゲーム連取され、準決勝進出はなりませんでしたが、58歳での奮闘は、台湾の人々を感動させました。同じく卓球、TT10クラスの女子シングルスで銅メダルを獲得したティエン・シャオウェン選手は21歳、出生時の医療ミスにより、右手の神経が萎縮、正常な機能を失われました。子供の頃、言葉によるいじめを受けることもありましたが、家族の励ましもあり、小学校2年生から卓球をはじめました。身体のバランスがうまくとれない為、最初はボールを返球することも大変でした。小学校から大学に進学するまで3度転校するなど、その道のりは順調とはいえず、幾度もスランプもあり、熱意が消えかけたこともありましたが、恩師にめぐりあい、苦しい時期を乗り越えました。 そして、アジアカップ、アジアパラ大会、世界選手権とステージをかけあがり、今年初めてパラリンピックに出場しました。ティエン選手は予選リーグ3連勝で、決勝トーナメントに勝ち上がると、準々決勝でトルコの選手を下し、準決勝進出、メダルを確定させます。準決勝では前回リオ大会の銅メダリスト、ブラジルの選手相手に第1ゲームを先取、しかしそこから3ゲームを連取され、惜しくも決勝進出はなりませんでした。ただ、ティエン選手は台湾に今大会唯一のメダルをもたらしました。ティエン選手は、リン・ズーシュー選手と共に、TT9、TT10クラスの女子団体戦にも出場、こちらは初戦敗退に終わりましたが、2人が在籍する国立高雄大学では、パラリンピック出場を記念し、奨学金を支給すると発表しました。ティエン選手、そして、今大会はくじ運がわるく決勝トーナメントに進めなかったリン選手、2人の今後の活躍を期待したいですね。 バドミントンSU5クラスの男子シングルスにはファン・チェンユー選手が出場しました。難産の末、生まれ、その際に左肩の神経を損傷、左腕の筋肉が萎縮してしまいました。リハビリに加え、手術も複数回行いましたが、右手の正常な機能を得られることはありませんでした。しかし、ハンディにめげず、中学時代にバドミントンの魅力に見せられたファン選手は、高校時代は強豪校で、一般の選手と同じトレーニングを受け、技術を磨き、世界の舞台で活躍するようになりました。今大会は、予選リーグで、格上の日本選手を下すなど2勝1敗で準決勝に進出、準決勝と3位決定戦で惜しくも敗れ、メダルはならなかったものの、初のパラリンピックで4位という好成績をマークしました。 今大会、台湾選手団の中で最年少、19歳、競泳のチェン・リャンダー選手は運動機能障害によるSM7クラスで3種目に出場しました。生まれつき膝から下げ欠損、右手の指が三本くっついているという障害をもっているチェン選手、3歳の時に、筋肉の萎縮を防止するために、競泳をスタートすると、すぐに類稀な実力を発揮していきました。6歳の時には既に有名なスイマーとなっていたチェンさん、映画にもなり、その前向きな姿に、多くの人々が勇気づけられました。今大会は400メートル自由形で決勝進出を果たしました。 東京オリンピックでの台湾選手の奮闘もあり、例年以上に注目があつまった今年のパラリンピック、ただ、冒頭でも申し上げた通り、メダルの数という基準でみれば、今大会、台湾は、卓球のティエン選手の銅メダル1つのみでした。もちろん、メダルの数で選手の奮闘を図ることはできませんが、近年、パラリンピックでの成績はじりじりと低調となっています。こうした現状について、台湾では、選手の平均年齢の上昇、若い世代の台頭がみられないことが原因という指摘もあります。台湾のパラリンピックの選手の大部分は、競技と仕事を掛け持ちしており、関係者は、仮に障害者スポーツを競技として発展させていくのであれば、政府による強化、指導の支援のほか、トレーニング、生活費用のサポートが必要であるほか、身体障害者のスポーツ参与を促すことが必要であると指摘、仮にスポーツ人口が増えれば、潜在能力をもつアスリートが発掘され、発展は自ずと加速すると述べました。 東京オリンピックでは過去最高の成績を残した台湾、パラリンピックなど障害者スポーツも盛んになる日が来ることを期待したいと思います。...more10minPlay
August 18, 2021ようこそT-roomへ - 2021-08-18_国民の平均寿命は81.3歳、過去最長 中華民国内政部はさきごろ、台湾の人たちの最新の平均寿命を発表しました。この統計によりますと、台湾の人々全体の2020年の平均寿命は81.3歳、男性は78.1歳、女性は84.7歳で、いずれも過去最高を記録しました。また世界全体との比較では、男性は7.9歳、女性は9.7歳上回りました。ちなみに世界でも有数の長寿国である日本の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳ということですので、日本は概ね台湾よりも男女共に平均寿命が3歳ほど長いということになります。 台湾の平均寿命について、過去10年との比較をみていきましょう。10年前、2010年の平均寿命は、全体が79.2歳、男性が76.1歳、女性が82.6歳でした。ですので、概ねこの10年で、2歳伸びたといえます。 内政部はこの結果について、医療水準の向上、食品安全の重視、生活の質の向上、運動をしようというムードの高まりにより、近年、台湾の人々の平均寿命は長くなっていると指摘しました。 自治体別ではどうでしょう。直轄市と呼ばれる6つの自治体の統計を比較した場合、台北市が84.1歳で最高でした。台北市は、男性、女性の平均寿命も最高でした。