元の論文:Neonatal acute liver failure cases with echovirus 11 infections, Japan, August to November 2024
Citation:Euro Surveill. 2025;30(1):2400822. doi:10.2807/1560-7917.ES.2025.30.1.2400822
論文の要約
この論文は、2024年8月から11月にかけて東京都で報告された新生児の劇症肝不全(acute liver failure, ALF)3例が、エコーウイルス11(E11)感染によって引き起こされたことを示しています。
◯ 症例の特徴
発症は生後7〜8日目で、黄疸や哺乳不良、傾眠などから急速に進行し、1〜2日で多臓器不全に至りました。全例が死亡しました。
◯ 診断と検査
PCR検査で血清中にエコーウイルス11が確認されました。他のウイルスは検出されませんでした。2例では免疫反応の異常亢進を示す血球貪食性リンパ組織球症(HLH)の診断基準も満たしていました。
◯ 系統解析の結果
検出されたE11は「new lineage 1」と呼ばれる新しい系統に属しており、2022〜23年にヨーロッパで報告された重症新生児肝不全例と同じ系統でした。系統樹解析により、この新しいE11系統は2016年ごろ出現したと推定されました(図1, p.3参照)。
◯ 日本での流行状況
国の感染症サーベイランスでは、2024年にE11症例が急増しており、特に8〜11月に集中していました(図3, p.4参照)。
◯ 考察
若年齢や男児であること、母体からの抗体移行が低いことが重症化に関連している可能性が示唆されました。新系統のE11が日本にも広がっていることが明らかになり、警戒が必要です。
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