前田が主宰しているライティングセミナー「マジ文アカデミー」の受講生から「職を探している方がいましたら」の「いましたら」は漢字て書くべきか、という質問をもらいました。これ、みなさんいかがですか?
「居る」は常用漢字表にあるので、使うこと自体は問題ありません。ただ、その使い方にはちょっと注意が必要です。本来の意味を持つ「居ても立ってもいられない」「居合わせる」「居抜き」「居残り」などの場合は、もちろん漢字を使ってもいいのです。
ところが補助動詞の場合は、「ひらがなにする」のが原則です。補助動詞というのは、本来の意味・用法の独立性が薄まって、述語の下に付くものを言います。いわば、付属的に用いられることが多いものです。「食べてみる」「行ってみる」の「みる」、「お読みください」の「ください」のたぐいです。「子どもを育ててきた」という場合の「きた」も補助動詞です。
形容動詞の連用形だと「〜で」の形をとって「達者でいるかい」「元気でいてほしい」などや、打ち消しの場合は「服も脱がずにいる」「何も知らないでいる」の「いる」がそうです。
動詞だと「空を飛んでいる」「雨がふっている」といったように、動きが継続したり進行中であったりする場合や、「入り口があいている」「時計が止まっている」など変化を表す動詞について結果が持続している場合です。
質問にあった「職を探している方」の「いる」も同様なんです。「母親に似ている」「海に囲まれている」もその状況を表す補助動詞なんです。
こうしてみると「居る」を漢字で使う場合は先に挙げたように、限定的になるのです。ところが、ことばには、感覚的な問題も含まれるので、補助動詞であっても漢字を使った方が威厳がある、という人も居ると思います。
個人の文章なら、そこまで厳しく言う必要はないと思います。ただ、公式な文章などでは、補助動詞の類いはひらがなを原則にすべきでしょうね。
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