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便利な道具が登場するのを、ただ待っているだけでよいのでしょうか。
今回の「Light My Way」は、視覚障害者向けの用具やサービスが集まる「ライトハウス展」を訪れた体験から始まります。
会場には、想像していた以上に多くの人が訪れていました。年齢も見え方もさまざまです。それだけ多くの人が、自分の生活を助ける道具や方法を探している。その光景から、視覚に悩みを抱える人の多さをあらためて感じます。
展示されていたのは、歩行を助ける案内装置、文字を拡大したり音声で読んだりする読書器、まぶしさを抑える遮光レンズなど。点字や音声の本を利用できる「サピエ図書館」の専用機器にも触れました。
どれも生活を支える大切な道具です。しかし正直に言えば、驚くほどの進歩を感じる製品には出会えませんでした。必要とする人が限られるため、開発費を回収しにくく、価格も高くなりやすい。必要性の高さだけでは、製品が生まれにくい現実があります。
だからこそ、当事者が日々の困りごとを外へ伝えることが必要なのかもしれません。使いにくさを一番よく知っているのは、実際に使う人です。
一人の「困った」という声が、新しい技術の出発点になる。そして、その工夫が、やがて多くの人の便利さにつながることもある。ライトハウス展を通して感じた、当事者から発信することの大切さについて語ります。
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おのやすなり
しらかわじゅんこ
Production COMIMA
Script Ono Yasunari
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https://note.com/spaonocyann/m/mc60523b19892
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絵を見るとは、細かな部分まではっきり見えることなのでしょうか。
今回の「Light My Way」のテーマは、「見えなくなっても、美術館へ行く理由」です。
しらかわが好きなのは、フェルメール。大阪で作品を見られる機会を楽しみにする一方、今の見え方で何を感じられるのだろうという思いもあります。
おのも、昔から美術館が好きでした。子どもの頃、家にあった画集で見た絵と、美術館で初めて出会ったときの不思議な感覚。
作者や作品名を知らなくても、なぜか目の前から離れられない絵。何百年も前の画家が見た風景や人物を想像すると、時代や国を越えて、その人と向き合っているように感じました。
ニューヨークのメトロポリタン美術館では、有名な絵の前に座り、先生の話を聞く子どもたちの姿を目にします。美術が暮らしや教育の近くにある光景が、心に残りました。
視覚障害が進んでからも、おのは美術館へ通いました。細部は見えなくても、本物の作品の前に立つ時間が好きだったからです。
ただ、絵に近づこうとして、知らないうちに境界線を越えてしまったこともあり頻繁に注意絵お受けます。作品を守る必要は分かっていても、伝え方によって受け取る気持ちは変わります。嫌な気持ちになることが多くなりました。
詳しい知識がなくても、見え方が変わっても、その人なりに絵と向き合うことはできる。見えるものが少なくなった今、美術館で感じられるものについて語ります。
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食事のおいしさは、料理だけで決まるものではありません。誰と、どのような時間を過ごすのか。それも大切な味の一つです。
今回の「Light My Way」のテーマは、「視覚障害者の食事」です。
おのは今も外食が好きで、妻とは食べ歩きを楽しんでいます。以前は、立ち飲み屋へ一人でふらりと入ることもありました。
しかし、視力が低下してからは、一人で店に入ることも、大勢の飲み会に参加することも、ほとんどなくなりました。
メニューの文字や料理の写真が見えない。注文した料理が運ばれても、皿の位置や盛りつけが分からない。取り分ける料理では、どこに何があるのかを誰かに教えてもらう必要があります。
それ以上に気になるのが、食べこぼしや姿勢です。料理を見ようとすると顔が皿に近づき、うまく食べられない姿を周囲に見られているように感じる。楽しいはずの食事が、緊張する時間になることもあります。
そんなおのが選ぶようになったのが、一対一の「サシ飲み」です。見えないことや、必要な手助けを最初に伝えやすい。そして、目の前の一人と、ゆっくり深い話ができます。
以前と同じ付き合い方に戻るのではなく、今の自分が安心できる形を選ぶ。料理が見えなくても、会話の中身は見失わない。一番のごちそうとは何なのかを、二人で静かに考えます。
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できなくなったことも、やり方や環境を変えれば、もう一度体験できるかもしれません。
今回の「Light My Way」のテーマは、「視覚障害と運転免許」です。
おのは、かつて車と中型バイクのゴールド免許を持っていました。しかし、視力が低下してからは、免許証も身分証明書として使うだけに。4年前、更新せずに失効させました。そのときは、もう二度とハンドルを握ることはないと思っていました。
ところが最近、視覚障害者が車を運転する宿泊ツアーの存在を知ります。教習所を借り切り、指導員が同乗する安全な環境で、参加者が教習コースを運転するというのです。
おの自身は、今すぐ運転したいと強く思っているわけではありません。それでも、ハンドルを握り、アクセルを踏み、車やバイクで走っていた頃の感覚は、今も記憶に残っています。
しらかわの家族ドライブや、おのが運転をやめてから変わった外出の話も交えながら、「移動すること」と「運転すること」の違いを見つめます。
視覚障害者だから運転できない。それで終わらせず、どうすれば体験できるのかを考えた人たちがいる。
できないことを、無理にできると言う必要はありません。ただ、環境を整えることで、閉じたはずの扉がもう一度開くこともある。そんな可能性について語ります。
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世の中が便利になるほど、誰にとっても使いやすくなっているのでしょうか。
今回の「Light My Way」は、「視覚障害者あるある」をテーマにした、おのの小さなぼやきから始まります。
外出先のトイレで、用を足したあとに水の流し方が分からない。手探りでボタンを押したら、流れたのは水ではなく「川のせせらぎ」の音。服はびしょびしょになるし、駅員さんや看護師さんが飛んでくることもある、
水を流すボタンは一体どれ?
