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今週は、ずっと頭が痛かったです。
火曜も、水曜も、木曜も、発信しようと思っても気分が乗らない。
時間だけが早く過ぎていく。
夏バテと言ってしまえばそれまでなんですけど、たぶん違います。
AI疲れです。
というより、デジタル疲れ。
AIを使えば楽になる。
自動化が進んで時間が余る。
そう思っていましたけど決してそんなことはないですね。
できることが次から次に増えて、やることが増える。
手は動かしていないのに、判断する作業だけが積み上がっていく。
どこまでもいけてしまうから、どこまでも判断しないといけない。
僕自身のトークン切れ、みたいな感じでした。
目の奥が痛い。
昨日はFableをほとんど使いませんでした。
今朝がリセット日だったのに、30パーセントくらい残したまま流してしまった。もったいなかったです。それでも一回抜かないとダメだと思って、スマホも半日触らないようにしました。
何も考えない。
外に出る。
歩く。
飲む。
風を感じる。
そういうアナログなことを入れていかないとまずいな、と思った一週間でした。
久しぶりに紙の本を読みました。
朝、イオンの開店と同時にダッシュして、
本屋まで走って、おばちゃんと競り合いながら一冊を取りました。
中村晃選手の本です。
福岡ソフトバンクホークスの、今季限りでの引退を発表したプロ野球選手。
僕は12年、プロ野球の現場で取材をしてきたので、接したこともある人です。
読んで驚いたのは、ほとんどが弱さの告白だったこと。
隠したいこと。
知られたくないこと。
自分の中の黒歴史。
そういうものを、赤裸々に書いている。
しかもかなり昔まで遡って、
これは知られたくないだろうなというところまで書いてある。
自分の醜い部分、と言ってしまってもいい。
生々しい。だからページが進む。
面白かったです。
やっぱり僕は、単純に、人間が見たいんですよね。
うまくいっていない顔、言葉にこそ価値がある。
これは仕事でずっと感じてきたことなんですけど、
うまくいっていない人の顔と、うまくいっていない人の言葉には、
ものすごい力が宿ります。
世の中の大半の人が、何かしらうまくいっていないからですよね。
そして、うまくいっている人に憧れるからですよね。
弱さを出せる人は魅力的だし、ファンがつくし、その人の言葉が重い。
ただ、撮る側からするとこれが一番難しい。
うまくいっていないとき、カメラは基本的に嫌われます。
まず、撮らせてくれない。
でも腹をくくっている人は、関係なく出す。
出すことの価値を、ちゃんと理解している。
それは強いですよ。
もうめちゃくちゃ強い。
ブランドになります。
いいディレクターというのは、その一見隠したくなる嫌な部分を、
人間らしさとして撮れる人のことです。
いかに撮れるか。いかに撮らせてもらえるか。
いかに納得してもらえるか。ここがコンテンツの良し悪しを分けます。
早さも、正確さも、情報を正しくパッケージして届けることも、
全てはAIが人間を上回ります。
とても人間には敵わない。
だけど人間の生々しさは、
人間にしか表現できない。
なぜなら大半が「不完全」だから。
AIが素通りするような、「未完成部分」だから。
普通の会話でも同じ。
自分の失敗とか、弱さとか、しょうもなさを話してくれる人にこそ、
人は心を許す。
こんなミスがあって、という話を本人がひたすら隠していて、
でも周りの全員が陰でその話をしている。
この状況は地獄です。
ひた隠しにするほど、悪口を言う人の、ご馳走になってしまうんです。
自分で言えてしまったほうが絶対に楽だし、
人間関係もずいぶん楽になる。
しかも弱さやミスは共感を生むし、誰かの役に立つ財産に変わる可能性すらある。
弱さをコンテンツにできる人は、本当に強い。
と言いつつ、僕はなかなか出せていません。
コンテンツがない、ネタがない、と言いながら、
そこでブレーキをかける自分がいる。
まだまだ修行が足らないですね。
▼話している人
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)
福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。
▼お仕事のご相談(映像制作/AI導入・活用の伴走/講演・研修)
K-studio のホームページから
▼SNS
X(日々の気づき)
X(@kenshi_story)
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▼この番組について
「結果を残した人は、どう自分を更新し続けるのか。」
テレビ局で12年、スポーツ中継とドキュメンタリーを作ってきた映像ディレクター・内藤賢志郎が、アナログな現場仕事とAIのリアルな付き合い方を話す番組です。
#アナログ人間のAIアップデート論
僕は、サブスクの解約ができない。
解約・退会にたどり着くまでの迷路を、抜け出せない。
だから嫌いだった。
嫌いだから継続した。
見もしないアプリに、金を払い続けた。
それくらい、昨今のサブスクは、退会しづらい。
だから諦めて、継続課金。
この意味のない現象に、昨日終止符を打った。
救世主は、Claude Codeだ。
静かに出ていく無駄金
サブスクを始めたのは2年前。
30代なのに、登録するのがずっと怖かった。
始めたら始めたで、勢いで入って使っていないものが増えていく。
映像系だけで、
U-NEXT、J:COM STREAM、Netflix。
3つも要らない。
わかっているのに、やめられない。
解約ボタンまで行き着かせない。変なページに飛ばされる。そもそも「解約」という言葉が出てこない。
めんどくさくて解約やめよ、と思わせて継続課金させようとしてる。
そんなことはわかってる。
そして抜け出せない。
Amazonのアカウントを2個作っていた。
致命的なミスだ。
フルネームのやつと、苗字だけのやつ。過去の自分は入っているのを忘れて、もう1個作ったらしい。
グーで殴りたい。
Geminiもしばらく使っていなかった。
やめたいけど、Googleワークスペースごと消えたら嫌だなと思うと、手が打てない。
あれ?そもそもGoogleワークスペースとGoogleAI Proの違いって何だっけ????
