オープニング~空調服を着て、うなぎのことを考える夏~
というところから始まった今回は、なぜか「疲れないためには、力を入れるところと入れないところを決めたほうがいい」という、わりとちゃんとした話になります。
カインズ、ワークマンを経由し、最終的に作業服屋さんでいろいろ試着した結果、バートルの空調服を購入。スーパーの地下食品売場に入ると、服の中に冷気が送り込まれて最高らしい。見た目はビバンダム君とか北斗の拳みたいになりますが、涼しいので問題ありません。
その後は静岡で食べた寿司から、「大人になるとマグロ丼という単色の選択をしなくなるのではないか」という、よく分からない大人論へ。
さらに、自炊したカレーにウインナーを入れると、カレー全体がウインナー味に支配されることを発見します。シャウエッセンは強い。
食べ物の話をしているようで、ほぼ「夏をどうやって乗り切るか」の話です。
途中からは、歯が抜けたらどうする、頭ごと取り替えればいい、アンパンマンの身体にメロンパンナちゃんの頭は装着できるのか、ジャムおじさんはそのあたりをきちんと検証しているはずだ、という話になります。
コーナー『今日の士郎』『旅先の知恵』 豪華なホテルより、浜辺の鍋がうまそうだ
今回取り上げるのは『美味しんぼ』の「旅先の知恵」。
東西新聞文化部の社員旅行で、一行は伊豆の架空の温泉地「白川温泉」へ向かいます。
ところが、ライバルの帝都新聞は巨大なトロピカルホテルで豪華な宴会。一方の東西新聞は昔ながらの民宿です。
しかも、その日の魚はホテル側にほとんど買い占められていて、民宿には肝心の海の幸がない。
そこで登場するのが、電車の中で山岡と酒を飲んでいた漁師のマッサン。
高級魚ではなく、その辺で獲れた小魚やワカメ、野菜を酒と味噌で煮て、みんなで浜辺を囲んで食べる。
考えてみれば、この回は「高級なものより素朴なもののほうが美味しい」という、いつもの『美味しんぼ』的な話だけでもありません。
トロピカルホテルと民宿。巨大資本によるリゾート開発と、そこに昔からある土地の暮らし。
放送当時なら、おそらくホテルのほうが「新しくて豪華」だったはずです。でも2020年代の私たちから見ると、むしろ古い民宿で、浜辺で鍋を作ったり、竹林で掘ったばかりのタケノコを刺身にして食べたりするほうが、ずっと贅沢に見える。
あと今回は、トミーこと富井副部長がかなり主役です。
魚が出ないと知って泣き、浜鍋を食べて機嫌を直し、ライバルに一言余計なことを言う。
漫画とアニメの違いも見ていきます。アニメではお風呂のサービスカットが追加され、漫画で「赤板」だった帝都新聞の人物は「赤坂」に変更。
そしてマッサンが持ってきた鯛を、玄関に「ドチャッ」と置く。
食のうんちくより、旅先で何をどう食べると楽しいのか。
タイトルの「旅先の知恵」は、案外そこなのかもしれません。
エンディング~136話をやり終えるまで、なるべく死なない~
『出没!アド街ック天国』の映像を見て、元気だった頃の姿がまだ普通に残っている。
当然ですが、人がいなくなっても、映像や音声は残ります。
山田五郎さんが最後まで番組を続け、『メメント・モリ』について話して終わったことから、話はだんだん「自分たちはどう終わるのか」という方向へ。
「『美味しんぼ』136話をちゃんと全部やってから死のう」
かなり小さなメメント・モリですが、私たちにはそのくらいがちょうどいい。
ただ、人間はいつどうなるか分からないので、後継者も決めておいたほうがいい。ということで、娘にこの番組を継いでもらえばいいのではないか、という話まで進みます。
番組というものは、始めるより、続けるほうが難しい。
でも「永遠に続ける」と考えると嫌になりますが、「あと何話」と考えれば、少しだけ現実的になります。
そこまでは、うなぎでも食べながら生き延びたいと思います。