家に帰れば、液晶画面の見えないエアコンのリモコン。電話がかかってきても、思うように出られないスマホ。コンビニや病院では、画面を見ることを前提としたタッチパネルが待っています。
見える人にとっては便利な機能も、見えない人には操作の手がかりがありません。押せるかどうかだけでなく、押した結果も分からないのです。
一方で、自分には使えないと思っていたATMを、全盲の先生に教わり、操作できたという体験もありました。「見えないからできない」のではなく、別の方法を知らなかっただけのこともあります。
新しい技術を否定したいわけではありません。ただ、便利と使いやすさは、本当に同じなのか。笑いを交えながら、毎日の身近な道具を見つめ直します。
とりあえず、トイレの水くらいは迷わず流したい。そんな素朴な願いの奥に、静かな気づきが残る回です。
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障害年金は、必要になって初めて、その仕組みの複雑さに気づく制度なのかもしれません。
名前は知っていても、障害者手帳との違いは何か。働いて収入があっても受け取れるのか。申請には、どのような準備が必要なのか。分からないことは少なくありません。
今回の「Light My Way」では、これから障害年金の申請を考えている、しらかわ。そして、すでに申請を経験した、おの。それぞれの立場から、制度の基本と申請への思いを語ります。
おのの申請では、視覚障害に複数の病気が関係していたため、約45年前までさかのぼって受診歴を調べる必要がありました。最初は自分で手続きをするつもりでしたが、病歴を整理する難しさを感じ、社会保険労務士に依頼します。
一方、しらかわは、病状が進んだことで申請を考え始めました。制度を知ることと、自分が申請すること。その間には、思っていた以上の距離があります。
自分で申請するのか、専門家に相談するのか。答えは人によって違います。大切なのは、まず制度の存在を知り、必要になったときの選択肢を持っておくこと。誰かの体験が、これから一歩を踏み出す人の小さな道しるべになる。そんなお話です。
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就職先候補を見に行ったはずが、気になったのは、自分の就職のことではありませんでした。
「この会社は、どうやってこの仕組みをつくったのだろう」
今回のLight My Wayは、おのが就職活動の一環で訪れた、A型事業所として治療院を運営する会社での体験から始まります。
そこで働いていたのは、視覚障害のある施術者たち。
あんま・マッサージ指圧師や鍼灸師などの資格を持ち、会社全体では視覚障害のある有資格者が約100人働いているといいます。
さらに印象に残ったのは、経営者の姿勢でした。
多くのスタッフを抱えながら、一人ひとりの経歴や状況に目を向けている。
福祉でありながら、事業として継続させる。
その両方を成り立たせようとする姿に、おのの関心は「ここで働くこと」から「この仕組みをつくること」へと移っていきます。
鍼灸師やあんま・マッサージ指圧師になるために、今は学校で学んでいます。
けれど、資格を取ることがゴールなのだろうか。
視覚障害のある人が働き続けられる環境。
患者さんに必要とされる治療院。
そして、この業界のこれから。
かつて経営や事業づくりに関わってきた経験と、今学んでいることが、少しずつつながり始めました。
働く場所を体験しに行った一日が、
「自分は、どんな未来をつくりたいのか」を考える一日に変わる。
資格を取ることは、そのスタート地点なのかもしれません。
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Light My Way 第22話「技術者になるか、業界を変える人になるか」
自分の人生を振り返ったとき、「あの経験に何の意味があったのだろう」と思うことがあります。
うれしかったことだけではありません。
失敗したこと。悩んだこと。できなくなったこと。
できれば忘れてしまいたい経験もあります。
今回のLight My Wayでは、「すべての体験を価値に変えよう」というテーマを、しらかわの人生を通して考えます。
視覚障害になり、視覚支援学校へ通い始めたことで、新しい体験が生まれました。
見えなくなったことへの不安。
授業や実技での苦労。
新しい仲間や先生との出会い。
そして、できなかったことが、できるようになった瞬間。