2位以降は北部の新北市、桃園市、そして中部の台中市、さらに南部の台南市、高雄市と続き、北部が高く南部が低いという結果となりました。 またこれ以外の県市、自治体で、最も平均寿命が高かったのは北部の新竹市が81.7歳でした。一方、最も低かったのは東部の台東県で76.5歳でした。東部の県市の平均寿命は、西部各県市の平均寿命よりも低く、台東県、そして花蓮県と、台湾全体の平均寿命の差はそれぞれ台東県が4.8歳、花蓮県が3.9歳となっています。ただ、台東県、花蓮県と、台湾全体の平均寿命との差は、10年前の2010年に比べるとそれぞれ0.13歳、0.37歳縮まっています。 また、各県市の平均寿命について2020年と2019年を比較したところ、離島の澎湖県のみ0.11歳下がった以外、他の県市はいずれも平均寿命は伸び、中でも北東部の宜蘭県と、中部の内陸県、南投県は0.43歳アップしました。(ジングル) 台湾の平均寿命が過去最高となったこと自体は良い事だといえます。ただ、細かく見ていきますと、色々と課題もあります。一つは、「不健康寿命」も伸びているという問題です。平均寿命の統計発表を受け、この度、台湾メディアは、衛生福利部の統計をもとに、いわゆる「不健康寿命」が2019年、過去8年で最長の8.47年になったことを伝えました。 この「不健康寿命」とはなんでしょうか。これは寿命から、健康に過ごした期間、「健康寿命」を差し引いた期間を指します。具体的には、疾病や事故により身体のいずれかの部位の機能を失った状態、寝たきり、慢性病などの患者を指します。 台湾では2013年、不健康寿命が8.24年となり、以降5、6年に渡って、8.3年から8.4年前後となっていましたが、2019年、8.47年に伸びてしまいました。そして、2020年については、新型コロナウイルスの影響から、さらに伸びるのではないかとみられています。 台湾では平均寿命は年々、伸びており、健康寿命と不健康寿命も伸びています。統計の数字だけみますと、健康寿命と不健康寿命の伸びでは、健康寿命の伸びの方が大きくなってはいますが、不健康寿命も依然伸びているというわけです。寿命は伸びたけれど、そのまま健康寿命が伸びるというほど単純ではないんですね。 一人の人生として考えた場合、不健康な状態で長生きしても逆につらいともいえます。また、国や社会の影響について考えますと、「不健康寿命」が長くなればなるほど、医療や介護にかかるコスト増加という問題に直結します。 平均寿命、そして不健康寿命も伸びていることについて、中華民国プライマリーケア協会の林応然(りん・こうぜん)理事長は、「まずは医療の進歩によるものだといえる。かつては、命を落とすかもしれなかった疾病が、現在は助かるようになり、寿命が伸びた」と指摘しました。林・理事長はさらに「台湾の保険制度は素晴らしい。人々はたくさんの費用を負担せずに、命を長らえることができる」と述べました。 一方で、国立台湾大学公共衛生学部の林先和(りん・せんわ)教授は、「寿命は伸び続けている。しかし、伸びた部分については、不健康年齢が占める割合が大きいのではないか」との考えを示し、その上で「寿命を伸ばすことと共に、どのようにして健康を促進するのか、そして疾病を予防するのかについてしっかり考えていかないといけない」と述べました。 また、衛生福利部の陳時中・部長は、「不健康寿命」については、老化の緩和、防止など様々な研究が行われ、そのサービスも実践されてはいるが、こうした行動はすぐに効果が出るものではなく、一歩一歩進めていかなければならないと指摘しました。陳・部長はさらに、台湾の人々にむけ、飲食に気を配り、運動の習慣をつけること、これこそが「不健康寿命」を短くする基本だと強調しました。 平均寿命が伸びることの影響については、異なる分野の専門家からの指摘があります。こちらも紹介しましょう。国立台湾大学社会学部の薛承泰(せつ・しょうたい)教授は、少子高齢化は珍しいことではなく、西洋の国々では台湾よりも早くこうした現象が起きているが、台湾の特徴は、少子化も高齢化もいずれもそのペースがさらに早い点だとして、それゆえ、政策による対応を困難にさせていると指摘しました。 そして、台湾の経済は少なくとも全世界の上位20%に入っており、少子化、高齢化のペースを落とすことができれば、影響はそこまで大きくないが、問題は人口の構成の変化のスピードが速すぎることだと述べました。 薛・教授は、高齢者の人口比の増加により、年金改革など様々な問題が発生しているが、これは誰が悪いわけでもなく、当初、年金制度を制定した際には、人類がこれほど長生きをするようになるとは、誰も予測していなかったのだと述べました。さらに少子化問題は、介護の人的リソースの不足、若い労働人口の減少という深刻な課題を際立たせていると指摘しました。 薛・教授はそして、現在政府は、長期介護や育児子育てに対して、補助を出すことによって解決している。お金を出すことは必要だが、条件として十分ではないと述べ、国家のリーダーは、この問題に対する明確な解決方法を打ち出すべきだと希望しました。 平均寿命の伸び、プラス面だけでなく、様々な課題も見えてきましたね。ただ、日本もまた、同様の課題に直面しています。台湾と日本、双方の交流により、課題解決のヒントをみつけていって欲しいですね。...more10minPlay
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