1.論文のタイトルEffects of Preoxygenation With Intratracheal Suctioning During Extubation: An Alternating Cluster-Controlled Trial (INtratracheal suctioning and oxygenation AT Extubation [INNOVATE])
2.CitationCritical Care Medicine, 2025, DOI: 10.1097/CCM.0000000000006819
論文内容の要約
本研究は、集中治療室(ICU)における抜管時の処置が患者の転帰に与える影響を調査した単一施設での交互クラスター制御試験です。従来、抜管時には無気肺の予防や安全性のために100%酸素によるプレオキシゲネーションと気管内吸引が行われてきましたが、これらの処置自体が無気肺を助長する可能性が指摘されていました。
研究では、3,675人の成人ICU患者を対象に、従来の「100%酸素+吸引あり」の戦略と、新しい「35%酸素+吸引なし」の戦略を比較しました。主要評価項目は、抜管後48時間以内の再挿管および非侵襲的換気(NIV)の必要性と定義されました。
解析の結果、低酸素(35% $FiO_2$)かつ吸引を行わない戦略をとったグループは、従来の戦略をとったグループと比較して、主要評価項目の発生率が23%有意に減少しました。また、抜管後の酸素化指数(P/F比)についても、低酸素・吸引なしのグループで有意に高い数値が示されました。さらに、このグループでは抜管後の呼吸数がわずかに減少し、ICU滞在期間も短縮される傾向が確認されました。一方で、ICU内死亡率や院内死亡率、病院滞在期間については両グループ間で有意な差は認められませんでした。
結論として、ICUでの抜管において低濃度の酸素を用い、気管内吸引を行わない手法は安全に実施可能であり、再挿管やNIVの必要性を減らすことで患者の予後を改善させる可能性があることが示唆されました。