しかし、それらは突然始まった物語ではありません。
子育てや仕事、家族との時間。
これまで歩いてきた人生と今の体験を重ねてみると、かつては意味がわからなかった出来事が、違った姿で見えてくることがあります。
点だった経験が、時間を越えて線でつながっていく。
そして、自分では何でもないと思っていた経験が、誰かの安心や勇気につながることもあります。
成功した話だけが、人の役に立つわけではありません。
悩んだことも、迷ったことも、立ち止まったことも。
そのとき何を感じ、どう向き合ったのか。
それを言葉にしたとき、ただの「体験」が、誰かに届く「価値」に変わるのかもしれません。
あなたの人生にも、まだ自分では気づいていない「価値」が眠っていませんか。
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Light My Way 第21話「すべての体験を価値に変えよう ~もう一つの視点~」
「才能」と聞くと、何を思い浮かべますか。
勉強ができる。スポーツが得意。人にはない技術を持っている。
そんな「能力」を想像する人が多いかもしれません。
でも今回のLight My Wayでは、少し違う角度から才能を考えます。
キーワードは、「何ができるか」ではなく、「何に心が動くのか」。
おのが以前学んだ「才能心理学」では、人の能力よりも、その奥にある感情に目を向けます。
前回取り上げたヘレン・ケラーにとって、人生を大きく動かしたのは、井戸水に触れながら「water」という言葉の意味を知った瞬間でした。
言葉には概念がある。
もっと知りたい。もっと学びたい。
その喜びが、彼女の生涯にわたる学びにつながっていきます。
一方、アン・サリバンは、幼い頃の貧困や家族との別れ、自らの視覚障害を経験しました。その苦しい記憶が、ヘレンに寄り添い、可能性を信じ続ける力になったのかもしれません。
そして話は、しらかわの心に潜む感情にスポットを当てることになります。
そこには、視覚障害があっても工夫しながら学び、それぞれの力を発揮している思いがそのような感情に支えられているのかを読み解きます。
何が得意なのかではなく、
何が嬉しかったのか。
何が悔しかったのか。
そして今、何に心が動くのか。
そこに、自分でも気づいていない「才能」の入り口があるのかもしれません。
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Light My Way 第20話「才能は、感情から生まれる」
# Light My Way 第19話「アン・サリバンという教育者」
ヘレン・ケラーの名前は知っていても、その人生を半世紀以上にわたって支え続けたアン・サリバンという教育者については、脇役的なイメージを持つも人も多いのではないでしょうか。
有名な話ですが、「奇跡の人」とはヘレンケラーではなく、サリバン先生の話なんですよね。
今回の放送では、一人の偉大な教育者としてのアン・サリバンに焦点を当て、その人生をたどります。
幼い頃に視力を失い、母との死別、父との別れ、そして救護院での生活。決して恵まれた環境ではなかった少女が、十四歳でパーキンス盲学校へ入学し、懸命に学び、主席で卒業するまでの歩みを振り返ります。苦しい経験の積み重ねが、後に教育者としての強さにつながっていったことが少しずつ見えてきます。
卒業後、二十歳でヘレン・ケラーの家庭教師となったアン・サリバン。最初から順調だったわけではありません。有名な「ウォーター」の場面も、一日一日の積み重ねがあってこそ生まれたものでした。生活習慣から教え、何度も指文字を伝え続け、決して諦めなかった。その姿からは、知識や技術だけではない教育の本質が伝わってきます。
番組では、「厳しさ」と「愛情」は決して反対のものではないことについても語り合いました。アン・サリバンはヘレンを「かわいそうな子」としてではなく、一人の人間として向き合い、自立できる力を育てようとしていました。その教育への信念こそが、五十年以上にわたり二人を結び続けた理由だったのかもしれません。
そして最後は、私たち自身の学びへと話が広がります。人を支える力は、生まれ持った能力だけではありません。苦しみや悲しみを経験した人生そのものが、誰かに寄り添う力になることがあります。アン・サリバンの人生を知ることで、教育とは何か、人を信じるとは何かを静かに考えさせられる放送です。
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