素人の疑問で、手が止まる。
誰にも聞けない。全て自分が悪いのだから。
そうして金が、毎月、静かに出ていく。
棚卸し
昨日、Claude Codeにこう打った。
「今、私が契約しているサブスクの中で、不要なものを解約しといて」
指示は、これで全部だ。
というより、尻拭いをぶん投げた。
Claude Codeは、僕のGmailを読みに行った。
事前にMCPで繋いであるので、
各サブスクから届く請求書や領収書のメールが読める。
契約中のサービスが、一覧で出てきた。
Suno(曲を作るAI)。Canva。Google AI Pro。
僕がしばらく使っていないことは、履歴でバレている。
AIが言った。
「これ、要りますか。要らないと思いますけど」
Canvaは、革命だと思っていたツールだ。
名刺のデザインも作った。
ショート動画も作った。
ほんとにいろいろ、Canvaだった。
でもClaude Codeを使うようになって、開かなくなった。
迷わず切った。
残すものも決めてくれた。
freeeと、
Googleワークスペースと、
Netlify。
仕事で使っているものは、残る。
そして、あの疑問。Google AI Proとワークスペース問題。
こちらも「Google AI Pro解除が正解」
そう言われた。
僕のやり場のない怒りが、一瞬で流れていった。
人間の意地悪
ここで、試した。
Sunoは、すでに手作業で解約してあった。
それを黙って「Sunoもやめといて」と言ってみた。
どこまでこいつ、わかってんのかな、と。
嫌な先輩である。
即答だった。
「Sunoはすでに停止しています。6月以降、領収書メールも届いていません」
はい、正解。すげえなお前。
CanvaとGoogle AI Proは年間で払ってあった
「解約しても、残りの期間は使えます」。
放っておくと勝手に更新される。だから今、止めるべき。
万が一、Google AI Proを続けるべき理由も、
向こうから挙げてきた。
Veo 3(Googleの動画生成AI)で動画を作る予定があるか。YouTubeを広告なしで見たいか。ドライブを5TB使う予定があるか。
これらを満たさないなら即解約、と。
「あ、あ、ありがとうございます!!!!」
あとはAIが僕のパソコンのブラウザを開いて、
解約ページを進んでいった。ログインだけ、僕が入れる。
前からやめたかったJ:COM STREAMも、一発だった。
僕は、何もしていない。
偉そうに指示して、意地悪しただけである。
月1,000円、2,000円。
いやもっと、年間数万円レベルの節約に成功した。
本質は金額じゃない
「わからない」を理由に、払い続けていたことが嫌なのだ。
人は本来、わからないものに、払い続けるのがストレスなはずだ。
税金がそうであるように。
AIは仕事が楽になるとか、効率化とか、そっちばかり語られる。
僕もそう話してきた。
だけど昨日のは、違う。
「パソコンがよくわからないから、進まない」。
こうした生活の詰まりが、一瞬で改善されただけだ。
こういう詰まりは、きっとまだある。
年代問わず、誰しもが持っている。
お年寄りやPC苦手な人たちが、
そんなことで貴重なお金を払ってはいけない。
AIは、生活を豊かにするためにこそ使うべきである。
**この番組について**
「結果を残した人は、どう自分を更新し続けるのか。」
テレビ局で12年、スポーツ中継とドキュメンタリーを作ってきた映像ディレクター・内藤賢志郎が、アナログな現場仕事とAIのリアルな付き合い方を話す番組です。
#アナログ人間のAIアップデート論
**話している人**
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)
福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。
映像制作/AI導入・活用の伴走/講演・研修のご相談は
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「今週の育児の達成率、95%以上です」
土曜の朝、そう言われた。
最近A Iエージェント秘書を雇った。
雇ったというより、作った。
GoogleカレンダーとClaude Codeを繋いで、
自分の予定の達成度が週末に返ってくる仕組みを構築した。
終わった予定は、グレーになる。
そのグレーの量をAIが勝手に集計して、通信簿にして返してくる。
Gmailの受信 返信状況も見てくれる。
仕事の進捗状況を、網羅しているのだ。
文明の進化に感動した。
と、同時に、
「あぁ、俺はひとりで仕事するのが寂しいのか」
と、呆れてしまった。
会社を辞めて、4ヶ月。
誰も自分を採点などしない。
頑張ってるのか、サボってるのか?
その道は正しいのか?逸れてるのか?
