道具は、揃っている。
土台も、できている。フィルターも組んだ。ポンプも買った。止まっているのは、プラスチックの箱に穴を開ける、たった一工程だけ。
なのに、動けない。
第79回のまほぶラジオは、いつもと逆でした。お悩みを持ってきたのが、今西です。
百人町に作ると言ってしまったビオトープが、いつまでも完成しない。いろんな人に喋ってしまったから、「いつになるんですか」と聞かれる。その中には、小さな女の子の声も混じっていました。
呼ばれた偉人は、ヘンリー・フォードと、糸井重里さん。「完成を考えるな、工程を分けろ」「完成させなきゃと思ったところから、ビオトープは嫌がるんですよ」
いい答えでした。肩の力が、すっと抜けました。
──ここで終わっていれば、いい話だったのです。
そのあと、一番近くで見ている佐野さんが、静かにこう切り出しました。
「俺がビオトープを完成させようよって、今ちゃんに言わない理由があるんだよ」
その理由を聞いたとき、悩みの正体が、入れ替わりました。
遅れていたのは、やる気ではなかった。覚悟が足りなかったわけでも、なかった。
決まっていないことが、あった。
長い時間をかけて何かを続けようとするとき、いちばん難しいのは、熱を保つことではないのかもしれません。
答えは、この回では出ていません。穴のサイズも、世話をする人も、決まっていない。番組は「モヤモヤが深まりましたね」で終わります。
それでも、ひとつだけ動いたことがありました。ハットさんが、こう言ったのです。
「一旦僕、鍵お借りしていいですか」
──余白は、つくれる。水をやる人は、決めないと現れない。
長期のプロジェクトを、誰かと一緒に続けている方へ。そして、自分が始めてしまった物語の重さを、ひとりで抱えている方へ。
パーソナリティ:今西/佐野/ハット収録:隠れ喫茶・きたむら
👇 文字で読みたい方はこちら(Note)
https://note.com/mahoroba_office/n/nebed2a6fd32d
👇 まほろばの活動・参加はこちら
https://lit.link/mahoroba_office