その書き方を、コギトワークスの脚本家・いながききよたかがお伝えします。
脚本家を目指す方から、趣味で脚本執筆を楽しむ方まで、お楽しみいただける内容を目指しています。
ご自身の創作力を伸ばし、独創的な作品を生み出すヒントを見つけてください。
■ #3 シナリオにおける「キャラクター」について ■
前回までで『ログライン』が設定されました。
今日は、すでに登場人物がある程度決まっている段階を想定した解説です。
映画・ドラマでは、なにはともあれ、人間が描かれるもの。
人間が生き生きと描かれていないと、魅力的な映画にはなりません。
★キャラクターの履歴書は作るな!
世界の映画の動向を見渡すと、より複雑な人間像、複雑な人間関係を描くことが主流化している。
より大きなターゲットを想定した場合、恣意性で紋切り型に陥ることは危険。
★キャラクターを、これ以上なく、知るということ
人間は、常に複雑で多面的あるということを、忘れないこと。
★ストックキャラクターという概念
欧米の作劇法のタームで「キャラクターの在庫」といった意味。
ストックキャラクターを利用すと、観客とすぐに共犯関係を結べる上、
ストーリーの途中でストックキャラクターらしからぬ行動を起こすことでカタルシスを容易に描くことができる。
(一方で、ストックキャラクターは、人種的・民族的・人間観の固定化であり、危険を孕んでいる。)
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動画内で解説された用語まとめ
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●アーキタイプ:元型
「母」や「父」、「ヒーロー」など。
●ステレオタイプ:類型
先入観や、固定観念、差別、偏見によって作られるキャラクター。男=強い、女=おしとやかなどが例。
●クリシェ:印刷の原板。日本語で言えば、「判で押したような」という意味。
常套句、決まり文句のようなもの。紋切り型のキャラクター。
●ストックキャラクター:アーキタイプと似ているもの。
ロールプレイングゲームにおける「勇者」「魔法使い」「賢者」など。
【アーキタイプ】
●トリックスター
シェイクスピアにおける妖精パック。物語の中で、秩序を破り、物語を展開する者。よく、イタズラ好きとして描かれる。賢者であり愚者であるなど、両面併せ持つのが特徴。
●狂言回し
「進行役」「語り手」「語り部」に当たる者。ナレーションが使われる場合往々にしてこの役割の者が担う。
スターウォーズで言えば、C3POでありR2D2にあたる。
●コメディリリーフ(コミックリリーフ)
深刻な物語にあって、滑稽さを演じる役割の者。キャラクターだけではなく、場面(シーン)にたいしても、コメディリリーフと呼ことがある。
●トラブルメイカー
トラブル、厄介事、もめ事を巻き起こす役割を担う者。
●道化師
シェイクスピア『リア王』における道化。トリックスターであり、狂言回しでアリ、コメディリリーフであり、トラブルメーカーでもある。
落語でいうところの幇間、太鼓持ち。
●ムードメイカー
事態を好転させる力を持つ者。英語で言うところの、icebreaker, life of the party, life and soulなど。
【ビッグファイブモデル】
1)外交性(社交的、活発 × 孤独、控えめ)
2)同調性(友好的、同情的 × 批判的、合理的)
3)経験に対する開放性(独創的、好奇心 × 一貫性、慎重)
4)良心に対する考え方、誠実さ、コンシエンシャスネス(効率的、組織的 × 浪費癖、不注意)
5)精神性(敏感、神経質 × 打たれ強い、自信家)
これに加え、ダイナミック(動)か、スタティック(静)かという分類もある。
どのように語られているかは動画をチェック!
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