教えてなどくれない。
それでいい、そういう働き方を選んだ。
だけど、
フィードバックは、実は嬉しい。たとえ嘘でも。
別に間違っててもいい。勝手に評価してくれていい。
通信簿をもらえている感じが、ただ新鮮なのだ。
10秒で終わることが、一番できてない
返ってきた数字が、思っていたのと違った。
一番できていたのは、育児。達成率95%以上。
(妻の評価は40%以下だと思います。)
でも、95%って数字で出されたら「俺やれてるかも」って思う。
嘘でも、この効果は意外だった。
逆に、まったく届いていない項目があった。
映像編集でも、資料作りでもない。
発信だ。
notesやXの短文、1日5本投稿。
一本当たり、平均時間10秒。
10秒で終わることが、一番できない。
あらゆる理由をつけて、
脳がやらない方向へ向かっていく。
誰も見ていない。
誰にも怒られない。
そんなことから順に、人は自分に負けていく。
進歩したのか、自分に嘘をついたのか
面白い話がある。
友人の青野さん(株式会社Benten) の知り合いに、
毎日、音声で自分のログをAIに取らせている人がいるらしい。
その理由がおもしろかった。
「自分が嘘をついていないかチェックしてもらうため」
AIの使い方として、面白いのは実はこっちだ。
過去の自分の会話を覚えたAIは、その矛盾を的確についてくる。
例えば、
「何月何日の誰々さんとのミーティングでこう言ってましたけど、
今言ってることは矛盾します」
という具合に。
的確に詰められる。どっちなんだと。
これは、自分自身がアップデートするチャンスだ。
自分の考えが変わって進歩したのか、(これならOK)
それとも自分に嘘をついていたのか。(これはダメ)
青野さんの考察は、そこからもう一歩先をいく。
「進歩したって思いたい、っていう歪みもありそう」
お金稼がなきゃ、みたいな感じになった時とかって、
マジで思考がブレてるのがわかる。
過去に自分が発した発言を、平気で覆してる自分がいる。
こういう時は目先の利益に飛びついている時だ。
だから今では一歩日引いて、考える。
この自制と自省の時間を、AIがくれるのだ。
焦っている自分をデータで見せられるのは、正直きらいだ。
見えなかった頃のほうが、気分は良かった。
でも自分自身をアップデートしたいなら、
ここから逃げてはいけない、と思った。
未来は、採点してくれない
青野さんが最後に言ったことが、この日いちばん残った。
「過去をロジカルに振り返ってくれるのはAI。
でも未来をどうしようかとなった時は、自分の意思だ。
ログを取っていると、余計そう感じる」
僕がこの4ヶ月、AIに渡してきたものも、全部そうだった。
例えば編集判断。
どこを切ったか。
なぜ切ったか。
どういう順番で並べたか。
渡せたのは、過去の判断だけだ。
次に何を撮るかは、通信簿に書いていない。
提案はしてくるけれど、判断までは渡さない。
来週の土曜も、また点はつく。
焦っていた週かどうかは、そこで分かる。
分かったうえで決めるのは、まだ僕の仕事だ。
💼 映像制作・AI活用のご相談はこちら
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「この中から、一番自分らしいナレーションを10個挙げて」
自分が作ってきた映像作品のURLを、
Claude Codeに読み込ませて、こう頼んでみた。
僕自身は、10個も答えられない。
作った本人なのに、10分もらっても無理だと思う。
AIは、5分以内で出してきた。
30分以上ある映像作品のひとつから、
ランキング付きで10個。
読みながら、焦った。
間違いない。合っている。
これはかつて私が深夜に一人で頭を悩ませながら
採用したフレーズだ。
ナレーションは、誰も教えてくれない
今年の3月まで、福岡のテレビ局でディレクターをやっていた。
地方局の現場で、12年。
その12年間で、
ナレーションの書き方をしっかり教わることが、ほぼなかった。
完全独学。見て盗む。
VTRの半分、もしくはそれ以上、ナレーションで伝えているのに、
そのクオリティは完全に個人に属している。
言い換えればディレクターの個性そのものだ。
じゃあ、自分はどうなのか。
12年やって、自分の癖を言葉にしたことが、なかった。
野球ニュースの言い回しは、当時全局の野球ニュースを
2年間自力で文字起こしして、巨大なエクセルファイルを作ったが、
「胸を打つ、核心をついたいい感じのナレーション」は、
制作過程で出会えるかどうかの「運ゲー」だった。
しかも忘れていく。
自分の癖を、AIに教わった
出てきたのは、ナレーションだけじゃなかった。
インタビューの並べ方。
ナレーションとインタビューの比率。
文章がわかると、構成までわかる。
字幕の癖も言い当てられた。
白文字に、黒縁。画面中央の下。
発言のテロップは、内面が浮き彫りになる「決意」の部分にだけ付けている。
文章の核になる一部分だけ、色を変えている。
全部、言われて初めて「確かにそうしてる」と思った。
カットの長さも、喋り終わってから何秒で切っているかも、見ていた。
できないこともある。0.5秒(15フレーム)単位の正確なカットの尺はまだ測れない。グレーディング(色の調整)とBGMの曲名はお手上げ。
ただ、ここも時間の問題だと思う。
この時点で僕は鳥肌が止まらなかった。
脳から消える前に、取り出せ!
種明かしをすると、
この4ヶ月、地味なことをやり続けていた。
映像を見ながら、AIに喋りかける。
いいと思ったシーンを、なぜいいのかまで言って聞かせる。
誰が写っていて、何秒使いたくて、どれくらいの熱量で使いたいのか。
それを、657回。
AIが見ていたのは、映像だけじゃない。
657回分の、僕の判断だ。
過去自分がいたテレビの世界は「背中を見て盗め」で回る世界。
先輩の頭の中を、想像するしかなかった。
じゃあどこまで盗めたかと言われると、
自信はあるようで、ないかな、というのが正直なところ。
人間は忘れる。
30代でも、容赦無く。
前の番組でできていたことが、できなくなっていたりする。
僕の12年分も、僕が忘れた時点で消えるはずだった。
それが、取り出せたのである。
保管できて、次の仕事のときに、過去の自分が働いてくれる。
それ、AIに作らせて楽しいの?
