今回の特集は、ソフトウェアエンジニアの皆さんが見逃せない Google I/O 2025 の AI 関連発表です。
Google が Gemini AI をあらゆる製品に統合しようとするその驚異的な勢い。月間トークン処理量 480 兆、開発者数 700 万人超え と、まさに AI がエコシステム全体に急速に組み込まれています。
このエピソードでは、特にエンジニアに関係が深い以下の発表を深掘りします。
•Gemini モデルの進化：コーディング支援が大幅強化された Gemini 2.5 Pro や、速度とコスト効率を重視した 2.5 Flash。ネイティブ音声出力、セキュリティ強化（プロンプトインジェクション対策） といった新機能に加え、PC操作を自動化するプロジェクトマリナーや、複雑な推論のためのディープシンクモードといった実験的な機能 も登場しました。これらの基盤モデルの多機能化は、開発の可能性を大きく広げます。
•Android XR：Gemini 時代の XR プラットフォームとして、スマートグラスやヘッドセットに AI を搭載し、ユーザーが見るものをリアルタイムで理解・サポートする未来。サムスン、クアルコムに加え、ファッションブランドとの連携 や、現実世界の字幕のようなリアルタイム翻訳、ハンズフリー操作 といったユースケースが示され、エンジニアにとっては新しいアプリやインタラクションを考える絶好の機会となります。
•新しい生成 AI ツール：画像生成の Imagen 4 が 2K 解像度に対応。そして特に画期的なのが、音付き動画生成を可能にした Vio 3。街の音や人物の会話、物理法則やリップシンクまで自然に再現します。これらの生成 AI は、AI 映像制作ツール「Flow」 などで利用可能になります。
•検索・Gemini アプリの進化：より複雑な質問に答えるディープサーチ や計画立案 を可能にする検索の AI モード。Gemini アプリでは、カメラ/画面共有機能が無料化、PDF や自分のファイルを分析するディープリサーチ、簡単な指示でアプリの骨組みを作るバイブコーディング など、タスク実行支援 やアイデアを形にする支援機能 が強化されています。
これらの発表は、単に新しいツールが増えたというだけでなく、Android XR のような新しいプラットフォーム の登場、そして AI がよりパーソナルで能動的に動く 形に変わっていくことを示唆しています。AI が OS レベルや日常的に使うアプリに深く組み込まれる未来 において、ソフトウェアの基本的な作り方や、エンジニアに求められるスキル はどう変わるのでしょうか。特に、ユーザーの意図を汲んで自立的にタスクを実行するエージェント的なソフトウェアの可能性 について、あなた自身の専門分野でどんな応用がありそうか、ぜひ一緒に考えてみましょう！
