行動の源泉は何か。……これ、今ちょっと迷ってる風に聞こえたかもしれないんですけど。マジで、迷いどころが一瞬もなくて。
ぼく、好奇心でしか動くことができない、厄介者なんです。
逆算が、どうしてもできない
これ、会社員をやるには本当に厄介で。
部署の目標があって、そこから紐づいた個人の目標があって、それに基づいて行動計画がどうの……みたいなやつ。今の仕事だと一般的な話ですけど、あれがめっちゃ苦手なんですよね。
だから働くときも、表向きの資料では「目標からの逆算」を一応やるんですけど。結局、自分の中での落としどころ——どう納得してやるか——は、「自分がこれをやってみたいから」でしかない。そこに落ち着けることを、いつもやってます。
子供の頃って、皆さんそうじゃないですか。興味のあることをやり続けてただけ。それがどこかで、中学受験とか高校受験とか、スポーツで「こうなるためには」とか、逆算する考え方を植え付けられる。もちろん、それが好きな人もいますからね。
大谷翔平さんのマンダラチャートとか、まさにそう。真ん中に「なりたい状態」を置いて、その周りに必要なことを並べて、さらにその周りに細かくやることを落とし込んでいく。あれができる才能、欲しかったのかな。……本当に欲しいかは分からないですけど。とにかく、ぼくには全くできないんです。
ただ、3時間ずっと壁当てしてた
少年時代にやってきたことといえば、野球、水泳、ピアノ。いろいろ習い事をしてて、どれもまあまあ上位というか、上手いっちゃ上手いんですよね。野球にいたっては、全国制覇したことがあるようなチームでやってた時期もあって。それなりに高いところまでは行ってるんです。
でも振り返ってみると、ライバルと切磋琢磨して、とかまるでない。「こうなるためには」と逆算して練習した記憶も、全くない。
やってたのは、小学校から帰って、ただただ無心で3時間、壁当てし続けるとか。その結果として、めっちゃ球が速くなってたりする。完全に結果論で上手くなってただけなんですよね。
壁当てなんて、人から見たら面白くもなんともないと思うんですけど。ぼくはそれを楽しめた。それはある種の才能なのかもしれません。「次はあそこに投げたい」「あそこに、こういう速い球を投げたい」って、ひたすら楽しんでました。
これ、今のプログラミングでも通じる話で。たまたま——本当にたまたま、みんなが興味を持たないところに興味が持てて、みんなが難しいとか嫌いって思いがちなところに面白みを見出して、とことんやる。結果、野球も他に比べたら上手くなったし、開発の技術も秀でたりはする。
じゃあそれをどうやって身につけたのか、というと。もう、好奇心でしかないなと。
売らないといけないのに、開発しちゃう
で、これが仕事のモチベーションの話にも、そのまま通じるんですけど。
いま自分の会社(コエノマ)でPodmateっていうサービスをやっていて。ここがめっちゃ難しいんですよ。
いちばん分かりやすいのが、売らないといけないのに、開発しちゃう。開発の方が楽しいから。興味がそっちに行くから。やりたいから。
もっと言うと、起業家的な「市場から見る」——ここの市場が大きいからやっていく、みたいな考え方。あれ、全くできないんですよね。もちろん、大きな市場そのものに興味を持った瞬間があれば、やれるのかもしれないですけど。ぼくは本当に、その思考の順番でできない。
それが、弱みであり強みなのかな、と思ってます。
父がくれた「得意なことやってた方が良くね」
あと1個だけ、余談を。
より「好奇心でしか動けなく」なったきっかけかもしれない出来事が、パッと思いつくので、それだけ喋って終わろうかなと。
大学の学科選びの話なんですけど。ぼくは工学部の物理工学系の学科に、結果的に入りました。
進路選びって、「トヨタに入りたい」「先生になりたい」みたいな、なりたい像から逆算して選ぶ人もいますよね。で、ぼくが個人的にいちばん意味が分からなかったのが、「就職率がいいから」みたいな打算的な考え方。これも悪くないんですよ。悪くないんですけど、高校生のぼくには、意味が分からなかった。
併願で理学部も受けてたんですけど、「理学部って就職あんの?」「数学とかやってどうすんの?」って、一人じゃなく、いろんな友達から言われて。(ぼくが入った工学部の物理工学は、名前こそちょっと工業寄りですけど、やってることは実質、理学部物理学科みたいなもの。結果的には理学部的なところに行ったわけです。)
それを突っぱねられたのは、そもそも意味が分からなかったから、なんですけど。
たぶん父親も覚えてないと思うんですが、こんなことを言われたんです。
車を作るにも、いろんな専門性——ゼネラリスト的な人も含めて、いろんな人が関わって1台が出てくるじゃないですか。トヨタとか日産とか、そういう会社を想像したときに。活躍の幅に多い少ないはあるけれど、自分の得意なことをやってた方が良くね、って。
物理をやっていれば、エンジンやガソリン部分の研究開発は思いっきり物理だし。ちょっと電気電子寄りだけど、EVの根幹をやるにも物理かもしれない。車全体を一人で作るわけじゃなくて、いろんな得意が重なってできてるわけだから。だったら学科や専攻も、自分の好きな範囲・得意なところをやっていけば、どこかで何らか活かして役立てるよね、と。
……こんなに熱を持って喋ったわけじゃないですよ。たぶん2、3秒レベルで、サラッと言ってくれただけ。
でもそれが、もともとぼくの中にあったかもしれない考え方を、言語化してくれたというか。後押ししてくれた感じがあって。
好奇心のままに行く方が、たぶん楽しい
それで、うまくいってるというか——うまくいってるのかは分からないですけど、ぼくの感覚で「うまく生きてこれてる」ところがあるから、続けてる。だから、そういう行動の源泉で落ち着いてるのかもしれないな、と思ってます。
結局ね、理系的な就職はせずに、ベネッセコーポレーションで編集者をファーストキャリアに選んでるので。外から見たら「全く活かしてない」ように見える就職もしてるんですけど。その辺の話は、また別途できれば。
一言で言うなら。そういう選択も含めて、好奇心が赴くままに行く方が、絶対に楽というか、楽しいよね、っていうところですかね。
そんな5回目でした。もう30後半になるんですけど、「それでもうまくやっていく力を身につける」みたいなことは、20代後半くらいからの、この10年のテーマだったのかもしれません。
この番組は、ゆとの隣で、ドライブしながらマシンガントークを聞いてるとか、散歩しながらちょっと長めのぼくのターンを聞いてる、くらいの感覚で聞けるラジオです。ちょっとでも「また聞いてやってもいいぞ」と思ってもらえたら、フォローや、Apple Podcast・Spotifyの星5レビューをしてもらえると、めっちゃ励みになります。
お便りフォームも用意予定なので、概要欄をチェックしてみてください。Spotifyの方はコメントもできます。ではでは、また。
This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit utoc11.substack.com