引っかかりもある。
ナレーションを考えて頭を抱える時間は、この仕事の面白い部分でもあった。
それが一撃で出てくるようになって、嬉しさと同じぶんだけ、複雑だ。
ただ、ひとつだけはっきりしていることがある。
AIが出してくるナレーションの文言は、もともと僕が書いたものだ。
過去の自分の言葉から選ばれて出てくる。
だから、AI臭くならない。ここは大事なところ。
AIに創作させたんじゃない。
過去の自分の判断材料を、提示させただけだ。
クリエイティブに踏み込まれた、というより、
過去の自分に手伝ってもらっている感覚に近い。
やり方は一瞬で広まる。それでいい
このやり方は、多分すぐ広まる。一瞬だと思う。
調べてみたら、日本語でも英語でも、同じことをやっている人はまだ見つからなかった。
それでも、広まる。
あまりに手軽な革命だからだ。
手順で差はつかない。
差がつくのは、読み込ませる積み上げがあるかどうか。
積み上げた人間にしか、AIの便利さは享受されない。
アナログでしっかり作ってきた人、
自分の編集理念や哲学を持っている人ほど、AIで強くなる。
社長の判断も、職人の勘も、同じように取り出せる。
その価値に気づいている人と、僕は仕事がしたい。
話している人
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)
福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。
▼お仕事のご相談(映像制作/AI導入・活用の伴走/講演・研修)
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▼この番組について
「結果を残した人は、どう自分を更新し続けるのか。」
テレビ局で12年、スポーツ中継とドキュメンタリーを作ってきた映像ディレクター・内藤賢志郎が、アナログな現場仕事とAIのリアルな付き合い方を話す番組です。
#アナログ人間のAIアップデート論
4ヶ月分の感動は、伝わらなかった
3月末に会社を辞めて、4ヶ月。
仕事はパソコンで完結するし、育児もある。
したがって家族以外と喋る機会が、激減した。
だから人に会う機会があれば、
いま自分がやっていることを聞いて欲しくなる。
聞かれてもないのに。
先日は、テレビ業界の方と2時間近く。
画面も見せた。自分で作った編集ソフト。
被写体の名前を押すと、
僕が「これはいい」と思った素材が83個、ぶわっと出てくる。
だけど、
反応が良かったのは、経費と帳簿の話だった。
「自動でやってくれますよ」
「マジで?」
身を乗り出してくれる。
そりゃそうだ。楽になるから。
でも、本当に驚いて欲しいのはそこじゃない。
一番一生懸命話した、編集判断をログとして貯める話。
そっちの反応はというと、、、
「それをする意味、何なの?」
「一回全部自分で見てるんだったら、全然早くないじゃん」
その日の夕方、帰りながら思いのほか凹んでた。
伝わらなかった。
理解されない。
軽く自信をなくした。
伝える仕事をしてたのに。
入り口は効率化でいい
「相手の言葉に翻訳しないとAIの価値は伝わらない。
そこを超えていかないと、AIは厳しいと思ってる人の心は動かない」
これはAIとか、そういう話じゃなくて、もっと本質的な話。
自分は「効率化」を前面にAIを語ることが嫌いだ。
何か失うものの方が多い気がして。
手帳に書いてた予定を、
Googleカレンダーに取って代わられることで、
僕は「書いて覚える」という文化を一つ捨てた。
それはなんか嫌なんだよな。
自分の見えない価値や判断を資産としてAIに渡す。
それによって自分自身をアップデートする。
これがテレビ局を辞めて、真っ先に自分が取り組んだこと。
この4ヶ月映像の仕事をほとんど断ってでも、時間をかけたこと。
効率化だけで、話が終わって欲しくない。
でも、良さを知ってもらうのが目的だったら、
「一発でできます」
を見せた方が、はるかにコストは低い。
自分の理想を語ったところで、
「吹き込んでる時間があったら、編集した方が良くない? 」
「一回全部自分で見てるんだったら、全然早くないじゃん」
こうなるのは当たり前のことだった。
アナログな会話が結局大事ですよ
人の話を聞くのは、12年やってきた仕事だ。
取材のときは、いまでも聞ける。
でも自分の話をしているときは、
相手の声は実はほとんど聞いていないのだ。
喋りたいことを喋っていると、相手の言葉が耳を素通りする。
僕は「編集判断のスキル化」の価値をずっと言い続けていた。
これはAIだけでは再現できない。
ディレクター一人一人の思考や価値が乗り移る素晴らしいものだと。
でもそれを相手の言葉に翻訳する術を持っていなかった。
自宅でAIばっかり触っていても、
例え情報や効率化に感動を覚えても、
誰かに伝える
この価値を決して忘れてはならないとおもった。
▼ゲスト
青野さん(株式会社Benten/元Google)
会話ログ・コミュニケーションログを活かすAIの会社をやっています。青野さんへのお仕事のご相談はこちら
株式会社Benten(青野さんの会社)
▼話している人
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)
福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。
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「結果を残した人は、どう自分を更新し続けるのか。」
テレビ局で12年、スポーツ中継とドキュメンタリーを作ってきた映像ディレクター・内藤賢志郎が、アナログな現場仕事とAIのリアルな付き合い方を話す番組です。
#アナログ人間のAIアップデート論
▼今回の話
・テレビの会議は中身の議論100、届け方の議論1。電波が勝手に運んでくれる環境で、僕は12年「作る」だけをやっていた
・「いいものを作れば見てもらえる」を盲信できた理由。視聴率が低くても、給料は下がらない
・同じ内容なのに、Instagramで反応1位、Facebookだと10。Xでビュー50、Threadsだと数千。媒体ごとに住んでいる人が違う
・note約90本のリンク貼り替え、1本ずつ手でやるのが嫌で放置していたら、Claude Codeが全記事自動で直してくれた。その間、僕は皿洗いと風呂掃除
・繰り返し作業はAIに渡して、人間は「いいものを作る」に戻る。この両立の形が、ようやく整ってきた
・「わかんないやつはわかんなくていい」と半ギレしながら作る脳みそを、変えないとまずい
