本日のこのコーナーでは、今シーズン、台湾プロ野球で奮闘した一人の日本人投手、高野圭佑(たかのけいすけ)投手についてご紹介したいと思います。
今シーズンの開幕時、台湾プロ野球の日本人プレーヤーは、味全ドラゴンズ、かつてアメリカ大リーグで活躍した田澤純一投手の1人でした。
開幕後の4月7日、中信兄弟に、かつて千葉ロッテマリーンズや阪神タイガースでプレーした右腕、高野圭佑投手が入団しました。ただ、即戦力という形ではなく、まず2軍でプレーし、支配下登録を目指す、「テスト外国人」という形での入団でした。
高野投手は隔離を終えた5月6日にチームと契約、しかし、さあ2軍戦でアピールだと思った矢先、台湾では市中感染が急拡大、1軍、2軍の公式戦はいずれも休止となりました。感染状況がおちつき、7月13日に1軍は再開されましたが、2軍はさらに1ヶ月以上経った8月20日にようやく再開されました。
高野投手は8月25日、2軍デビュー戦を2回無失点で飾り、その後、1試合の先発を含め5試合に登板、6試合で、1勝、防御率2.57という成績を残し、アピールしました。
台湾プロ野球には独自のルールがいくつかありますが、そのひとつが、外国人選手の登録期限です。台湾プロ野球では、1軍支配下登録の外国人選手は4人までと決まっています。そして今年の期限、10月11日が迫ってきました。
中信兄弟は10月に入り、1軍4枠の外国人選手のうち1人が家庭の事情で帰国することが決定、7日、入れ替わりで高野投手が支配下登録され、8日、1軍昇格を果たしました。
前期シーズン優勝した中信兄弟は、台湾シリーズを見据え、外国人選手を新たに2人獲得していました。現在ハーラーダービートップのデポーラ投手、そしてこの2人の1軍登録が濃厚な中、高野投手は残り1枠をかけた勝負に臨むこととなりました。
恩返しの気持ちでベストを尽くしたいと語った高野投手は、期限日の前日、10日、ガーディアンズ戦の7回裏、1軍初初登板を果たしました。残り1枠争いのライバル、ロジャース投手が残した1アウト満塁のピンチで登板した高野投手は、最初の打者に犠牲フライを浴びたものの、次の打者を三振に切ってとり、ピンチを切り抜け、ガッツポーズをみせました。
回跨ぎで登板した8回は、2アウトから、ヒット、フォアボールなどでピンチをつくった後、タイムリーヒットを浴びましたが、その後、三振に打ち取り、1失点でしのぎました。1回3分の2を投げ、被安打2、奪三振2、1失点という内容、ホールドをマークしました。気迫を感じる投球でした。
そして、迎えた11日。球団が出した結論は、ロジャース投手残留、高野投手の解雇というものでした。
通達後は落ち込みを隠せなかった高野投手でしたが、自身のインスタグラムで、チャンスを与えてくれた中信球団、そして中信のファンに感謝の言葉を述べ、「また皆とどこかで会える日を楽しみにしています。ありがとう台湾」と記しました。
高野投手は、帰国後、トライアウトを受験、現役続行をめざすということです。高野投手の今後の活躍を応援したいと思います。