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第5章: はるかさん

黒猫の星の飼い主が見つかりました。けいたくんのお母さんのSNSのメッセージを見て、連絡があったのです。飼い主は、若い女性で、名前ははるかさんでした。星の本当の名前は、キキでした。はるかさんは、「魔女の宅急便」というアニメ映画が大好きで、自分の猫に、映画に出てくる名前をつけたそうです。

はるかさんは、けいたくんのうちまで来ました。玄関で自分の猫キキを見たとき、はるかさんは泣き出しました。「ああ、キキ、よかった！無事に見つかって。生きていてよかった。本当にもう会えないかと思ったよー。」と泣いていました。けいたくんは、大人でもこんなに泣くんだなあ、飼い主が見つかってよかったあと思いました。

トラはさみしそうに「ニャーニャー」と鳴いています。その様子を見たはるかさんは「ああ、キキの友達ですね。もしよければ、いつでもトラと一緒にうちに来てください。キキに会いに来てくださいね。」と誘ってくれました。けいたは「お母さん、今度、はるかさんちに行ってもいい？トラだって、きっとキキに会いたいから。」と聞くと、「はるかさんが迷惑じゃなければ、ぜひ。」と答えました。はるかさんは「もちろんです。私は猫が大好きだから、トラとキキが仲良くするのはぜんぜん問題じゃないですよ。これからもぜひよろしくお願いします。」と言いました。

その夜、トラはやっぱりキキがいなくなってさみしそうでした。けいたは、そんなトラに「今度はるかさんちに行こうね。キキに会いに行こうね。」と言いました。