あなたが今「伝わらないな」と思っているもの。それは本当に中身の問題ですか。届け方に問題はありませんか。このメールにそのまま返信で、ぜひ教えてください。
▼話している人
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)
福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。
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「結果を残した人は、どう自分を更新し続けるのか。」
テレビ局で12年、スポーツ中継とドキュメンタリーを作ってきた映像ディレクター・内藤賢志郎が、アナログな現場仕事とAIのリアルな付き合い方を話す番組です。
#アナログ人間のAIアップデート論
どの会社にも「あいつは仕事ができる/できない」というラベル貼りがある。判断すること自体はいいんですが、そこで思考が止まっている気がしていて。できる人には、できるなりの理由がある。その人の脳内、日々の会話、下している判断に、ヒントが全部ある。なのに、誰も覗けない。だから「盗め」と言われても、何を盗めばいいのかが曖昧なままになる。
その会話と判断をログで貯めて、マークダウンで保管して、判断軸をClaude Codeにスキルとして読み込ませる。エース級の人の脳みそは、会社の資産として留めておくべき。これが今日いちばん言いたかったことです。
前半は、7月から始めたGoogleカレンダーとClaude Codeの連携の話を5分ほど。「朝7時から8時は子どもと朝ご飯、平日全部」と喋るだけで予定が入って、10分前にスマホに通知が来ます。『幸福論』で読んだ、やり残しを翌日に持ち越すとその日一日のパフォーマンスが落ちる、という話も。卵を買う、水を買う、歯医者に行く。それくらい小さくていい。
▼今回の話
・10人いたら「できる」と言われるのはマックス2〜3人。だいたい2割。僕はそこに入れなかった側
・できる側=編集を上げるのが早い/ミスが少ない/質が高い。できない側=仕事が遅い/連絡不備で共有できない/VTRの構成がぐちゃぐちゃ
・「盗め」と言われても、何を盗めばいいのかが曖昧でアバウト。理由は全部その人の脳内にあるのに、誰も覗けない
・できる人の日々の会話と判断をログで貯め、マークダウンで保管し、Claude Codeでスキル化して会社の資産に残す
・できる人はいつか異動・退職し、現場のプレイヤーではなくなる。「あいつがいたから回ってた」で終わらせない
・前半5分はGoogleカレンダー×Claude Code。「朝7時から8時は子どもと朝ご飯」と喋るだけで平日全部に予定が入り、10分前にスマホへ通知
あなたの組織にも「あの人にしかできない」と言われている人が、たぶんいます。その人の頭の中は、言語化されていますか。このメールにそのまま返信で、ぜひ教えてください。
▼話している人
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)
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#アナログ人間のAIアップデート論
2回目のゲスト回。
高校野球部の同級生で、元Google、株式会社Bentenの青野紳三郎代表と、お互いのAIの使い方を話しました。
▼今回の聴きどころ(4トピック)
* 「AIの本丸は、効率化じゃない」 元Googleが言い切った、本当のインパクト
* 「俺の脳、8割再現できる?」とAIに聞いた 答えは”構成は7割、でもあと2年”
* マイクを配るだけで、喋ったことが資料になる 資料づくりの徹夜が消える日
* AIに渡せる8割と、渡せない2割 言語化できれば、仕事は人にもAIにも渡せる
* 編集ソフトを自作した元テレビ局員 3ヶ月で657本、AIに”編集の型”を教え込んだ
記事はこちら
僕はテレビ局にいながら、
実は編集ソフトを、ちゃんと使いこなせていなかった。
自作の編集ツールに、一番驚いた
テレビ局で12年、映像を作ってきた。
でも白状すると、編集ソフトをちゃんと理解しないまま使っていた。
プレミアも、ダヴィンチも、必要最低限のボタンだけ。
「これで編集できればいいや」で、深く学ぶ気にもならなかった。
局にいたって、全部を完璧に把握しているディレクターなんてほぼいない。
だから、AIと映像制作を始めたとき、
最初に驚いたのはそこじゃなかった。
編集ソフトが、自分で作れたこと。
「え、何それ」。
プレミアを使う、しか発想がなかった僕が、
自分専用の編集ツールを作ってしまった。
ボタンの位置も、
欲しい機能も、
見にくいレイアウトも、
全部自分仕様に作り変えられる。
従来のソフトを使うときにずっと抱えていた不満が、
丸ごと消えた。
作業に入る前にまず、そこにビビった。
AIが「自分の型」を覚えて、構成を返してくる
次に驚いたのは、AIが僕の喋ったことを覚えていたこと。
映像素材を前に、僕はいつも独り言みたいに喋っている。
「このシーンがいい。こういう理由で。自分ならこの15秒から30秒を使いたい」。
編集ソフトでカタカタ抜き出しながら、その理由づけをずっと口に出す。
それを続けていたら、AIが学んできた。
「あなたはこういう思考だから、こう組み立てたらどうですか」と、
構成まで提案してくるようになった。しかも精度が高い。
映像制作で一番時間がかかるのは、構成を立てる作業だ。
バラバラの素材を、人が見られるレベルまで組み立てる。
これはセンスの一言で片付けられてきた部分で、
できない人は何年経ってもできない。
40歳になっても50歳になってもできない。
それを、AIが代わりにやってくる。
もちろんそのまま採用はしない。
「違う」「そこは違う」と言って、一緒に練り上げる。
こんな編集の形は、初めてだった。
効率化するつもりで始めたのに、気づいたら
「自分がどういう視点で編集していたか」が言語化されていくほうが、
楽しくなっていた。
良き理解者。
サポート役でも壁打ちでもなく、
自分の考えをすり込んで、そのプロセスごと真似てもらう。
8割再現できる日は来るのか、と聞いた
ClaudeCodeに聞いてみた。
「俺の脳みそ、どのくらい再現できてるの」。
体感で、いまは2〜3割。
「じゃあ8割9割になる日は来るのか?」と聞いたら、
返ってきた答えは「ジャンルによる」だった。
構成を組み立てる部分「あなたならこう番組を作るだろう」は、
もう7割まで来ている。
でも、何の情報もない30分40分の素材から、
必要なシーンを秒単位で抜き出す部分は、あと2年かかる、と言われた。
なぜ2年なのか。
いまのAIは音声中心で拾っているから、
喋っていないけどいいシーンを見落とす。
なんてことないカットが文脈の中で生きてくる、伏線みたいなシーン。
それを拾うのは、まだ難しい。
でもそこは、人間が機微を察知する侘び寂びの部分だ。
だから人間がやるべきこと、渡すべきところじゃないように思う。
大量の素材から候補を絞り込むのはAIが得意で、
最後にいい悪いを選ぶのは人間。
どっちがいいかじゃなく、協業するといいものが生まれると
信じてやったほうが、きっといい。
PDF一枚で、出戻りが消える
もう一個、すごいと思ったことがある。
タイムラインに並べた映像クリップを、
AIが読み取って一発でPDFの構成資料にしてくれる。
何秒から何秒でこの内容、というのがズラーッと出る。
これがマジでデカい。
「今どんな感じで編集進んでるの?」。
ディレクターはいつも上からのこの言葉に怯えている。
プロデューサーなのか、クライアントなのか。
これまでは、出来上がった30分の映像を見てもらうか、
口で「こう繋いでます」と説明するか、どっちかしかなかった。
だから情報共有がうまくいかず、
蓋を開けたら「思ってたのと違う」とやり直しになる。
「なんでこのシーンが長いの」
「もっとこの人を立たせろよ」。
ざっくりしたダメ出しが返ってきて、やり直して、また時間がかかる。
この出戻りが、動画編集のロスの原因の一つだ。
何ターンもダメ出しが往復して、
最終的にディレクターが「これもう俺が作ったもんじゃねえな」で納品することも、普通にある。
秒単位の構成が先に共有できたら、それが減る。
これはみなさん、マジでおすすめ。
オフライン編集は、自分のPCに隠しておくものじゃない。
共有できる人に、さくっと共有して、もっと議論をするべきだ。
マイクを配れば、喋ったことがソフトになる
ここからは、青野さんの話。
元Google、いまはAIと会話ログの会社をやっている。
彼が「AIの本丸」と言ったのは、効率化じゃなかった。
「自分一人が効率化するかどうかって、
事業や組織のインパクトとしては正直少ない」。
そう言い切った。
本当にインパクトがあるのは、
これまでやりたくてもやれなかったことができるようになること。
たとえば、僕みたいなエンジニアじゃない人間が、自分専用のツールを作ってしまう。
「これできないんですか」と聞いて、
エンジニアと無駄なやり取りをして諦めていたことが、
チームとして実現できるようになる。
そしてもう一つ。事前に会話のログを拾えるマイクを配っておくだけで、
その人のやりたいことが文字になって、その文字がソフトになったり、
資料になったりする。そこが画期的と言う。
伝えたいことの、1割も伝えていない
僕自身はテレビ局時代、企画書や資料を作るのにたまに徹夜していた。
やりたいことは頭の中にあるのに、それを実現するために、
しっかりしたレイアウトの資料を作ることに忙殺される。
今思えばあれは、マジで意味がなかった。
その時間が、ゼロになる。
資料作成のスキルで評価が分かれることも、なくなる。
やりたいことを一行で言えば、背景も、自分がどういう人間かも、
AIが分かった上で企画書にしてくれる。
じゃあ、どうやってそこまで持っていくのか。
青野さんの答えはシンプルだった。LINE、Slack、音声デバイス。
普段の生活と仕事の中に録音を組み込んで、発言を文字にして貯めておく。
AIがそれをプロジェクト単位のフォルダに整理して、読み込む。
すると、自分が何者で、何を考えているかを、AIが分かっている状態が作れる。
そしてそれは、AIが勝手に創作した空想の文字じゃない。
血の通った、自分自身のDNAである。
大事なのは、自分が何者で、何を作りたくて、何をしたくないのか。
それを文字にしてAIに与えて、マークダウンで記憶させること。
1回の指示文でみんな面倒くさがってやらないけど、本当は過去に言ったことの中に、自分の考えは山ほど発露されている。人間はそれに気づきにくいだけ。
ある研究では、人はAIに伝えたいことの1割も伝えていないらしい。
だったら、残りの9割を埋めればいい。
僕はこの3ヶ月、毎日「これがいい、なぜなら」を喋り続けて、
その記録が657本溜まった。
それがディレクターとしての僕の個性で、AIの教科書になっている。
言語化した8割は、渡せる。
渡せない2割が、たぶん自分の値段になる。
▼ゲスト 青野さん(株式会社Benten/元Google) 会話ログ・コミュニケーションログを活かすAIの会社をやっています。青野さんへのお仕事のご相談はこちら
株式会社Benten(青野さんの会社)
▼話している人 内藤賢志郎(ないとう・けんしろう) 福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを
行っています。
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#アナログ人間のAIアップデート論
「把握すれば、怖くなくなる。」
テレビ局を、12年やって辞めた。
独立して、もうすぐ4ヶ月になる。
会社員時代、僕は給与明細の総額しか見てなかった。
いくら使って、いくら貯めて、何を削れば節約になるのか。
そんなこと、まともに考えたことがなかった。
節約できる脳みそも、食費を削るくらいしかなかった。
居酒屋を松屋にする、それだけ。
確定拠出年金もやってはいた。
でも辞める時に掛け金を同じくらい払っている人が、
5倍に増えているのを見て、
自分がまったく運用できないプランだったことを知った。
NISAも知らなかった。
怪しいとすら思ってた。
控除の意味も、最近になってようやく腹落ちした。
遅い。
そんな金融リテラシーが赤ちゃんのまま、
僕はずっとサラリーマンをやっていたのだ。
自分できないことをAIに任せてみた
会社を辞めると決めたとき、まずやったのはお金の計算だった。
自分の資産と、辞めたあとに払う税金を、AIに全部計算させた。
貯金。
退職金の見込み。
従業員持株を売った現金。
それが自分の資産の全部だった。
それを元に、もし収入がゼロになったら何ヶ月生きられるか、AIに聞いた。
妻と子供3人、5人家族。
答えは、7ヶ月〜10ヶ月。
一年もたない。
競馬でもやって遊んで暮らしたら、半年で終わる計算だった。
現実的にゼロ収入にはならないだろうとは思いつつも、
この数字が最初のスタートラインになった。
税金周り、いくら取られるの?
社会保険料。
住民税。
個人事業税。
所得税。
消費税。
払うべき税金の種類と総額を、AIが弾き出した。
社会保険は、任意継続という制度を選んだ。
辞めてから2年間、会社の保険をそのまま使える。
上限があって、家族分まとめても国民健康保険より安くなる。
年金は強制的に国民年金に切り替わる。
役所に行って手続きをしないといけない。
最初の1年は免除できる、と役所の窓口で言われた。
マジか。でかい。
払うべき税金の総額がわかったら、
その分をまるごと別口座に移した。
税金用口座、手つけない。
そこから払っていく。
それだけ。
住民税は4回に分けて払えるらしいが、
いちいち持っていくのも面倒だったので、6月に一気に払った。
税金って、得体の知れない怖いものだと思っていた。
ある日突然がっつり持ってかれるみたいな。
でも一個一個分解していくと、急に怖くなくなった。
諦めもつく。
こんくらいか、じゃあこうしよう、と思えるようになる。
国、ふざけんな、と思う人の気持ちも、
この歳になって初めてわかった。
でも、給与明細の総額しか見ていなかった頃の僕は、
絶対に気づけなかったことだ。
脳死で契約書を結ばない
契約書について。
不利な条項をAIに全文読ませて洗い出し、
不動産の仲介手数料もかなり削った。
一個だけ、言っておきたいのは、
後ろ盾のないか弱い個人が、戦う場は、契約を結ぶその前だ。
会社や組織は絶対に揉めた際に不利にならないように、
プロフェッショナルが練りに練って、
読む気も失せるあの膨大な文章を構成してくる。
結んだら絶対に絶対にひっくり返らない。
でも全部読んで理解するなんて、アナログじゃ絶対無理だ。
だからそこにAIを入れる。
自分にとっての交渉材料はどこか?
受け入れてはならない条文はどこか?
希望した条項が盛り込まれているか?
徹底的にAI洗い出させて、交渉のテーブルについた。
結果不動産業者の不可解な手数料は10万程度削れたし、
ある仕事の報酬は倍になった。
世の中はバレないようにリソースを奪っていくんだなと、
独立1年目で、よくわかった。自分を守れるのは自分だけだ。
帳簿付け 経費精算 全自動
ここまでが、独立前にやったお金の下ごしらえ。
正直、この段階のAIの使い方に、アナログもへったくれもない。
ただの計算機として、全振りで使っただけだ。
感動したのは、ここからだった。
独立してからの経費管理。
支払いは現金をやめて、全部カードにした。
事業用のカードはfreee(フリー)という会計ソフトに紐付けて、
個人用のカードはマネーフォワードに紐付けた。
分ける必要が本当にあったのか、実は自分でもよくわかっていない。
気づいたら、そういう形になっていた。
Claude Codeは、この両方にMCPという仕組みで繋がる。
MCPというのは、会計ソフトとAIを繋ぐ仕組みのことだ。
ここが一番大きい。
これも、最近知ったばかりだった。
2月とか3月くらいに、
AIのインフルエンサーがみんな、
確定申告がAIでめちゃくちゃ楽になったという話をしていた。
すごい人はそんなこともやるんだ、と思っていた。
でもまだ会社員だったから、正直ピンと来ていなかった。
今、これまでは、AIとただチャットで相談するだけだった自分が
いざ、MCPで会計ソフトとClaudeCodeを繋いだ瞬間、
エージェントとして勝手に動くようになった。
すさまじい。
マジでびっくりした。
仕組みはこうだ。
カードで払うと、そのデータがfreeeに記録される。
どこで、何を、いくら使ったか。
これまでは、そのデータを自分でひとつひとつ仕分けしないといけなかった。
外注費。
会議費。
交通費。
これはどれで、何日で、みたいなジャンル分けを、全部自分でやる必要があった。
それを今回、一切やらなかった。
全部Claude Codeがやって、わからなかったところだけ質問してきた。
これは何に使いましたか、と。
すごいのはここからだ。
コンピュータユース、
つまりAIが自分でパソコンの画面を実際に動かす機能を使えば、freeeの画面を自分で操作して、入力して、設定して、保存まで、勝手にやってくれる。
freeeは前からダウンロードしていた。
でも、使い方が全くわからなかった。
知らないボタン、知らない用語ばかりで、放置していた。
もう、覚える必要すらない。
おかげで今、自分の売上がいくらで、経費がいくらか、リアルタイムで把握できる。
お金、把握したから何かが変わるわけじゃない。
別に変わらない。
でも把握することで、お金に対する安心感が出る。恐怖は薄れる。
これが、大事だった。
税理士に丸ごと丸投げしている個人事業主もいると聞く。
自分もいずれ、税理士の目を通して確定申告することになる。
でもそこまでの仕分けと、帳簿付けは、今回一切やっていない。
それでも、今のところできている。
さらに、こんなこともあった。
打ち合わせのカフェ代や飲食代を、
うっかり個人用のカードで払っていたことが何度かあった。
間違えた、と思っていた。
でもマネーフォワードもMCPで繋いでいるから、
生活費も含めて全部読み込んでくれる。
勝手に移管して帳簿付けまでやってくれてる。
僕の尻拭いすらやってくれるのだ。
自分は手帳に誰と会ったかをつけているので、
それと突き合わせて「この日のこの支払いは経費計上したい」と伝えたら、できた。
経費候補まで、勝手に出してくる。
もちろんこれは叩き台だ。
最終的には税理士のチェックを通して、確定申告をする。
でも、この叩き台までAIが持ってきてくれることに、変わりはない。
クレジットカードで払って、会計アプリに紐付ける。
その会計アプリとClaude Codeを、MCPで繋ぐ。
これだけで、帳簿付けと経費仕分けの8割くらいは、AIがやってくれる。
これは誰にでもできる。
個人事業主なら誰でもできるし、
これから会社を辞めようという人も、同じようにやればいい。
貯金が減っていくのって、普通に怖い。
でもその怖さは、把握するだけで、少し軽くなる。
去年の僕だったら、絶対にわからないままだった。
レシートは束のままぐちゃぐちゃに混ざって、
これ大丈夫かなと放置していたけど、今はあんまり怖くない。
きっと映像制作も、同じようにMCPで民主化される。
その波に、乗り遅れたら、私は終わる。
▼話している人
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)
福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。
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#アナログ人間のAIアップデート論
「社長と同じと思って接しなさい」
プロ野球選手のことを、僕は野球界の先輩にそう教わった。
テレビ局で12年、スポーツのディレクターをやっていた。プロ野球の世界にどっぷりで、選手と接する機会は、たぶん一般の人よりずっと多かった。
そんな中、プロ野球選手🟰社長 という概念は常に忘れず持ち続けてきた。
それくらい、僕たちの常識では推し量れない世界の住人だと思っていた。
じゃあどうやって接するの?
社長には、いろんな人が寄ってくる。だから、人の名前を覚えることがまず難しい。
聞いたときは「あ、そうなんだ」くらいに思っていた。
簡単に自己紹介して、2、3回会話すれば、普通は覚えてもらえると思っていた。顔も覚えてもらえると思って、接していた。
それが甘かった。
社長(プロ野球選手)は、よくわからない人から話しかけられる回数が、桁違いに多い。スタープレイヤーなら尚更である。
こっちは仕事として、取材という体で何度も話しかけている。覚えてもらっているつもりでいる。
でも実際は、相手からしたら自分なんてのっぺらぼうなのだ。
距離が縮まった気になっていると痛い目にあう。
勘違いして気さくに話しかけると、距離感を疑われてめんどくさがられる。下手したら嫌われる。
駆け出しの頃の、典型的なミスはこんな感じだった。
プロは、常に人を見極めている
スター選手は、社長と同じ。
いろんな人間が自分めがけてやってくる。
だからこそ、人を見る目が超一流だ。
「自分にとって安全な存在か」を見極めようとする目を、皆が持っている。
選手は人をふるいにかけて、残った人としか基本、話しません。限られた時間で厳しい世界を生き残るには、そんな作業も必要なのだ。
だけどそのふるいに残らないと、僕たちは一歩先の取材に進めない。のっぺらぼうから抜け出せない。ただ企画書を投げればいい、というものではなかった。
じゃあ、僕たちは何を見られているのか?
僕の経験上、たぶんこの3つだ。
①浮かれてたり、挙動不審は門前払い
堂々としていない人は、相手にされない。
若手時代などは特にそうだが、メディアの人間であっても野球選手の前だと普通に話せなくなる。
言葉が詰まる。訳のわからないことを口走る。いつもと違う挙動に出る。
実際に準備不足だと、取材の問いかけも支離滅裂になるのだ。「これって、どうすか」みたいな、完成していない問いを投げてしまう。
頭が整理できていない。テンパっている。必要以上に謙遜しているからである。
しっかり、「これについてどうお考えですか?」
と言えばいいだけ。でもできない。
目が泳ぐ。挙動不審。質問が最後まで完成しない。これは、野球選手に限らず、一流の人の前で速攻でふるいにかけられる。
相手が大物であるほど、堂々と。問いかけや会話は、最後まで完成させておく。まずこれだけで違う。
②雑談で得た秘密を守らない
二つ目。これはマスコミだったから、余計に感じたこと。
「こいつは、自分の情報をどこまで話していいやつか」
選手のそこへのアンテナの張り方は、異常だった。
当たり前のことだ。でも、その当たり前を破って揉めた人を、僕は何人も知っている。
だから僕は、聞いたことを家族にも身内にも言わなかった。発信するときは、本人や広報の許可を取る。それだけは守っていた。
ただ、ここには罠がある。
本音の情報を社内で共有したり、オンエアに乗せたりすれば、自分の社内での評価は上がる。仕事ができる、という評価になる。
メディアの人間は、全員この間で揺れている。
この情報を出すのは、相手のためか、自分のためか。
「世の中のため」「ファンのため」「知る権利」を全面に押して内心を誤魔化してはいけない。
実は自分のためというのは、バレている。
その葛藤は、僕の中にもずっとあった。
③明らかに忙しいタイミングで連絡する
三つ目。相手の時間感覚を理解すること。
例えば、1億円プレイヤーのLINEを知っていたとする。仲良くなりたい。連絡したい。
でも、ホームランを打った日に「おめでとう」を送っても、たぶん数十人、数百人の「ナイスバッティング」に埋もれるだけ。
既読がつかない。既読スルー。全然ある。相手の立場になれば、そりゃそうだ。
どうせなら返信ストレスの少ない方がいい。
相手の時間軸をイメージしなければならない。極限まで、相手のことを想像しなければトラブルとなる。
自分はここぞの連絡でお願い事があるときは、1ターンで終わる構成にしていた。かかっても2ターン。スタンプでも成立するように。
断られそうな要素は先に潰しておいて、相手が「はい」か「いいえ」だけで返せる形にして送る。
食事に誘うのも同じで、
遠征明けの月曜は、家族と過ごすだろう。移動して戻ってきただけの日は、疲れているだろう。なら、練習だけの日のこの辺か。
と、相手のスケジュールを想像してから誘う。
基本予想なんて外れるが、イメージすることが大事。
逆に、向こうから誘いが来たら仮に「15分後集合」でも行く。このフットワークだけは大前提。
時間の価値が、僕らと同じじゃない。いかに手短に、必要なタイミングで、相手にとって最低限のカロリーで済ませるか。
信用は、この積み重ねで築かれる。
相手のためか、自分のためか
まとめると、ふるいに残る条件は3つ。
①堂々と、最後まで喋り切る。②秘密は、死んでも守る。③相手の時間軸で、考える。
当たり前すぎて拍子抜けだと思いますが、自分より何倍も成功している人を前にして、信用を勝ち得ることは容易ではない。僕は基本的にはあまり、できなかった。
そして3つの根っこは、たぶん全部同じ。
「それは相手のためか、自分のためか」
この問いに、毎回正直でいられるかどうか。
これが正しいかどうかはわからないが、12年間で得た教訓。
答え合わせの機会は、これからも増えていく。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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